バブル期に大量発生したモノ!?…瀬戸大橋と「ファンシー絵みやげ」 (2/2)

2018/11/23 12:00 山下メロ 山下メロ


香川のキャラクターの弱さとは一体なんでしょうか。香川県のアイテムを見てみましょう。



はい、このようにメインのキャラクターが金刀比羅宮(金毘羅さん)に代参した森の石松なのです。森の石松といえば静岡県の清水次郎長一家ですから、金刀比羅宮を訪れたことがあるだけで香川の人間ではありません。さすがに静岡の人を使うわけにいかないので瀬戸大橋のキャラクターは桃太郎となったのでしょう。



「KOTOHIRA」といっているのに、まったく金刀比羅宮のイラストも、森の石松もおらず、単なるカップルと瀬戸大橋。それほどまでに瀬戸大橋の注目度が高かったんですね。瀬戸大橋は四国の香川県に架かっているわけですが、他の県でも少しだけ見受けられます。



こちらは香川県の左隣の愛媛県松山です。松山といえば夏目漱石の『坊ちゃん』ということで坊ちゃんとマドンナ。いや、カップルじゃねーし……というのは今回は置いといて、松山というのは瀬戸大橋からほど遠いのですが、それでも瀬戸大橋の恩恵が大きかったのでしょう。しかし、さすがに瀬戸大橋は通ってない場所なので「SHIKOKU」と書いて、四国全体のことであるようにアピールしています。では香川県の右隣にある徳島県はどうでしょうか。



はい。ありません。徳島県は1988年開通の瀬戸大橋より早い1985年に鳴門市から淡路島への大鳴門橋が開通していますので(淡路島と本州を結ぶ明石海峡大橋は1998年開通)、やはり背景に大鳴門橋以外の橋を書くわけにはいきません。なので徳島県のファンシー絵みやげに瀬戸大橋は登場しないんですね。では最後、香川県と隣接していない高知県はどうでしょうか。



ありました!「THE BAKUMATSU BOY」というのも気になりますが、瀬戸大橋からさらに遠い高知でも龍馬と瀬戸大橋でアイテム作ってますね。瀬戸大橋が開通して、高知観光に来る本州の旅行客も増えたのでしょう。しかし香川に隣接もしていないからか「SETO OHASHI」とはどこにも書かれていません。



さらに高知の下駄型貯金箱。こちらも香川に隣接すらしていないのに瀬戸大橋を描いちゃってます。こちらは「SETO OHASHI」と書かれている……ものの……下駄の鼻緒で巧妙に隠しています。やはりあくまで大きく主張できないのですね。

では最後にこちらをご覧ください。




ツッコミどころが多すぎるのでまとめて言いますが……
まず海が謎の英字新聞をちぎった上にクレヨンで塗って作られている……理由は不明
そして……Sky……Teppen……Shima……Shima Shima……


謎すぎ!!

では、また次回。



■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。

(文と写真:山下メロ)



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ROADSIDERS' weekly 2018年03月14日 配信号 帰ってきたファンシー絵みやげ(写真・文:イチゴドロボウ)

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