こんな場所が母校ってうらやましい…アノ世界的建築家が初めて手掛けた大学校舎がステキすぎる!(1/2)

2018/11/20 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)


先月、2018年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に京都大学高等研究院特別教授の本庶佑氏が選ばれ、明るいニュースとしてお茶の間を賑わせました。



因みに、こちらは一部では話題となりましたが「イグ・ノベール賞」もやはり日本人が受賞しました。

【面白すぎる研究】バナナの皮はマジですべる?イグ・ノーベル賞の世界展

このように、毎年秋となるとノーベル賞(またはイグ・ノーベル章)を誰が受賞するのか俄然注目が集まります。ところで、科学や医療、文学の他にも我々の生活になくてはならないものがあります。

それが「建築」です。

建築界には、ノーベル章と比肩するほど価値のある「プリツカー賞」 (The Pritzker Architecture Prize) が存在します。



1979年から現在まで毎年、建築界のノーベル賞「プリツカー賞」でも、日本人は常連であり、これまで7名(6組)もが受賞しています。これはアメリカについで2番目の多さとなります。

丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、妹島和世&西沢立衛 (SANAA)、伊東豊雄、坂茂。錚々たる顔ぶれです。日本の文化発信として安易にアニメや江戸文化が海外へ向け発信されていますが、建築こそ最も今の日本が世界に誇れる文化だと思います。

さて、2010年にプリッカー賞を受賞した、建築ユニット妹島和世&西沢立衛 (SANAA)。金沢21世紀美術館やディオール表参道、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート(NY)、ルーヴル・ランスなど二人が手掛けた建築物をあげたらきりがありません。


ルーヴル美術館ランス別館

「SANAA」(サナア、Sejima and Nishizawa and Associates)としてユニットで活動するだけでなく、「妹島和世」「西沢立衛」と個人でも建築事務所を構え、国内外の多くの建物を設計・建築しています。

妹島 和世(せじま かずよ)
1956年茨城県生まれ。建築家。「伊東豊雄建築設計事務所」を経て、87年、「妹島和世建築設計事務所」設立。95年に西沢 立衛氏と「SANAA」を設立。「金沢21世紀美術館」「ルーヴル・ランス」「トレド美術館ガラスパビリオン」などの建築を協働設計。プリツカー賞、ショック賞、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞など、国内外の受賞歴多数。


豊田市生涯学習センター 逢妻交流館

これだけ世界的にメジャーとなってしまうと、遠い存在となってしまい、我々の身近な建築は設計しないのかな~と思いがちですが、そんなことはありません。とりわけ妹島和世氏は、小平市仲町「なかまちテラス」や「豊田市生涯学習センター 逢妻交流館」など市民が利用する建物も積極的に手掛けています。

2016年に両国に開館した「すみだ北斎美術館」も妹島氏によるものです。


個人の邸宅から市民が集う図書館や美術館などを手がけてきた妹島氏ですが、ひとつだけ手を付けていないものがありました。それが「学校」です。

確かに、学び舎にスタイリッシュな建築は実際問題として不要なのかもしれません。無機質に整然と並ぶ教室や廊下、変えたくても教育効率を考えると中々変えられないのが現実です。



しかし、我々が思い浮かべる「学校」とは違う校舎を必要とするなら…それはもう妹島氏のデザインセンスを頼るのが最善の策となることは間違いありません。

それを求めていたのが、「大阪芸術大学 アートサイエンス学科新校舎」だったのです。時に建築とは結婚のようなものです。お互いがお互いを求めあい初めて成立するものです。



妹島氏が初めて大学の校舎を手がけるにあたり、以下の3点に留意したそうです。

1.外観の印象。
 丘の上の立地で、「芸坂」を上ると最初に目に入る建物だからこそ、主張しすぎないように環境との調和を意識して、丘と一体化していること。

2.建物が“開かれている”こと。
 内と外との自然なつながりを重視し、いろいろな方向から出入りができて、内側からはさまざまな方向に外の風景が見えること。

3.交流の場になること。
 さまざまなジャンルのアートを学ぶ学生も気軽に立ち寄れて、新しい出会いが生まれる空間になること。

これらを踏まえて完成したのがこちらです!

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