【マリウス葉もうっとり♡】超スゴイと噂の美術館に行ってみた!

2018/11/7 20:45 虹
話題沸騰中の「ムンク展」、もう観に行かれましたか?


▲エドヴァルド・ムンク《叫び》 1910年? テンペラ・油彩、厚紙

血のように赤い雲の下で「叫び声を聞くまい」と必死に耳を塞ぐ人物を描いた《叫び》。ムンクと言えば、あまりにも有名なこの絵を誰しも思い浮かべることでしょう。
本展はオスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、西洋近代絵画の巨匠、エドヴァルド・ムンク(1863-1944)の作品約100点を通じて、画家の波乱に満ちた生涯を辿る大回顧展です。
今回が初来日となるテンペラ・油彩画の《叫び》は、「もう次はないかもしれない」と言われるほど滅多に外に出ることがないのだとか。


▲エドヴァルド・ムンク《自画像》 1895年 リトグラフ/ムンクはゴッホやレンブラント並みに自画像を描いた画家のひとりでした。会場には自撮り写真も満載!

幼少期より立て続けに身内を亡くし、常に「死」を身近に感じながら生きてきたムンク。
女性関係のトラブルやアルコール依存などもあり、作品は全体的に苦悩に満ちたものが多いのですが、 どんなに陰鬱な主題が続いても重くなり過ぎない色彩の扱いなどは、さすがは北欧の画家といったところでしょうか。
展覧会全体の質も高いうえに、福山潤さんによる音声ガイドが凄すぎてですね……「昼間からこんなにすごいものを聴いちゃっていいのかしら~♡」と赤面するほどでしたので、ぜひ淑女の皆様におかれましてはお手に取っていただきたく。


▲会場風景。絶えずいろいろなことがあって大変だったムンクですが、明るい色調の作品も多く残しています。


ムンク展─共鳴する魂の叫び
場所:東京都美術館
会期:~1月20日(日) ※月曜休館(その他休館日はサイトにて)
時間:9:30~17:30 金曜日は20:00まで
   ※いずれも入館は閉館の30分前まで
▶「ムンク展」公式サイト


今、上野公園は、「フェルメール展」「ルーベンス展」そして「ムンク展」といった誰もが知る巨匠たちの展覧会でにぎわっています。もはや空前絶後の芸術祭と言っても過言ではありません。



ひとつのエリアで名作を一挙に鑑賞することができるなんて、本当にありがたいことですよね。
しかし日本にはもうひとつ、今の上野に勝るとも劣らない華やかな場所があるのをご存知でしょうか?
そう、この「いまトピ」でも過去にアート部部長のTakさんが2回にわたって紹介された「大塚国際美術館」
今回はフェルメールもルーベンスもムンクもばっちり押さえた大塚国際美術館について書いていきたいと思います。


大塚国際美術館とは?

大塚国際美術館は、徳島県鳴門市にある日本最大級の常設展示スペースを有した世界初の「陶板名画美術館」。です。


▲控えめな外観からは想像できないほど、館内にはすごい世界が広がっています。

陶板とは、文字通り陶器でできた板のこと。
陶板で名画? 不思議ですよね。
実は大塚国際美術館に展示されている作品は、全て陶板で作られた複製なのです!
絵画を大判カメラで撮影し、それを陶板の上にシルクスクリーンのように焼き付けて本物そっくりの作品を作っています。
しかし単なる複製品ではありません。1点につき製作期間は約3カ月専門家による厳しいチェックが入り、公式(所蔵館や遺族など)の太鼓判が押されたところではじめて展示される超ハイレベルな「複製」です。
しかもこの美術陶板、なんと屋外に放置しても約2000年は色彩が保たれると言われています。実はこの「ハイレベルかつ頑丈である」という点こそ、これからお話しする大塚国際美術館の最大の強みなのです!

大塚国際美術館に関する更に詳しい内容はTakさんの記事をどうぞ!
▶君は「行ってよかった美術館ランキング」1位の大塚国際美術館を知っているか。
▶「行ってよかった美術館ランキング」1位の大塚国際美術館は“コスプレ天国”でもあった!



【美術陶板】だからできること

突然ですが、ここでSexy Zoneのマリウス葉さんによる大塚国際美術館のキャンペーン動画を見てみましょう。



おわかりいただけたでしょうか……? マリウスさん、絵に触っていましたよね?
そうなんです。触れるんです。なんと館内に展示されているほぼ全ての作品がお触りOK!
ジャクソン・ポロックやフィンセント・ファン・ゴッホなどによる絵肌が特徴的な作品は、陶板の上にこのような「レタッチ」が施されて本物と同じような質感を再現しています。




触れるだけではありません。「美術陶板」は雨風にもすこぶる強く、さらに約2000年退色しないことから屋外展示もOK! ということで、モネ本人が夢にみた《睡蓮》の屋外展示を実現しています!


▲クロード・モネ《睡蓮》/周囲には人口の池が作られ、本物の睡蓮も咲いています。

このエリアにはモネにちなんだ「カフェ・ド・ジヴェルニー」も併設されており、自然光のもとに佇む《睡蓮》を鑑賞しながらランチをとることもできてしまうという……まさに夢のような空間です。



フェルメール、ルーベンス、ムンク……巨匠が集う最強の空間

さて、来館者が大塚国際美術館に入って最初に度肝を抜かれるのは、何と言っても「システィーナ礼拝堂」の再現でしょう。


▲ミケランジェロ・ブオナローティ 「システィーナ礼拝堂」

以前ヴァチカンにて本物を観たことがあるのですが、現地の礼拝堂内は少し暗め、加えて人がたくさんいてじっくり鑑賞するのがやや難しくもありました。
しかしここでは隅々まで見渡すことができ、しかも近くに寄ることができる。もちろん実物および現地の雰囲気は何にも代えがたいものですが、ミケランジェロによる習作を思い出しながら「ああ、ここはこうなっていたのか」と確認することができるのは大塚国際美術館ならではです。


▲天井画もこのとおり!


さすがにこれ以上のインパクトはないだろう……と油断してはいけません。ここからが怒涛の名画ラッシュ!  5点ではありますが、《真珠の耳飾りの少女》《デルフトの眺望》も揃ったフェルメール・ルーム!




続いて《叫び》《思春期》、そして上野の「ムンク展」にもきている《生のダンス(生命のダンス)》も展示されているムンク充実エリア。
ちなみにガイドツアーに参加すると、《叫び》の絵の中にうっすら書き込まれた「ムンク本人による辛辣なコメント」についての解説を聞くことができますよ!


▲左より《叫び》、《思春期》、《ダグニー・ユールの肖像》/ムンクの《叫び》は現存4点あり(版画を除く)、上野に来ているものとこちらのものはバージョンが違います。


そしてあの《キリス昇架》のある圧倒的ルーベンスエリア!

▲ピーテル・パウル・ルーベンス《キリスト昇架》

名作「フランダースの犬」の最終回では、ネロ少年とパトラッシュがこの絵の前で天に召されてしまいますが、ルーベンスの描く筋肉に囲まれたこの空間では、むしろ眠気が吹っ飛びアドレナリンがドバドバ出ること間違いなし。
「ああ、とうとう観たんだ……。よーし、次行くぞ!」と生きる気力が湧いてきます。

他にもレンブラントの自画像に四方を囲まれる部屋や、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《最後の晩餐》の修復前と修復後を見比べることができる部屋、もちろん《裸のマハ》と《着衣のマハ》は並べられており、さらにさらに「今からサバトが始まるんじゃないか」と思うくらい雰囲気満点の「ゴヤの家」など、最高のキュレーションが盛りだくさん。もう楽しすぎて笑ってしまう。


▲思いっきりレンブラントに四方を囲まれる部屋。背後からも視線を感じる……!



▲雰囲気満点「ゴヤの家」。ワイングラスの向こうには《我が子を食らうサトゥルヌス》が!


前述のTakさんの記事にもありましたが、名画のコスプレコーナーもあります! これはアート好きでなくともテンションが爆上がりすること間違いなし。私もフェルメール・ブームに乗っかって、こっそり挑戦してみることに。


▲人生初コスが《真珠の耳飾りの少女》とは感無量! 他にも本格的なドレスなどがありました。

これ、単に衣装を着て楽しむだけでなく、絵の中の人物と同じポーズをすることで、「モデルが何を見ていたのか」や「実はかなり体勢が厳しいポーズであること」などに気づくことができる画期的な試みとなっていますので、来館された方はぜひ恥ずかしがらずに挑戦してみてください!


これぞ写輪眼!完コピ精神がすごい!

美術陶板の作り方は前述のとおりですが、写真だけでは再現できない微妙な劣化の痕跡などがあります。
まあ、それくらいは許容範囲よな……と妥協しないのが、大塚国際美術館のすごいところ!
例えばこの「スクロヴェーニ礼拝堂」



北イタリアのパドヴァにある有名な礼拝堂ですね。こちらの床も現地と同じ模様が組まれていますが、この掠れたような汚れ。これ、なんと現地の汚れまで再現しているのです!


▲この「汚れ」や「傷」、全部「わざと」作ったものです。


この完全なるコピーを貫く精神、すごくないですか? 写輪眼?(“なると”だけに……)
しかも「環境展示」ゾーンはこういった超次元的こだわりが随所にあるので、館内のガイドツアーに参加してみてくださいね。中の人に教えてもらわないと見つけられないレベルの職人技が至るところにあるので……。

大塚国際美術館では、この驚異的な再現技術を使って、かつて戦禍によりスペインとルーマニアに散逸してしまった作品を陶板で再現。今はなきエルグレコの祭壇衝立を復元しています。複製ができるということは、すなわち素材さえあれば復元することもできるということなんですね。


▲エル・グレコの祭壇衝立復元

金色に輝く額縁も推定復元しています。現在絵画が6点揃った状態で鑑賞できるのは世界中でここだけ
また、2018年11月3日(土)からは、第二次世界大戦により姿を消したゴッホ唯一の全身自画像《タラスコンへの道を行く画家》の展示がスタートしました。
そのほか文化庁プロジェクトの一環として、国宝《高松塚古墳壁画》特別史跡《キトラ古墳壁画》の現状を記録するために複製を作るなど、文化財のアーカイブ的な役割も担っています。


大塚国際美術館には多くの学生が見学にやってくるそうで、「来館した子どもたちが、いつかこの絵の本物を観てみたいと思ってくれるきっかけを作ることができたら嬉しい」と館の方が仰っていました。
複製だからこそできることに挑戦し、また、オリジナルへの道を繋げてくれる世界でひとつの美術館。
鳴門の渦潮を見学する船も徒歩数分のところから出航しており、ロケーションも抜群です。芸術の秋、ぜひ華やかでさまざまな楽しみ方ができる大塚国際美術館を訪れてみてください!


▲奥村土牛の《鳴門》そのままの渦潮を楽しむことができますよ!美術館のエントランスには、渦潮を鑑賞するベストな時間を教えてくれるインフォメーションボードも。



大塚国際美術館
住所:徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
電話:088-687-3737
時間:9:30~17:00
休館日:月曜日 ※その他特別休館などはホームページでご確認ください。
▶「大塚国際美術館」公式ホームページ