「行ってよかった美術館ランキング」1位の大塚国際美術館は“コスプレ天国”でもあった!

2018/8/14 15:30 Tak(タケ) Tak(タケ)


大塚国際美術館はご存じですよね。このコラムでも何度か取り上げている徳島県鳴門市にある、鑑賞ルートだけでも4kmもある超巨大な美の殿堂です。

君は「行ってよかった美術館ランキング」1位の大塚国際美術館を知っているか。



1998年(平成10年)に開館した大塚国際美術館も今年で20周年を迎えます。知名度もここ数年でグンとあがり、今では年間に38万人もの人が訪れる、徳島県を代表する人気スポットとなっています。

オープン当初より古代から現代までの1000点を超える西洋名画を展示するだけではなく、ミケランジェロがバチカンのシスティーナ礼拝堂に描いた天井画と正面祭壇壁画「最後の審判」やパドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂、ポンペイの古代遺跡やカッパドキアの聖テオドール聖堂壁画、オランジュリー美術館のモネの「大睡蓮」といった絶対に運び出せない絵画をその空間ごと再現(空間展示)しているのが、最も大きな魅力のひとつとなっています。



イタリアやフランスなど現地へ行ってもこれだけ至近距離で観られることはありません。まさに日本に居ながらにして美術史に名を刻む名画たちに出会えるのです。

美術に興味を持ち始めたばかりの人から、専門家の人、そして全く絵画に興味関心のない人にもその魅力を伝えてくれる美術館です。リピーターが多いのも納得です。(かく言う自分も今回で3度目です)

さて、フェルメールや、ゴッホの「ヒマワリ」等数点を20年間で追加した以外は、開館当初からほぼ現在の展示品は揃っていたのもあらためて思うとスゴイことです。美術館を作る段階でどこにどの作品を配置しどのように見せるかが決められていたからこそ完成度の高い展示空間となっているのです。


大塚国際美術館にあらたに加わった新展示「7つのヒマワリ」

そんな完璧な展示が一番の売りである大塚国際美術館ですが、よりアートに興味を持ってもらおうと数年前から、京都造形芸術大学に衣装を制作してもらい、「アート・コスプレフェス」なる催しを館内で展開しています。

はじめた当初は子ども用の数着を用意しただけだったそうですが、子どもに着せ写真を撮る親御さんから「自分(大人)も着てみたい!」との要望が多かったことを受け、次第に大人用のコスプレ衣装も順次増やしていったそうです。

観たことの無いアニメやゲームに登場するキャラクターのコスプレではなく、大塚国際美術館の展示室にある絵画の中に描かれた人の衣装を着られるのですから、それは親御さんでなくても是非チャレンジしてみたくなるものです。



ベラスケス「ラス・メニーナス」やレンブラント「夜警」など老若男女問わず、絵画に描かれた人に自分もなってみたいと思うはずです。「そんなことないよ~」と今、ちょっと疑いの眼差しを向けたそこの貴方!そんな貴方こそ、大塚国際美術館の「アート・コスプレフェス」に一番嵌ってしまうタイプの人間です。


「ラス・メニーナス」の衣装がずらり(大人用と子ども用がありました。)

何を隠そう行くまではまさに自分がそうでしたので。「行っても誰かに着せて写真だけ撮ろう…」「絶対に自分がコスプレ衣装なんて着ることなんてないない!」と強く思っていました。

それがですよ、見てください。このノリノリ具合。







元の絵は何だな書かなくてもお分かりになりますよね!それぞれ衣装のクオリティーが高いのでコスプレ素人が着てもそれらしく見えます。

一度着てみるとタガが外れてしまいようで、「絶対着ない!」なんて思っていた自分はどこへやら。。。楽しくて楽しくて、各所に設けられたコスプレスペースで着ては写真撮っての繰り返しとなりました。

これ、よても良い企画だな~と感心したのは、やはり自分が着てから発見できました。実際に絵画に描かれた衣装を着てみると、どのような衣装であるかが分かるだけでなく、小さな気付きも沢山生まれてくるのです。

これは絵を観ている時には分からなかった点で、コスプレ衣装を着てみて初めて「なるほど~こうだったのか!」と知らされることが数多くありました。

子どもたちには絵画との距離感を縮め、大人たちには新たな絵画の知見を示してくれるのが「アート・コスプレフェス」なのです。これは是非実際に試して欲しいものです。



そうそう、人がやっていると無性に自分もコスプレ衣装を着たくなるもので、うちのかみさんもモネの作品に描かれたパラソルを持つ婦人に変身していました。

もう、最後の方では、我先にとコスプレ衣装に手を伸ばしていた始末…


今回の旅で夫婦そろって撮った一番のお気に入り写真がこちらとなります。

今回の衣装を制作した京都造形芸術大学のサイトに衣装が出来るまでのことなどが載っています。こちらもチェックしてみて下さい。

「コスプレ」で名画を体験! - 瓜生通信 - 京都造形芸術大学




「#アート・コスプレフェス2018 feat.ゴッホ」
会期:2018年7月18日(水)~10月28日(日)
会期中には、他にも「ゴッホが影響を受けた画家たち」など全37着の衣装を自由に着られます。勿論写真撮影も大塚子国際美術館さんですのでまったく問題なく撮れます。

因みに大塚国際美術館さんは当日に限り再入場が可能なので、毎日変化する渦潮発生のタイミングにいったん外へ出て、雄大な鳴門の渦潮をその目に焼き付けてくることも出来ちゃいます!



鳴門の渦潮は自然が作り出すケタ違いの雄大なアート作品だった!

大塚国際美術館
〒772-0053
徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
開館時間:9時30分から17時(入館は16時まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)/8月無休
電話:088-687-3737
URL:http://www.o-museum.or.jp/