謎多き画家の傑作が集結!「ピエール・ボナール展」が開幕(2/3)
●みどころは…
「ピエール・ボナール展」は、以下の全7章で構成されています。
1章 日本かぶれのナビ
2章 ナビ派時代のグラフィック・アート
3章 スナップショット
4章 近代の水の精たち
5章 室内と静物 「芸術作品―時間の静止」
6章 ノルマンディーやその他の風景
7章 終わりなき夏
ボナールを読み解く、4つのキーワードを紹介します。
ジャポニスム

1890年にパリで開かれた「日本の版画(日本の巨匠たち)展」に衝撃を受けたナビ派の画家たち。ボナールは浮世絵の美学を絵画に積極的に取り込み、批評家フェリックス・フェネオンに「日本かぶれのナビ」と名付けられるほどだったそうです。
屏風を思わせる縦長の構図や、平板な色面構成、奥行きのない遠近表現には、浮世絵からの影響がみられます。
視神経の冒険

ぼんやりとした印象を与えるボナールの絵をしばらく見つめていると、思いがけない発見につながることも。ボナールは、目がとらえた形や色がものとして意味をなす以前の「なまの見かた」の絵画化を試みました。
マルト

ボナールは26歳のとき、マルト・ド・メリニーと名乗る少女と出会います。やがて恋人となり、《浴盤にしゃがむ裸婦》など数々の作品に描かれました。
ボナールがマルトの本名と実年齢(ボナールよりも2歳年下)を知ったのは、結婚したときだったそうです。
動物

動物を愛し、猫と4匹の犬を飼っていたボナールは、全作品数の約3分の1にあたる700点ほどに動物を描き込んでいます。
びよーんと伸びた猫や、お皿の上の魚を狙う猫、ジュール・ルナールの『博物誌』の挿絵に描かれたロバやニワトリなど、愛嬌たっぷりの動物たちがあちこちに登場します。