免震は美術館に学べ!今だから知りたい地震対策と美術品の保護

免震設計だと、地震保険の保険料が半額になるって知ってました?
え?あなたの家も免震にしたい?
いやいや、完成した建物を後から免震設計にするのは難しいんです。
建物と地面の間に装置を入れないといけないのですよ。
でも、いくつかの建物は「後から免震」に成功しています。
例えば、国立西洋美術館、三菱一号館美術館…
あれっ?どっちも美術館だ!
◾️自然災害の対策は美術館に学べ!

大原美術館の洪水対策が話題になったように、美術館や博物館はあらゆる自然災害に備えて知恵を絞ってます。
すべては、この世に1つしか存在しない人類の宝物を守るため。

美術館・博物館のリスク管理はとてもシビア。
今回は国立西洋美術館の免震装置を見学してきました!
◾️西美の裏メニュー免震装置とご対面

館内に入ったら、ミュージアムショップの奥を左へ。
階段でお手洗いのある地下へ向かいます。

すると、自動販売機のある休憩スペースが。
この小さい窓から、免震装置を見られるんです!

なんて素晴らしい免震装置なの!
建物の基礎と地盤の間にピタッと収まり、これは揺れを吸収しそう。
後付けとは思えませんね!
◾️美術館に免震が必要な理由

一番イヤなのは、地震で展示品がバタンと倒れること。
これを防ぐには、展示品をガチガチに固定するか、建物の揺れそのものを和らげるか。
よく聞く耐震とは、揺れに耐えて壊れにくい設計にすること。
倒れずともガシャガシャ揺れるので、美術館はワンランク上の地震対策をしたいところ。
そこで、免震。
免震は、建物の揺れを和らげます。
例えば震度7で地面が揺れている場合、建物の中にいる人は震度4くらいに感じる、といった具合。
◾️折り紙つきの免震装置

実際に、2011年の東日本大震災で西美の免震技術は裏付けされました。
敷地の最大加速度は 265cm/s^2 だったのにも関わらず、建物の最大加速度はわずか 100cm/s^2 !
…翻訳すると、震度5強の揺れが震度4くらいに和らいだ、ということです。
震度4程度であれば、大丈夫そうな気がしますね!
(正確に加速度と震度を対応づけることはできないので、雰囲気です)
揺れが和らぐということは、中にいる人間も守られるということ。
美術品にもアートを見る人にも優しい建物であることが、証明されたのです。
◾️レトロな建物にフィットする免震装置

免震装置は建物と地面の間に入れるので、建てる前に計画して入れておくのが普通です。
しかし、国立西洋美術館は完成した建物の下に免震装置を入れちゃいました!
建築家ル・コルビュジェの美しいデザインを壊さずに、免震装置をボコンと嵌め込む無理難題。
それを解決したのが、日本初の「免震レトロフィット」なのです!
建物を傾けずに地面を掘ったり…
狭いスペースでの工事になったり…
とても大変だったそう。
ル・コルビュジェのスッキリ開放的なデザインをそのままに、地震にも強く生まれ変わりました。
この建物が世界遺産になったのは「デザインを変えない免震工事」だったからなのですね。
◾️免震装置を見に行こう!

壮大なドラマがあった免震装置の見学は…
信じがたいことに…
なんと…
無料です!
お財布を忘れて、企画展にも常設展にも入らない人のオアシスですね!
パネル展示で大変な工事の様子をやさしく学べるので、理科の知識が無くても大丈夫。
しかも、近所の上野の森美術館では、9月24日まで「世界を変えた書物」展が開催されています。
嬉しいことに、これも無料!
「世界を変えた書物」展はいまトピアート部の虹さんの素敵コラムで調べてみて!
お財布が無くても2つの展示をはしごできる…
上野はサザエさんになんて優しいのでしょうか!