ビックリマンにカードダス…角プリズムシールと「ファンシー絵みやげ」(1/2)
■ プリズム印刷ブームを振り返る
プリズム印刷とは、平面である紙にホログラムの技術で立体的に見える印刷をほどこしたもので、とくに金属的に見えるものが1980年代に人気を呼びました。主に使われたのがビックリマンのシールやカードダス、そしてファンシー絵みやげでした。
↑角プリズムと呼ばれる定番のホログラム模様。
■ ビックリマン 悪魔vs天使シールの誕生
1977年にロッテから発売された、オマケにシールがついた「ビックリマン」というウェハース菓子はご存知かと思います。当初よりシールがオマケだったのですが、いくつかのシールの変遷を経て、1985年に「天使vs悪魔シール」シリーズが始まると社会現象ともいえる人気となりました。
↑ビックリマンの書籍たち。
特にその人気のキッカケとなったのが、当たりとして入っていた「ヘッド」と呼ばれるキラシールです。背景がプリズムで印刷されていて、高級感がありました。普通のシールのクオリティも高くて人気だったのですが、さらに当たりを引こうと子供たちは夢中になりました。人気ゆえに「ビックリマンは1人2つまで」などの購入制限までついたほどです。
↑ヘッドの例。本のカバーに通常印刷されているものなので分かりにくいがプリズム印刷が使われていた。
■ カードダス20の勃興
ビックリマンシールの人気で玩具絵やメンコ以来、久々に子供が紙をコレクションする流行が訪れたのですが、さらに1988年にはバンダイから「カードダス20」が発売されます。
こちらはお菓子のオマケではなく、おもちゃ屋などにガチャガチャと一緒に置かれた自動販売機に20円入れると1枚買える紙のカードです。ゲームとして遊べる要素も盛り込まれてはいましたが、ほとんど純粋な「絵」のコレクション用途でした。
↑SDガンダムのカードダス。
ビックリマンと違って自動販売機なので販売制限もありません。また、ビックリマンのようにオリジナルキャラクターではなく、すでに人気だったSDガンダムが採用されました。その後人気が出るにつれ、『ドラゴンボールZ』など、人気のアニメキャラクターが登場していったのです。
↑カードダスも当たりは角プリズム仕様。ビックリマンの初期のシルバー角プリズムより黄色く、ゴールド仕様なのが特徴。当たりのみシールになっていた。