11人の「旅する風景画家」に存在した驚きの共通点とは?!

2018/5/8 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)
上野、東京都美術館で好評開催中の「プーシキン美術館展─旅するフランス風景画」にはもう行かれましたか?!

珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画に的を絞って紹介する展覧会です。


「プーシキン美術館展」公式サイト
http://pushkin2018.jp/

宗教画や物語画だとどうしても、描かれている場面はどんなものなのか、聖書やギリシャ神話について知識がないと十分に絵を楽しむことが出来ません。

でも、風景画でしたら安心です。そこに描かれている山、川などの自然はほぼ万国共通。小難しい予備知識無しでもかなりの度合いで楽しめ、満足度も得らるものです。


クロード・モネ「ジヴェルニーの積みわら」1884-1889年
クロード・モネ「白い睡蓮」1899年

中でも印象派のボス的存在であるモネの作品は、彼が日本好きだったこともあり、まるで日本画家が描いたような風景を多く描き残しています。

「ジヴェルニーの積みわら」など、「魚沼の積みわら」とキャプションを変えてもおかしくないほど牧歌的な風景は川合玉堂の作品に通じるものがあります。

「白い睡蓮」に関してはもう説明は不要でしょう。Aiさんのこちらのコラムを是非読んでみて下さい!

モネの「睡蓮」が好きすぎてジヴェルニーのアトリエまで旅してきた。


ルイジ・ロワール「パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)」 1885年

印象派だけでなく、風景画が誕生して間もない頃の作品から、近代化していくパリの街を描いたものや、1900年代にルソーが描いた想像の世界まで、「風景画」と云っても実に多岐に渡る作品が展開されていて飽きることなく楽しめるようになっています。

「プーシキン美術館展─旅するフランス風景画」構成
第1章:近代風景画の源流
第2章:自然への賛美
第3章:大都市パリの風景画
第4章:パリ近郊―身近な自然へのまなざし
第5章:南へ―新たな光と風景
第6章:海を渡って/想像の世界

  

さてさて、展覧会のもう一つのお楽しみと言えば、ミュージアムショップです。以前のショップはありきたりのグッズしかなかったのでスルー対象だったかもしれませんが、今はめちゃめちゃ進化を遂げています。

ポストカード、クリアファイル、マステといった定番商品以外に、オリジナルグッズ、しかもかなり攻めの姿勢が見られるグッズが増えているののです。



今回の「プーシキン美術館展」のショップでやたらと目に留まったのがこちらの、画家の顔イラスト入りのTシャツやトートバックです。

よくありがちなのが、作品画像をべたっと張り付けただけの面白味のないデザインのグッズには全く食指が動きませんが、こうしたオリジナリティ溢れるものがお洒落にディスプレイしてあると、ついつい手を伸ばしてしまいます。

クレジットカードも当たり前のように使えるようになってきたので散財必至。展覧会観終えた後にモノが欲しくなるのはどうしてなのでしょうね。しかし。


手ぬぐいまでありました!

それにしても、画家たちの顔を上手いことイラストにしていますよね。これって元ネタは何かあるのかと思い伺ってみたところ、自画像や写真という意外とあっさりとした答えが。

古い写真や自画像をグッズにそのまま使っては、いまいちパッとしないので、あらたにイラスト化してグッズに使用したそうです。こうするととても親近感が沸いてきますよね。隣のおじいちゃん的な。

それにとてもキュートな感じになります。写真を元に少ない線で画家の特徴を見事に捉えています。ひと手間かけるだけでこんなにも魅力的なグッズになるのですね。料理と同じですね。ミュージアムグッズも愛情がないと我々の心に響かないものです。

実際に写真とイラストをモネとマティスを例に見比べてみましょう。


クロード・モネ




アンリ・マティス



ところで、このグッズのイラストを見てあることに気が付きませんか?

・言うほど上手くないし、可愛くない。
・みな、難しそうな顔していて頑固そう。
・カメラ目線の画家少ない!!

いやいや、そこじゃ~ありません。よーく全体を見て下さいね。

そう!「画家が皆、帽子をかぶっている!」が正解です。

11名の「旅する風景画家」たちはこぞって帽子を愛用しているのです。麦わら帽子がトレードマークでもあったモネ、高尾山に行くような帽子のセザンヌ、画家の定番ベレー帽のドラン、それ何処で買ったの的な変てこな帽子のゴーギャンなどなど。

アトリエに閉じこもって制作をしていた時代が終わり、画材を抱え、イーゼルを背負っていざ室外へ!となった時代。外での長時間の活動には帽子はマストアイテムだったわけです。そしてそこにもそれぞれの個性が見られるのもポイントです。



美術史上では、風景画のヒエラルキーは宗教画などに比べ各段に低く扱われてきましたが、そんなのお構いなしに自分の描きたいものを求め戸外へ出かけていったのが彼ら「旅する風景画家」たちです。

そして我々鑑賞者にとってもそうした美術史上だけのジャンルの階級制度はまったく無用なものにすぎません。観て素直にいいな~と思えるかどうかです。


クロード・モネ「草上の昼食」1866年

さぁ、陽気もよくなってきました。展覧会に出かけるには絶好の季節です。「旅する風景画家」たちが描いた65点の風景画に会いに上野へ出かけましょう。素敵なグッズも待っています。

日差しや紫外線が強いので皆さんも帽子はお忘れなく!


「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」

会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)
会場:東京都美術館企画展示室
休館日:月曜日
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
後援:外務省、ロシア連邦大使館、ロシア連邦交流庁(Rossotrudnichestvo)
協賛:大日本印刷、トヨタ自動車、三井物産、パナソニック、みずほ銀行
協力:日本航空
「プーシキン美術館展」公式サイト
http://pushkin2018.jp/


ロシアの絵はがき30文字
井岡 美保 (著), 福田 利之 (イラスト), tupera tupera (イラスト)

「プーシキン美術館展」でオフィシャルグッズをプロデュースする、井岡美保さんによるロシアポストカードブック! 展覧会会場では、福田利之・tupera tuperaによるさまざまなグッズも販売されています。