■ ファンシーと相撲の世界

では、ファンシー界隈における相撲ブームを見てみましょう。



まずは「SUMÔMINTS」のルーズリーフ。相撲ミンツと読むのでしょうか。SONY CREATIVE PRODUCTS 1985年のもので、若貴フィーバー以前のものです。


↑カラフルなまわし、実は下のインデックスの色が透過されたもの。


↑裏表紙には行司。

続いて、相撲に関する施設やなどでおみやげとして売られていたファンシー絵みやげの流れを汲むアイテムをご覧ください。


↑「DOSUKOi Bros.」ハンドタオル。

完全に任天堂「マリオブラザーズ」や「スーパーマリオブラザーズ」のタイトル画面の「MARIO BROS.」を意識してそうなネーミングですね。文字のハイライトもファミコン初期のタイトル画面によくあるバルーン風です。 続いて定番のキーホルダーを紹介します。
↑メタルの横綱キーホルダー、背中には「忍耐」


↑ファンシー絵みやげにも多い、首がスイングするキーホルダー


↑こちらも同じくスイング



こちらもスイング……なのですが、裏を見てみましょう。



なんと「ガンバレ！！若ちゃん」「すごいぞ！！貴ちゃん」のシールが。 特徴をとらえてるか分からない、よくある力士の顔ながら、裏にはこの文字。

しかも当時の若貴兄弟は、常に弟がリードしていたため横綱になったのも貴乃花が先です。もしかすると、まさに貴乃花だけが横綱の時期に「ガンバレ！若ちゃん」なのでしょうか……



こちらはちゃんと特徴をとらえた似顔絵になっていますね。若ちゃん貴ちゃんと幟に書かれています。決して若乃花や貴花田とは書いてないのですが、国技館なども背景に描かれていて、オフィシャルなのかもしれません。

こんな風に、おみやげにも若貴フィーバーは波及したのですね。

では最後にこちらをご覧ください。


↑ウルフのふるさと　北海道松前郡福島町

ウルフとは、若貴ブーム以前の相撲界の大ヒーロー・千代の富士です。昭和末期の相撲界を支えたのはこの人ですね。引退会見での「体力の限界」も流行しました。ゆでたまごの漫画『キン肉マン』で、原作にいたウルフマンの元ネタで、アニメ版では千代の富士に配慮してリキシマンに変更されたとか。

というわけで裏をご覧ください。



千代の富士と書かずに、立体的な文字で……

「ウルフ」

そして後ろにリアルな狼……

ウルフマン以上に配慮が必要な気がします……

では、また次回。

（文と写真：山下メロ“院長”）

■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。



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