アイディアは無限大…「ファンシー絵みやげ」で振り返るボタン式ネームキーホルダー(1/2)
お久しぶりです。平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。80年代とも90年代とも違うその時代を、平成レトロとして愛好しております。

当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた、かわいいイラストが印刷された雑貨みやげのことです。

「ファンシー絵みやげ」については連載第一回をご覧ください。
■ ボタン式ネームキーホルダーの世界
観光地の土産店で売られていた懐かしいキーホルダーをときどき紹介していますが、今回は自分で作るキーホルダー「ボタン式ネームキーホルダー」を紹介したいと思います。

ボタン式ネームキーホルダーとはズバリこのようなものです。知っている人は画像を見ただけでピンとくるかと思います。これは自作できるファンシー絵みやげとして観光地の土産店で売られていました。

この看板が目印です。
「パチンとはめるだけ ネームキーホルダー」
右下に「ボタンだけ」の言葉がある通り、ボタンなのです。

このように仕切られた中に、それぞれひらがなを中心にボタンが入っています。上に縦長の穴が並んだプラスチックがありますが、ここにボタンを挿し込んで言葉を作るのです。

こうやってピンセットで文字を探していきます。こういった光景が見られる土産店は、全国でももうほとんど残されていません。

ひらがながほとんどですが、「命」のように汎用性の高い漢字が存在します。他にも大文字の英文字や数字があります。
文字の裏側はループになっていて、その輪っかに糸をつけて文字のボタンとして使えるもので、もともとは手芸用品でした。それを流用して、自分で文字を選んでキーホルダーが作れるということを考え付いた人は相当なアイディアマンですね。