日本人なら「妖怪ハロウィン」百鬼夜行パレードに行ってみた!

2017/11/2 22:00 いまトピ編集部 いまトピ編集部



先日、別の コラムでお伝えしたイベント「第1回 お江戸のハロウィン ~妖怪大集合~」。実際どんなことになるのか、見に行ってみることにしました。

でも、せっかく行くなら、自分も妖怪になって練り歩きたい!
「百鬼夜行絵巻」に出てくるような妖怪で、すぐ仮装できるイイ人いないかな~。

と、ぼんやり考えてるとき急に思い出したのが、かつて大住さんが書いたコラム
”般若面”を「カワイク♡」メイクして嫉妬から解放してみた

女性の嫉妬や恨み、怒りが凝縮された鬼女「般若」の面を



メイクアップの力で見事に解き放って、カワいく大変身!させた



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あのお面いまどこにあるんでしょう…。ふと会社の備品棚を見ると



あっさり発見!


「ねぇみんな、アウトレイジ最終章って見たァ~?」

目ヂカラ健在!全体的にちょっとくすんできたけどメイクの神通力でまだまだ可愛さをキープしてます。しかし、今回はそんな般若女子を

メイクダウンして、妖怪「笑い般若」になってもらう

ことにしました。

「笑ひはんにや」は、イベントの開催地・墨田区が生んだ浮世絵ジャイアント葛飾北斎が「百物語」に描いた妖怪で、こちらになります!



こ、怖いっ……!

子供を獲って食べていた鬼子母神の説話がモチーフという説があり、右手には「人の味に似ている」ともいわれるザクロのような稚児の首…。それを左手で指さし「ドヤァ」と牙むきだしで笑う顔は、まさに狂気!ハロウィンの仮装としてはインパクト充分ではないでしょうか。

無邪気な女子を一気に妖怪へ貶めるのはさすがに忍びなく…せめてもの気持ちを。


「うわー、きれいなお花。一体どうしたのぉ?」

あとね、このザクロちょっと持ってみて。


「うふふ。キレイな赤~。ザクロって美容にいいんでしょ♪」

最後のとっておきスマイル、忘れないよ…。では心を鬼にして
さらば、般若女子!


え、ちょ、ちょっと待って、何をなさるのん…

つけまつげを外しただけで戻ってくる鋭い眼光。



例によってメイクダウンの現場は伝統工芸の工房にしか見えない
急遽、援軍に来てくれたキャサリンにはザクロヘッドの制作をお願い。



ファンデもろとも眉、アイライン、チーク、口紅を一気につるんっ!!



文字通り化けの皮がはがれ、嫉妬と怒りの権化「般若」の姿が再び。
やっぱりメイクの力ってすごい


「泣く子はいねがー」※赤いのはケチャップね。良い子はマネしちゃダメ。

まさかのなまはげ
しばらく眠らされていた本性を突然揺り起こされ、キャラがブレる般若さん

次のステップは「狂気の笑顔」づくり。口角をめっちゃ吊り上げ、目尻と鼻周りの笑いジワを不気味に強調。口元に血が付いてる体に仕上げれば…



なかなかの出来映え!一方でザクロヘッドも完成。吉田●車のタッチに似てる?ってことで通称・ヨシダくん。



セットアップしてみるとこんな感じ。名付けて



笑い般若 with Y

予想以上の完成度に「妖怪コンテスト、優勝しちゃうかも!?」なんてテンションUP。しかしこの時はまだ、意外な結果が待っていようとは知る由もなかった……。

◆ ◆ ◆

10月28日、イベント当日はあいにくの雨。
恨めしい気持ちでいっぱいになったんで、かえって“妖怪日和”か。



スカイツリーを眺めつつ、浅草駅から徒歩15分の山谷堀公園へ。 前方の黄色い橋が、百鬼夜行パレードで行進する桜橋です。



公園に着くと大人の妖怪が談笑してたり、子供の妖怪が走り回ったりして拍子抜けするくらいのどかな雰囲気。



「ぬりかべ」さん、面積大きいから目立つなぁ~。



一円玉を水中の湯飲みに入れればお菓子がもらえる「一文銭落とし」や、好きに絵付けできる「手作り提灯」も気になるけど、





ここはやっぱり「妖怪やきそば」と「妖怪甘酒」でパレード前の腹ごしらえ!



黒はイカスミだけど、味は立派なソース焼きそばで美味しい。浮かんだマシュマロお化けがいつの間にか溶けて消える甘酒も雨で冷えた体に染みわたります。



場内に集結した妖怪の中には、やたらと声をかけて欲しそうな人たちも。
聞けば地元の怪談 「本所七不思議」から飛び出してきた妖怪7人が紛れ込んでいるそうで、3人以上に声をかけ「妖怪ハント」できたらお菓子がもらえるとのこと。


置行堀(おいてけぼり)さん
「置いてけ~、置いてけ~。お願いだから今日は傘を置いてって欲しい…」


次は自分を洗わせる巨大な足の妖怪。


「きれいに洗ってさしあげますよ~、ゴシゴシッ!」

「片葉の葦」は、悲劇の女性・お駒さんがストーカーの留蔵に片手片足を切られ殺されて以来、その周辺に生える葦は片方しか葉をつけないという都市伝説から。


「みんな怖がって声かけてくれないんです…ちょっとさびしい」

まだまだハントしたいけど、そろそろ自分たちもスタンバイ。キャサリンは有り合わせの素材で急遽「行き遅れの女狐妖怪」に扮して参戦することに。



さらに今日はもう一人、妖怪好きのミスターM が「百鬼夜行絵巻」から、手に目がある妖怪



手目坊主に俺はなる!」ということで「妖怪メイク」コーナーへ。





「手の平側に目をつけちゃうと、握ったり物を持ったはずみで簡単に取れちゃう」という忠告も何のその 「大丈夫大丈夫、絶対手を閉じないから!お願いだから付けて!」とゴリ押しするミスターM、根負けするメイクのエリカさん。



こねこねこねこね………



ぴとっ!

あら、意外といい感じ。
手だけ見ると手目坊主より「パンズ・ラビリンス」のペイルマンにそっくり。


まさにトラウマ級の意匠。ギレルモ・デル・トロ妖怪おそるべし。

手目坊主かペイルマンか、どっちに寄せてくのか!?「笑い般若」と並ぶと



案の定、エグい2ショット!

そうこうする間に、いよいよ近付くパレードタイム。今回は高円寺阿波おどりから「粋輦(すいれん)」さんが来てくれて、お囃子に合わせてパレードできるという何とも豪華な展開に。



まずは公園内をくるりと回ってリハーサル。


阿波おどりは日本最大の「盆踊り」。元々はお盆に死者を供養する行事だからか、妖怪パレードと相性がほど良くマッチ。

一緒に歩けばもう仲間ですね。まさに「妖怪大集合」、みんなで記念写真!



雨脚も強くなって、そもそも少な目だった妖怪は減る一方。それでも残っている人たちはさすが気合の入ったハイレベルな妖怪さんばかり。

そのまま「百鬼夜行パレード」は桜橋に向かって出発!



橋を渡って中央まで戻ってくると、いつのまにか赤いランウェーができていてお待ちかね「妖怪コンテスト」がスタート。



子供部門で「かわいい」の声が続出した女の子。ママのお手製で「からかさお化け」になりきってこんな愛くるしい妖怪なら毎日でも遭遇したい!

それにひきかえ、我が「笑い般若」はブーイングは免れたものの、狂気の表情に加え子供を喰らうというエピソードで完全に場が凍りつく事態に



続いて登壇したキャサリンの女狐妖怪は「行き遅れ」へのやさしい励まし?イジリ?もあり、一転して高評価。



司会者と後ろの白塗りお駒さんの表情が、その違いを如実に物語ってます。。。

「手目坊主(ペイルマン)」になったミスターMは言わずもがな、「笑い般若」とともに“アウトな妖怪”として無冠で終了

結果は意外にも



急遽参戦したキャサリンが、「美しき女郎蜘蛛」さんとともに2位に

1位は同率で2組。
「東京妖かし団 た組」の時鼠 頼豪さん、牛鬼 大膳さん、隅田川河童 益次郎さんのトリオと、



激しい雨にも負けず美しい舞を披露してくれた 夜弓神楽狐之灯矢さん!



文句なし、満場一致の1位でした。
やはりガチ勢はガチ勢でも「華がなきゃダメ」ってことですね。

あと狂気NG。これ大事。

雨はいよいよ土砂降りになってきたけど最後に「妖怪つな引き」で締め! 墨田区vs.台東区の妖怪による代理戦争、雨の中ご挨拶にきてくれた墨田区長さんのためにひと肌ぬごうではありませんか。



それー!わっしょい、わっしょい!


数で負けたぁ~~~。

妖怪コンテストでも入賞できず、つな引きでも負けて意気消沈。そこへ映像メディアさんが取材に! 笑い般若、その筋(どんな筋?)には人気みたいです♪



昼間、妖怪を3人ハントしたから賞品のお菓子ももらったよ!わーい。



自分も妖怪だけどね。

◆ ◆ ◆

「百鬼夜行パレード」だけじゃなく、半日まるまる楽しめた「お江戸のハロウィン」。墨田区長さんが「またやります」と仰っていたので、きっと来年もあるはず。皆さんもぜひ妖怪になりきって参加してみては。

私も来年は茶目っ気たっぷりの付喪神「琵琶ぼくぼく」さんになろうかな。どうやって琵琶の部分作ればいいのか、誰か分かる人いたら教えてください!



(いまトピ編集部/鈴木)