秋田豊氏も降臨!「ヘディス」日本代表の決定戦が熱くて面白すぎた

2017/8/31 19:00 スージー小江戸 スージー小江戸



2017年8月20日、日曜日の朝。
日テレ「シューイチ」でKAT-TUN中丸くんとA.B.C-Zの塚ちゃんが“ヘディスで対決”している!とSNSで話題になっていたまさにその時、筆者は東京・西葛西へと急いでいた。

そう、奇しくも同日は第一回 全日本ヘディス選手権の開催日。初代全日本チャンピオンにして世界大会に派遣される日本代表の選手が決まる日だったのである!

記者発表会&体験会に参加してコラムを書いてからおよそ2ヵ月。
その間、関西・東海・九州・関東・北信越の5ブロックで行われた予選を勝ち抜いた精鋭に、当日に出場権が与えられるという1名を加えた12名で争われる初代王者の座。白熱必至の戦いは…目撃するしかない!というわけで



再び来ました“ヘディスの聖地”、東京スポーツ・レクリエーション専門学校。
さて、ここで「ヘディス」って何?という方のためにザックリ説明すると…

「ヘディス」は2006年にドイツで、当時大学生だったレネ・ウェグナー氏が考案した球技。卓球台の上で、ゴムボールをヘディングで打ち合うだけというシンプルさで、世界の競技人口は現在8万人にものぼるという注目のスポーツ

なんだけど詳しくは以下のコラムを見てもらえば分かるとして、さっそく面白すぎた1日の模様を。イベントをナビゲート&解説してくれたのはこちらの3名。



左から、ヘディス日本普及ディレクターの中村元樹さん、女性モデル卓球チーム「PingQ」の水野杏美さん、お笑いコンビ「ゴールドジョージ」のなめさん。

ガチ試合だけじゃなく楽しい企画も盛りだくさんだったこの日、オープニングでいきなり登場したのは…「効き足は頭」の誉れ高い元サッカー日本代表・秋田豊さん!




■僕も私もヘディングで家建てたい!秋田豊チャレンジ



ちょっとやらせてもらいましたが結構難しいですよね、と秋田さん。でも

ヘディングで家を2軒建てた男

のプライドが許さないので今日は勝って帰ります!と高らかに宣言。

「ということは、ヘディスで3軒目を建てるということでよろしいですか!?」
「建てたいな~~~!」

爆笑が広がる中、さっそくジュニア挑戦者4名が登場してスタンバイ。



ルールは3点先取の1セットマッチ。「緊張するなぁ」という秋田さんを相手にチャレンジがスタート!


3人目までは秋田さんの勝利、4人目は何と3対2で秋田さんを撃破!しかしさすが日本を代表する“ヘディング神”、敗れても余裕でどこか嬉しそう。



次に現れたのは女性刺客!U-17なでしこ候補、大学選手権では日本一に輝いた実績を持つ八木彩香さん。



「秋田さんに勝って、私も1軒目の家、建てたいです!」



試合は神コースを攻めた秋田さんの勝利。
けれど八木さん、以前どこかでお会いしたような…と思ったら、ネットメディア界では有名なフリー画像サイト「ぱくたそ」でモデルやってる方じゃないですか!


※画像は「ぱくたそ」より
いつも大変お世話になっております!これからも画像使わせていただきます!

最後のチャレンジャーは、この後の試合にも参加し、メディア体験会ではデモプレイを披露してくれた松戸市「チームLAX」の天野さんと持田さん。


「1軒目の家」もスマッシュも狙った関東大会優勝者・持田さんは残念ながら勝利ならず。ジュニア挑戦者4人目が実は息子さんだという天野さんは、宣言どおり親子揃って秋田さんに勝つという快挙!



しかしトータルでは7人の挑戦者に対して秋田さんが5-2で勝利。初体験とは思えない吸収力の早さで、 “ヘディングで家2軒建てた男”の地力を見せつける結果に。



秋田さんはプレイした感想を「まず、楽しいよね。この低さでヘディングしなくちゃならないので慣れが必要だけれど、運動不足の解消にもいいと思う」とコメント。

「卓球台は全国どこにでもあるし、サッカーファン、卓球ファン両方取り込んで広がるチャンスがある」とヘディスの未来に期待も。



へディングにカーブをかけたショットも披露してくれた秋田さん。まさに“伝説ヘッド”のスゴさを目の当たりにして、見ているだけでも興奮したひと時でした。


■ただ1つの出場枠を賭けて!ワイルドカードトーナメント

「秋田豊チャレンジ」の後は、いよいよガチ試合の第一弾「ワイルドカードトーナメント(敗者復活戦)」。全国からエントリーした17名が練習開始。



地方予選で敗れた選手、予選に出場できなかった選手、ひときわ異彩を放っていたYoutuberのよさこいバンキッシュさんなどなど、バラエティ豊かな面々は、



順番にくじを引いて対戦相手を決定。

7点先取の一発勝負の試合は、始まるや否や歓声とともに続々と勝者・敗者が決まっていきます。



そこで何と、記者発表会で我ら「いまトピ」チームを瞬殺して優勝した高校サッカードットコムの広瀬さんに再会。これは応援するしかない!


あぁ~~、善戦するも…あえなく初戦敗退。「皆さんレベルが高いのでまだまだです」とはご本人の談ですが、周りの「メディアチャンピオン!」という煽りもちょっとプレッシャーになってしまった様子。

他に考えられる敗因としては、前回スーツと革靴で頂点に立ったので、もしかしたら今日も同じ姿の方が良かったのかも!?(んなワケないか)



どんどん選手が絞り込まれていく中、特に注目を浴びていたのが超低空サーブを武器に勝ち上がっていく最年長出場者!オレンジのウェアが眩しい小寺さん。


準決勝では、同じ地元の“秋田豊をくだした男”天野さんとの同門対決となり、決勝では“神コース”を攻める野崎さんを破り、みごと決勝大会への切符を掴みました。



ここまで来るのにすでに5試合も戦った小寺さん。しかし、アラフィフとは思えない無尽蔵のスタミナと超低空サーブがあるので、どこまで勝ち残るか…めっちゃ期待しちゃいます。


■ファイナル4人に進むのは誰?総当たりの決勝リーグ戦

関西・東海・九州・関東・北信越の各ブロック予選を勝ち抜いた精鋭がついに集結!この中から必ず誰かが日本一になり、日本代表としてドイツの世界大会へ行くのだと思うとワクワクです。



公式練習が始まった途端、各選手の頂点を目指す気迫と緊張感がみなぎって会場の空気は一転。



サーブにバックスピンをかけたり、ヘディングにカーブをかけるのも当たり前、ダイビングヘッドもバンバン決める。ここまでの戦いとは段違いにハイレベルなプレイが続出。





とはいっても、ひとしきり練習して各自プレイの感触を確かめ終わった後は、出場選手同士で談笑タイム。

予選ですでに顔を合わせている選手もいるけれど、同じ競技をやる「仲間」ができる、大会ってそこがホントいいですよね。



ジュニア世代とラリーしてみたり、



応援に駆け付けた家族とへディスする姿も。



ただし、リラックスした雰囲気もここまで。いよいよ、6人ずつA・Bのグループに分かれて真剣勝負のスタートです。

7点先取1セットマッチで5人と総当りで戦い、決勝トーナメントにコマを進められるのは両グループ上位2名ずつのみ!


さすが全国クラス、ボールは強く速く、実力拮抗の見ごたえのある試合が続きます。選手への声援もがぜん熱が入り、関西代表の原さんにはかわいい応援団から「パパ頑張れ!」の大声援が。



ワイルドカードから勝ち上がった小寺さんはというと、「超低空サーブ」は衰え知らず、着実に拾う関東代表の金山さんとラリーの応酬。秋田豊チャレンジに出場した持田さんも善戦!


それにしても、選手のみなさんは自分の持ち味や武器をよく分かっていて、それをフルに発揮して本当にスゴイ!ヘディスが日本に本格上陸してまだ2か月だというのに、次々繰り出される多彩な個人技にすっかり見惚れちゃいました。



戦いは着々と進み…間もなく全試合が終了。果たして勝ち抜いた4選手とは!?


■熱戦の末、初代日本王者が決定!決勝トーナメント



熾烈なリーグ戦を終え、充実の表情で選手たちが勢ぞろい。ファイナル進出者4人の発表で最も会場がどよめいたのが、何とBグループの1位は

ワイルドカードから勝ち上がった最年長の小寺規貴さん!



「試合まで少し体をリフレッシュして頑張りたいと思います」

ここまで来たからには、ひょっとすると…ひょっとするかも!?Aグループの1位は関東代表の北村大輔さん。



「ここまでやってきた感想は?」「楽しい!とにかく楽しいです」

Aグループ2位は勝ち点で3人が並び、失点数が最少だった十川和也さんが勝ち抜け。Bグループ2位は七色のウェアに身を包み、強くドライブのかかった“レインボーショット”を繰り出す平野伸幸さん。



実はこの2人、東海予選で決勝を戦ったまさに因縁の相手同士。

「こないだ負けて悔しかったので、決勝までいって今度こそ平野さんを倒したい」と意気込む十川さん。
平野さんは「思った以上に緊張しちゃって。決勝トーナメントは通常どおり11点先取ということで、全力でやらせていただきます!」

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しばしの休息のあと、ついに切って落とされた決戦の火蓋。準決勝・第1試合は北村さんvs平野さん。



取って、取られて、また取って…文字通りのシーソーゲームを制したのは?

準決勝・第2試合は小寺さんvs十川さん。



冷静に見極めて“神コース”を攻め続ける十川さん、受けて立つ小寺さんは超低空サーブも健在のうえ、右に左に、飛ぶ!飛ぶ!

2試合のダイジェストを動画でどうぞ!


アラフィフの星、破れたり……。しかし、他の選手より5試合も多く戦っているとは思えない超人的な戦いぶりに会場から惜しみない拍手が。

決勝に先がけて行われた3位決定戦では、北村さんと小寺さんが激突。


スマッシュをスマッシュで返す白熱の試合に勝利し、第3位を掴んだのは北村さん。とてもいい笑顔ですね!



「自分がやっているサッカーチームにも、この結果で活気を与えられるんじゃないかと思います」

さぁ、残るは「てっぺん」を決める大一番。平野さんvs十川さんの戦いは東海予選の決勝と同カード。





今度こそ十川さんが勝利して雪辱を遂げるのか?決戦には驚きの結末が…。


最後のボールは……イン!というわけで栄えあるヘディス初代日本王者は

東海代表・平野伸幸さんに決定!!



惜しくも準優勝の十川さんは



「また見事に完敗しました。これからもっと頑張っていきたいし、ヘディスがもっと普及してくれればいいなと思います」とコメント。

ヘディス日本一と同時に日本代表の座を掴んだ平野さんは



「東海予選から全国大会まで1か月くらい、子供が寝たあと23時ごろから毎晩練習した成果があらわれたと思います。家族、地元の方々、ヘディスというスポーツを日本によんできてくれたスタッフの方々にも感謝します。本当に今日は最高の1日になりました」

対戦相手をことごとく苦しめた “レインボーショット”は、夜中の特訓のたまものだったんですね。必殺技にさらに磨きをかけてドイツの世界大会でも大暴れしてきてください!



“サッカー王国”にして卓球も強い東海エリアの地力を見せつけられたような今回の選手権。でも日本のヘディスの歴史はまだ幕が開いたばかり。次は誰が日本一に輝くのか、日本代表の座を奪うのかはまったく分かりません。

折りしも11月には磐田市で年齢もエリアの制限もない第1回ヘディス全日本オープンの開催が決定、その前に10月には全日本高校生選手権の開催も決定。

大会とはいっても今回のように、家族みんなで楽しめてフレンドリーな雰囲気になること間違いなし!ヘディスに興味がある、体験してみたいという方は公式サイトに随時アップされる情報をチェックして、ぜひ気軽にエントリーしてみてください。

■ヘディス公式サイト日本版
http://headis.jp/


(スージー小江戸)