「EDWIN」ロンドンスリム、「Levi’s」シルバータブ…80’sデニムが復活中!

2017/8/2 11:00 DJGB DJGB

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こんばんは、バブル時代研究家のDJGBです。

この夏、2大デニムブランドから、興味深いコレクションが復刻されています。

まずはアメリカを代表するデニムブランド、「Levi’s」の「シルバータブ」。85年、主に欧州で人気を博したバギーなラインで、通常は赤い「Levi’s」のタブがシルバーになっているのが特徴です。



対して日本のデニム業界を引っ張ってきた「EDWIN」からは、80年代当時、もっともタイトだった「ロンドンスリム」と、最もバギーだった「ニュートンスリム」が同時復刻。



かつての復刻デニムと言えば「Levi’s」501 XXに代表される、1950~60年代のモデルのディティールを再現したものが主流。そのころ、バギーな太ももとケミカルウォッシュに象徴される80’sなデニム、いやあえて言えばジーンズは、ともすれば揶揄されかねない存在でした。時は流れ、いまやそれらはヴィンテージとなったようです。

今日はこの2大ブランドを中心に、80~90年代のジーンズCMをふりかえります。


■「Levi’s」の顔と言えば、ジェームス・ディーン(?)

●「原点は、僕だ。」(90年ごろ)



反抗の象徴といえばこの人、ジェームス・ディーン。86年から店頭で無料配布されていた『Levi’s Book』の表紙に使用され続けていたことから、一定世代以上の方には「Levi’s=ジェームス・ディーン」というイメージが強いです。ですが、実際のところ彼が映画などで着用しているのは「Lee」の101Zであることがよく知られており、98年には「Lee」(を日本で扱う「EDWIN」)が、その事実を訴求するCMを放送しています。

また彼が「Levi’s」を着用している映像や写真は、これまでに確認されていません。


■「EDWIN」は、DENIMから生まれた。

●「Yasuyuki on EDWIN」(89年)



ストーンウォッシュ、ケミカルウォッシュなどの加工技術を世界に先駆けて開発し、日本のデニム業界をけん引してきた「EDWIN」。ブラピの「ゴ~マ~リサン~」、ドラム缶で入浴する宮沢りえなど印象的なCMは多々あれど、この岡村靖幸とのコラボは超貴重。岡村自身が主演・音楽を務めた映画「Peach どんなことをしてほしいのぼくに」の劇場公開時に、映画館でのみ上映された60秒CMです。

バブル当時「EDWIN」は、ジーンズの本場アメリカや流行の先端イタリアにも工場を所有し、現在では世界的に評価される “ジャパニーズデニム” の先鞭をつけました。今年復刻された「ロンドンスリム」「ニュートンスリム」も、もともとは海外で注目を集めたアイテムが逆輸入されたものでした。


■「SOMETHING」は、女の子のジーンズです。

●「女の子は、必ずキレイになる。」(89年)



「EDWIN」が展開するレディースラインが「SOMETHING」です。フランスの街並みをさっそうと歩く女性が印象的なこのCMは、89年ごろから90年代末まで長きにわたってオンエア。フランスの女性歌手エルザの「T'en va pas(邦題:彼と彼女のソネット)」を聴くと「浅草橋ヤング洋品店」を思い出すアラサー、アラフォーも少なくないでしょう。

なお、このCMで使用されていた「FRENCH NOUVEAU」も今年の春、「ADAM ET ROPE'(アダムエロペ)」とのコラボで復刻されています。


■シェケナBJ! 日本初の国産ジーンズブランドは50周年

●「男は女から生まれた」(90年)



今年でブランド誕生50周年を迎えた「BIG JOHN」は、岡山県で誕生した、日本初の国産ジーンズブランド。大瀧詠一、泉谷しげる、内田裕也といったミュージシャンを起用した印象的なCMを継続的に展開。鮎川誠(シーナ&ロケッツ)を起用したこのCMのナレーションは、当然シーナです。


■F1、Jリーグ公式スポンサーまで務めたデニムブランド

●「気がついたら、毎日はいていた。」(92年)



ジーンズのゴワゴワ感に抵抗のある人でも履けるソフトな履き心地の「04(ゼロヨン)ジーンズ」で一世を風靡したのが、こちらも岡山発祥のブランド「BOBSON」。バブル期には御多分にもれず、F1チーム「リアル」(ドライバーは“壊し屋”アンドレア・デ・チェザリス)のスポンサーを務めたほか、92年からはサッカーJリーグの公式スポンサーにも名を連ねました。90年代後半には俳優のユアン・マクレガーを起用したCMも話題に。

ちなみに「04ジーンズ」の名前は素材名のレーヨン(れーよん、04…)から来ています。


■「スタンド・バイ・ミー」の世界観に憧れた時代

肩パット入りのスーツが幅を利かせていたバブル期が終わり、90年代の日本ではストリートファッションが隆盛を迎えます。

90年代、デニムは旧ければ旧いほど価値が高いとされ、天然のインディゴ(藍)で染めたデニムは、履き込むほどに“アジ”が出ると言われました。ヴィンテージデニムは骨とう品として数十~数百万円に高騰。ジーンズ各社は、わざわざ旧式の機械で“アジ”の出やすい生地を織り、自社にサンプルすら残っていない旧モデルのロゴやステッチの違いを再現することに血道を上げました。そのムーブメントの根底には、消費者・メーカー双方が長年にわたって培ってきた“アメリカ”的なるものへの憧れがありました。



いっぽうで、欧州を中心に人気だった「シルバータブ」に代表されるバギーなジーンズは、日本の若者にとってどことなく“コレジャナイ”感を醸すものでもありました。履き込んでも、“アジ”、出ないし。



76年生まれの私は以前、10歳ほど年下の知人から「赤耳で値段が高くなる意味が分からない」という言葉を聞き、愕然とした記憶があります。

考えてみれば、ヴィンテージデニムがブームとなった90年代から見れば、60年代のジーンズは、「30年前のふりかえり」。2017年の今、80年代をふりかえるのと大差はありません。

2000年以降、「ユニクロ」「H&M」に代表されるSPAブランドの台頭を受け、日本のジーンズブランドは困難の時代を迎えます。リーマンショック後には「EDWIN」「BOBSON」が経営に行き詰まりましたが、現在ではそれぞれ再生の道を辿っており、前述のとおり“ジャパニーズデニム”はその品質の高さが世界中で認められる存在となっています。

あの頃『Boon』、『CoolTrans』、『GetOn!』、『Street Jack』に夢中だったストリートキッズ諸君、そろそろ「SOMETHING」の初期ロゴ・フラッシャー付きや、「BOBSON」のJリーグマスコット入りジージャンのデッドストックを原宿のマービンズで即ゲットしたほうがいいかもですよ!


(バブル時代研究家 DJGB)