今から始めるプラモデル作り 第1回 工具・塗料

2017/5/2 17:00 ブーストマガジン ブーストマガジン

男性なら、子供のころに一度はプラモデルを作った経験があるでしょう。子供の遊びというイメージもあるプラモデルですが、実は凝れば凝るほど本格的なものが作れる奥深い趣味にもなります。大人になった今だからこそ、本格的なプラモデル作りに挑戦してみませんか? 子供がいる人なら、自分だけでなく子供と一緒に楽しめる趣味にもなります。

このシリーズでは、女性モデラーとして幅広く活躍するオオゴシトモエさんに、プラモデル作りの基礎から上手く仕上げるコツまでをレクチャーしてもらいます。連載を読み進めればプラモデルの知識を得ることができ、最終的には満足のいく一体を作り上げることができるでしょう。


オオゴシトモエさん

1. 作りたいプラモデルを作ろう

プラモデルには、大きく分けて「キャラクター」「スケール」の2種類があります。キャラクターはガンダムなどの模型。スケールは戦車やお城など実在するものの模型です。あまり細かいパーツが多いと初心者には向かないということもありますが、まずは作りたいものを作るのが一番。好きなもののほうが、熱心に取り組めるでしょう。

模型専門店にはプラモデルに詳しいスタッフが在籍しているので、相談してみるのもよいです。東京近郊には「タミヤ プラモデルファクトリー 新橋店」や「模型ファクトリー」など、品揃えが豊富な模型専門店があるので、足を運べばいろいろな発見があるはずです。

タミヤ プラモデルファクトリー 新橋店
東京都港区新橋4-7-2 6東洋海事ビル
http://www.tamiya-plamodelfactory.co.jp/shimbashi/

模型ファクトリー
東京都新宿区新宿3丁目1-26新宿マルイ アネックス7階
http://mokei-factory.com/

今回は、戦車プラモデルの中でも人気の高い1/35ミリタリーミニチュアシリーズ「アメリカ戦車 M4A3E8 シャーマン イージーエイト(ヨーロッパ戦線)」を作っていきます。


1/35ミリタリーミニチュアシリーズ「アメリカ戦車 M4A3E8 シャーマン イージーエイト(ヨーロッパ戦線)」

2. 必要な工具や接着剤を揃えよう

プラモデルを選んだら、次は必要な工具や接着剤を用意しましょう。プラモデルによって必要な工具は異なりますが、どんな種類のプラモデルでも特に使用頻度が高いのは以下のツールです。

・ニッパー
 先端の刃ではさんでパーツを切り離すために使う

・ナイフ
 パーツとパーツをつなぐゲート(※1)の跡をきれいにしたり、水転写式のデカール(※2)を切り抜くために使う

・ピンバイス
 パーツに穴を開けるために使う替刃式の精密ドリル

・ピンセット
 小さなパーツや水転写式のデカール(※2)を持つために使う

・貼り合わせ用接着剤
 パーツとパーツの貼り合わせに使う。樹脂成分が含まれていてトロッとしている

・流し込み用接着剤
 パーツの接着面を合わせて、すき間に流し込んで使う。さらさらしている


(前列左から)ニッパー、ナイフ、ピンバイス、ピンセット
(後列左から)流し込み用接着剤、貼り合わせ用接着剤

ゲートをつぶすことなくパーツをきれいに切り取るためには、プラモデル専用のニッパーを使用したほうがいいでしょう。

貼り合わせ用接着剤には、オレンジの皮に含まれる成分を使用した「リモネン接着剤」もあります。オレンジの香りがする接着剤なので、接着剤の匂いが苦手な人や女性にはいいかもしれません。

※1 ゲート : プラモデルのパーツは購入時、ランナーと呼ばれる棒状のプラスチックに付いた状態で梱包されている。パーツとランナーをつないでいる部分はゲートと呼ばれる

※2 デカール : 水に浸して水分を浸透させることで貼ることができる特殊なシール。エンブレムなどの塗装を再現するために使用される

3. 説明書を見て塗料や筆を揃えよう プラモデルを購入すると、説明書に必要な塗料の色が記載されているので確認しましょう。プラモデル作りに慣れてくれば、すべての色をそろえなくても、手持ちの色と色を混ぜて新たな色を作ることが可能です。

・ラッカー系カラースプレー
 広い面積を均一に塗装できるスプレータイプの塗料。ラッカー系は下地として使用できる

・エナメル塗料
 のびがよい油性塗料でエナメル溶剤で希釈して使用する。ラッカー塗料のうえに塗装すると、エナメル溶剤でふき取ることができる

・エナメル溶剤
 エナメル塗料の希釈やふき取り、使用した筆の手入れに使う

・ウェザリングツール
 自然な汚しを行うための塗料とブラシがセットになったツール

・平筆
 筆先の形状が平たく、広い面の塗装に向いている

・面相筆
 筆先の形状が丸く、細部の塗装に向いている


(前列左から)平筆、面相筆、ウェザリングツール
(後列左から)エナメル塗料、エナメル溶剤、ラッカー系カラースプレー

プラモデル作りの上級者になったら、エアブラシを使った塗装に挑戦するのもいいでしょう。エアブラシを使えばグラデーションや迷彩などの幅広い塗装が可能ですが、エアブラシに圧縮した空気を送り込むためのコンプレッサーや換気を行うための塗装ブースなどのツールも必要です。

1ヵ月後に公開する次回の記事では、接着や組み立てなど、実際のプラモデル作りの工程をご紹介します。みなさんも本記事をご参考にプラモデル、工具、塗料をそろえて、一緒にプラモデル作りに挑戦してみませんか?

オオゴシトモエさん


オオゴシトモエさん

広島県出身。模型専門誌「月刊ホビージャパン」のモデラー育成企画の連載を経てモデラーとして活動をスタートさせる。現在は作例製作やコラム執筆のかたわら、 模型教室を多数主催。プラモデルのナビゲーターとして、ものづくりの楽しさを広める活動を積極的に行っている。 著書に『はじめてだってうまくいく ガンプラの教科書』などがある。近著は『できる! プラモデル完全バイブル 』(大泉書店)。

http://www.054taste.jp/

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