【桜と花の秘境】ファンタジー感がすごい…“駅から歩いて行ける絶景”が神奈川に!

2017/4/22 19:30 スージー小江戸 スージー小江戸




以前、【死ぬまでに…どころか明日にでも行ける!】世界遺産級の“絶景ブルー”が神奈川に!というコラムでユーシン渓谷のことを書いたけれど、実はその少し南にも春に花が咲き乱れる絶景があるらしい。神奈川のポテンシャルすごい!

最明寺史跡公園 というその秘境。

人里離れて密かにたたずむ池が色とりどりの桜や花々に覆われ、そこだけ空想の世界がリアルに出現したような、おとぎ話かRPGに出てきそうなファンタジックな光景なのだそう。

しかも何と駅から歩いて行ける距離!平地から遅れること1週間、ソメイヨシノや他の花が咲き揃う頃を狙って行ってみました。ルートは複数あって下記地図は一例ですが、行かれる方はご参考に。大人の足で行きは約90分、帰りは約70分の道のりです(休憩含まず)。




(1)松田山ハーブガーデンとの分岐点まで(約10分)



西丹沢への玄関口、小田急線・新松田駅(北口)。ユーシン渓谷へはここからバスだけど今日は徒歩で目的地へGO!

道を北に歩き、御殿場線の線路をくぐってJR松田駅の前へ。もちろんJRのほうがアクセスしやすい方はこちらからスタートでもOK



雄大な富士山と駅舎の形がシンクロ!北側へ道を折れ神奈川県道72号線へ。



「河南沢(かなんざわ)」交差点に着いたら、看板の→に沿って「西平畑公園」「松田山ハーブガーデン」の方向へ。



ここに来るまでにも丘の上にチラ見えしていた白い円筒形の建物、その周辺がハーブガーデン。



すぐに東名高速道路との交差が。これをくぐれば…



分岐点に到着。最明寺史跡公園へは直進です。

ちなみに右へ行けばハーブガーデンと、2月中旬~3月中旬まで早咲きの「河津桜」が見事な「西平畑公園」。河津桜が咲く頃の様子は、オマツリジャパンさんがこちらのコラム後半で紹介してます。


(2)「時光窯」経由、最明寺史跡公園へ(約80分)

市街地を抜け、ここから目的地までは緩やかな上り坂ばかり…。でも最後まで舗装された林道で歩きやすい!景色や花、木々の緑や木漏れ日を楽しみながらノンビリ歩こう。



いきなり河南沢配水地の横の桜もキレイだし、



少し上っただけで、もうこの景色。松田の街を一望できるし、



畑の間や道端には鮮やかな菜の花や水仙、坂のツラさを癒してくれる花がいっぱい。



そして分岐から20分も歩くと、右へ分けたハーブガーデンへの道が再度、右から合流してきます。



あえて隠してる!?そこだけ生えまくった菜の花を掻き分けて標識を確認、左の道へ。



さらに上ること10分足らずで、時光窯が目の前に。こちら、陶芸家の志村正之さんが1999年に開いた窯だそうで、カワイイ埴輪たちが見事な桜に下にずらずら~っと並んで日なたぼっこ中。



埴輪の見つめる視線の先には、絶景の富士山!

この景色で充電して一息入れていきましょう。なぜならこの先50分くらい林道が続くけど眺望が全然ないから…。



とはいえ、木漏れ日が結構差し込んでるし風も通るのでそんなに陰気じゃない林道。車1台分の狭さだけど、さすがこの季節はけっこう車も通るので注意して!

それでもさすがに飽きてきたら
脂肪よ、燃えろ~!
とでも繰り返し唱えましょう。ちょうど何千回つぶやいたか分かんなくなった辺りで駐車場が見え、



着いた時には脂肪が燃えまくってゲッソリ(嘘です)。
駐車場の左の道を下って



トイレと売店の前を過ぎたらついに到着!


◎最明寺(さいみょうじ)史跡公園



突如、目の前に現れたファンタジー感あふれる絶景に言葉を忘れることしばし…。駅からこんなに近い低山が、これほど素晴らしい秘境を隠しているとは!池沿いだけでもソメイヨシノ、紅しだれ桜、手弱女(タオヤメ)など幾種もの桜が咲き競うよう。

それだけじゃなく、池の手前や北側斜面にも花が咲き乱れていてすごいので順番にご紹介!



トイレの裏だというのに惜しげもなく咲きまくる紅しだれ桜。



立派な枝ぶりのソメイヨシノが20本ほど。満開を過ぎ、はらはらと美しい桜吹雪を浴びるひとときの何と至福なことよ…。



桜の下は広々とした園地で最高のお花見スポット!宴会しに来ているグループもちらほら。



来た方向を振り返ると、林道沿いの樹林の濃緑をバックに、大島桜の白・レンギョウの黄色・花プラムの濃ピンクが本当に美しい!





大島桜のふっくらした清楚な花びら、花プラムの弾けるような陽気なピンクは「春っていいな~」と単純に思わせてくれます。

次は池の周りをぐるり1周…の前に、護摩堂跡も見ていきましょう。ソメイヨシノたちの下まで行き



池の方向を見ると護摩堂跡へ上る階段が。





元々この地には “夢のお告げ” を受けた浄蓮上人が、1221年に長野の善光寺の仏像を模写した金銅の仏像を安置した「西明寺」があったのだそう。由来からしてファンタジー感があったとは。



その後、お寺は興隆を極めたものの応仁の乱などで衰退し、現在は「最明寺」として新松田駅の南口から2~30分の場所に移されたとのこと。

……鎌倉時代にしばし思いを馳せたら、次は「1周3分で行ける池めぐり」に出発!



池の端にはソメイヨシノの花びらがたくさん吹き寄せられて花筏が。





見事な枝垂れ桜の下の小径。勇者になってパーティ引き連れてぐるぐる歩きたい気分。



池をのぞき込むと黒い鯉がのんびり。



岸辺にはカモ3羽も。何度か話しかけて「返事がない…」状態だったので、精巧にできたデコイ!?と思ったらなんと本物でした。





池の反対側からの景色。静かな秘境に満ち溢れる春の空気が最高!



1周してきた所には赤味が強く鮮やかな菊桃や花桃が。

池めぐりを堪能したら北側斜面に登るのもお忘れなく!大島桜とレンギョウの見事な共演と富士山の絶景に出会えます。



斜面への登り口はこんな感じ。



小径は網目のようにつけられていて、道標もそこここにあるのでほぼ迷う心配なし。



眼下に花の合間にのぞく池もなかなかオツです。





来る途中は菜の花の黄色、ここではレンギョウの黄色を満喫!



ちょっと登っただけでもなかなかの眺望。実は最明寺史跡公園は標高550mで高尾山(標高599m)とほぼ同じ高さ



歌碑が立っているところまで上がると、その横の空き地から



富士山の大絶景!(今日3回目)





斜面を上がり切ると「寄自然休養村」や「尺里峠・高松山」と連絡している登山道に。尺里峠・高松山方面へ少し行くと

大島桜、レンギョウを額縁にインスタ映え抜群の富士山が!



今年はもう残念ながら多くの花が散りゆく段階ですが、筆者としては

・春、近場の山に行って桜を見たい
・さらに眺望がいいと嬉しい

そして特に

・高尾山とか混んだ山より、空いてて静かな山がいい

そんなふうに思っている方!最明寺史跡公園がおススメですよ。
公式ホームページに詳しい情報があるので、行っても行かなくてもぜひチェックしてください。

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■松田町 最明寺史跡公園(開花情報つき)
https://town.matsuda.kanagawa.jp/site/kankou-sub/saimyouji-taxy.html


(スージー小江戸)