歌舞伎を観にいこう!前編「はじめての歌舞伎鑑賞【入門編】」

2016/11/17 18:35 satomin satomin

歌舞伎というとちょっと敷居が高いなと思われがちですが、テレビや各メディアで見て意外と知っている歌舞伎役者さんも多いのも事実。
そんな歌舞伎について、自身の歌舞伎ブログを毎日更新し、歌舞伎にも足繁く通っている歌舞伎女子のすえひろちゃんに“歌舞伎のいろは”を教えてもらいます。

初心者がはじめて歌舞伎を観に行く前に知っておきたいこと
を前後編にわたって聞いていきます。
前編のテーマは「はじめての歌舞伎鑑賞【入門編】」。


――こんにちは。いろいろと聞く前に、すえひろちゃんはまだ若いですが、なにをきっかけに歌舞伎にハマるようになったんですか?



すえひろちゃん(以下す):
下町育ちのためか子供のころから江戸文化が身近で、歌舞伎役者になりたいなぁと思っていました。本格的に歌舞伎を好きになったきっかけは、大学1年生のとき授業で片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんの「桜姫東文章」という演目の映像を見たことです。これは大変色っぽい演目で、以来仁左衛門さんの大ファンになってしまいました。それからは、前歌舞伎座の幕見席に行ったり遠征してみたりと歌舞伎を楽しんできました。歌舞伎座建て替え後は毎月必ず歌舞伎座に出かけています!


――毎月とはすごいですね。今回は歌舞伎を一度も観にいったことのない人向けに、歌舞伎の基本について教えてください。

――まず歌舞伎を観たい!と思った時、どこに行けば見られますか?

す:東京・東銀座の歌舞伎座は世界で唯一の歌舞伎専用劇場として毎月歌舞伎を上演しています。その他にも京都の南座や大阪松竹座、博多座、全国各地のホールを使った巡業公演など歌舞伎を見ることのできる劇場は意外と多いんですよ。


――開催場所や劇場によって違うとは思いますが、歌舞伎の興行形態を教えてください。

す:歌舞伎座の興行は基本的に毎月25日間の公演で休演日はありません。二部制の場合、昼の部・夜の部に分かれてそれぞれ3~4本程度のお芝居が上演されています。お芝居の間に幕間(まくあい)と呼ばれる休憩時間を挟むので各部4時間を超える長丁場です。

上演されるお芝居はそれぞれ別々の演目の場合が多く、様々な演目から1時間程度の名場面を集めて上演していると考えていただければわかりやすいかと思います。このことを「見取(みどり)」といいます。それに対して一つの演目を始まりから終わりまで上演する「通し狂言」というスタイルの興行もあります。月によっては三部制となる場合もあり、毎月盛りだくさんの内容です。





――歌舞伎座のチケットはどうやって買ったらいいですか?料金や購入方法など教えてください。

す:インターネットや電話の他、歌舞伎座の地下2階にある切符売り場でも購入することができます。
値段は月によって少し変わりますが、二部制の場合チケット料金は一番高価な席で2万円程、一番手ごろな席で4,000円程です。


――「一幕見席」というお手ごろな席があるそうですか?

す:先ほどお話した各部ごと3~4本程度のお芝居それぞれを「一幕」と呼んでいて、幕ごとに切符を買うことができるんです。座席は最後方の4階部分ですが、高さがあるため意外と良く見えます。この「一幕見席」は当日券で、1,000~2,000円程度の手ごろな値段で購入できるため初めての方にもおすすめですよ!



■2013年新装した歌舞伎座。その内部は?

――東京銀座にある歌舞伎座は2013年に建て替えられ話題になりましたが、足を踏み入れたことのない人にとっては謎の多い建物。次は歌舞伎座内の様子や長い上演時間中の食事、お買い物事情についてです。


――歌舞伎座の中はどうなっていますか?

す:歌舞伎座の中は1階から4階の一幕見席まで約2,000ほどの座席があり、外観の印象よりも広々とした空間が広がっているんです。エレベーターやエスカレーターが設置され、建て替え前よりも快適に過ごすことができるようになりました。


――歌舞伎座の中には食事をするところやお土産のショップなどはありますか?

す:事前予約で幕間に利用できる食事処や、喫茶室、軽食を売る売店などがあります。幕間は座席での飲食OKなので、地下広場のお弁当売り場やコンビニでお弁当を調達して座席で楽しむこともできます。
ショップには限定のお土産や歌舞伎ならではのデザインを施したかわいい和小物などが揃い、いつも大変賑わっています。歌舞伎座限定のキャラクターグッズも要チェックです!



▲一心堂本舗の市川染五郎監修「歌舞伎フェイスパック」。(すえひろちゃん着用)
隈取(くまどり)をデザイン。歌舞伎座地下の木挽町広場などで購入可能




▲歌舞伎の衣装や紋にちなんだデザインの「ぽち袋」。歌舞伎座タワー5階売店で販売



▲歌舞伎衣装づくしというお菓子。このシリーズは草餅の他にべっこう梅飴も



■いざ観劇!どんな格好で行ったらいい?

――ここまで読んで、歌舞伎観にいってみようかなと思った方もいるかもしれません。そこで1つ気になるのは格好(服装)のこと。何を着ていこうか悩みますよね。

――観劇は着物など和装で、または正装でと思ってしまいますがドレスコードやマナーはありますか?これは気をつけたほうがいい、ということもあれば教えてください。

す:和装でおいでの方も多いですが、節度さえ守れば気軽な服装で大丈夫ですよ!ただ、頭の上にお団子を作るヘアアレンジや帽子などは後ろの方の視界の妨げになってしまうので、ヘアスタイルや髪飾りにはご注意ください。客席全体で気を付けながら気持ちよくお芝居を楽しみましょう。


――これからはじめて歌舞伎を観にいくという人むけに、初心者が観るべき演目や、観るポイントなど教えてください。

す:初めての時には何かしらのとっかかりが大切ですよね。歌舞伎のお化粧では誰が誰なのか見分けがつきにくいかと思いますので、まずはテレビなどでお顔をよくご存知の方が主役の演目が良いのではないかなと思います。テレビとは全く違ったかっこよさに惚れ惚れすること請け合いです。
劇場では解説つきイヤホンガイドや字幕ガイドの貸し出しなど、初めての方にもわかりやすいサポートがたくさんありますからぜひ活用なさってみてください。毎月のおすすめ演目やみどころは私のブログでもお話していますので、一度お読みいただけたらうれしく思います!



◆まとめ◆
いかがでしたか。ちょっと勇気をだして歌舞伎を見に行ってみようかな、という気になってきましたか?
歌舞伎座は海外からの観光客も多く、気軽に観られる幕見席で楽しんでいます。歌舞伎は日本の伝統芸能ですが、観劇のマナーは守りつつ、まずは気軽にその世界を楽しんでみてはいかがですか。
役者さんや衣装、舞台、ストーリーなど、観れば観るほど奥が深い歌舞伎の世界。まずはその入り口に立ってみましょう。


後編は、新年は着物で歌舞伎鑑賞へ!一月公演ガイドです。後編コラムはこちらから
歌舞伎を観にいこう!後編「新春一月公演の見所を一挙ご紹介」


◆ペンネーム:芳川末廣・すえひろちゃん



Twitter:@88salut88
ブログ:「歌舞伎ちゃん 二段目」


(文/satomin)