連休中にゆっくり観られる展覧会8選

2016/4/26 13:00 Tak(タケ) Tak(タケ)


上野の「若冲展」や六本木の「セーラームーン展」などなど、人気爆発の展覧会。入館時間にどれくらいかかるか逐一ツイッターで告知されたり、人気グッズが瞬く間に売り切れるなどとにかく話題に事欠きません。

でも、せっかくのゴールデンウィークです。のんびりアートと静かに向かい合いたいという方も多いはず。そんな方の為に、本日は連休中にゆっくり観られる展覧会をご紹介します。

でも、ただ展覧会を列挙しても魅力が伝わりません。一度も足を運んだことのない美術館もあるかもしれません。

そこで今回は、美術館の公式サイトやプレスリリースに紹介されている展覧会内容とは違う、もっと一読したらすぐに行きたくなるような紹介文を各館の担当学芸員さんにお願いし、このコラムを読んでいる皆さんだけに書き下ろしてもらいました!(拍手)

こんな素敵な展覧会をやっていたのね!と思ったらすぐにでも観に行く計画立てましょう~





「朝鮮工芸の美」展
日本民藝館

一つの焼物が、ある人物の運命を変えました。その焼物とは、朝鮮時代に造られ た面取壺。ある人物とは、韓国を愛し韓国からも愛された日本人である柳宗悦。 柳はこの焼物との出会いをきっかけにして、「民芸」の美を発見し、その後日本 民藝館を造ったのです。今年は、その民藝館が出来て80年を迎えます。誕生の原点ともなったその焼物を、ぜひご自分の眼で観て下さい。そして感じて下さい。

開催期間:2016年4月2日(土)~6月12日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
http://www.mingeikan.or.jp/





「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展
弥生美術館

谷崎文学に登場するヒロインの着物を、アンティーク着物の専門家である大野らふ氏が再現しました。モデルになった女性の写真や文章を手がかりとし、谷崎潤一郎がどんな着物を想定していたのかを、探ってみました。
あわせて作品のあらすじを挿絵とともに紹介。着物は約30点、挿絵約100点を展示。
耽美・華麗で悪魔的な谷崎文学を「目で見て」お楽しみいただきます。谷崎作品を1冊も読んでなくても、着物をお召しにならない方でも充分に楽しんでいただけます。


開催期間:2016年3月31日(木)~6月26日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし4/19~5/8の間は無休)
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/





「森羅万象を刻む―デューラーから柄澤齊へ」展
町田市立国際版画美術館

早速ですが、お財布からお札を取り出して、肖像の部分をじっくりごらんください。さまざまな線が集まって、顔が表されていることがわかります。実はこれ、「ビュラン」と呼ばれる版画用の彫刻刀で刻まれたもの。習得が難しく、制作にも時間がかかる版画の技ですが、匠の手業はまさに超絶技巧! あらゆるもの―森羅万象をあらわしうる可能性を秘めているのです。古今のビュラン作家による約200点が皆さまをお待ちしています!

開催期間:2016年4月29日(金・祝)~6月19日(日)
開館時間:火~金 10:00~17:00(入場は16:30まで)
土・日・祝 10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日
http://hanga-museum.jp/





「ザ★刀剣 ─ 千年の匠の技と美」
東京富士美術館

オンラインゲームの流行など、空前の刀剣ブーム到来!今回の刀剣展に関する館公式ツイッターでのつぶやきが、この春世界3500の美術館アカウントがつぶやいた約15万のツイート中、リツイート数世界第1位を獲得。わずか数日で閲覧数は197万超に。
当館として刀剣展の開催は今回が初めて。重文3振を含む47振の名品を展示、長曽祢虎徹など22振は初公開。子どもが楽しめるイベントも。GWにはかっこいいダンボール甲冑の組み立てワークショップ、5月7、8日には戦国武将隊の奥州片倉組が富士美に出陣、本物の甲冑を着て真田幸村ら武将と記念撮影も。
刀といえば刃文・・・刀の本来の鑑賞法が疑似体験できる刃文鑑賞ケースを新開発、美術館での新しい刀剣鑑賞スタイルを提案します。これであなたも刀の美の虜!?


開催期間:2016年3月29日 (火)~7月3日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)
http://www.fujibi.or.jp/





「ジャック=アンリ・ラルティーグ 幸せの瞬間をつかまえて」展
埼玉県立近代美術館

幼い頃、目の前の幸せな瞬間が過ぎ去っていくのを恐れたラルティーグは、素早く瞬きをして幸福な像を脳裏に焼き付けようとさえしました。そんなラルティーグ少年が、父親から“魔法の機械”カメラを与えられたときの高揚は計り知れないものだったでしょう。この展覧会では、自分自身のために、家族や友人、恋人との「幸せの瞬間」を撮り続けたラルティーグの世界を、一瞬の動きをとらえたモノクロ写真や、叙情的なカラー写真など約160点で紹介します。ラルティーグが生涯を通じて大切にした身の回りの「幸せ」が、あなたの心にも届きますように。

開催期間:2016年4月5日 (火) ~ 5月22日 (日)
開館時間:10:00 ~ 17:30 (入館は17:00まで)
休館日:月曜日 (5月2日は開館)
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/





「あした天気になーぁれ♪ ―雨・晴・風の美術―」展
茨城県近代美術館

この企画展は、普段とはちょっと違う目線で気楽に絵を楽しんでもらいたいという思いから、私たちに身近な気象をテーマに作品を展示しています。日本画、油彩画、水彩画、版画とジャンルにこだわらず多様な表現をお楽しみいただけますが、中でも見どころは水彩画家、小堀進の作品。茨城県潮来市出身の小堀進は、大胆なタッチと爽快感のある作風で様々な風景を描きましたが、多くの作品においてその主役は「空」と「雲」でした。本展覧会では、「小堀進の空」と題した章を設け、初夏にピッタリな小堀芸術の魅力を存分に紹介しています。展覧会を楽しんだ後は、爽やかな風を感じながら千波湖散策などもオススメですよ。

開催期間:2016年2月20日(土)~5月29日(日)
開催時間:9:30~5:00(入館は4:30まで)
休館日:月曜日
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/





「絵本・動物・地球展 8人の作家が奏でるいのちのうた」
群馬県立館林美術館

「絵本・動物・地球展」は、動物たちを真摯に描き続ける国内の作家8人による絵本原画などを紹介する展覧会です。動物絵本を語る上で外すことのできないあべ弘士から始まり、小田隆、村上康成、菊池日出夫、山口マオ、どいかや、きくちちき、そのだえり、とベテランから若手まで、さまざまな表現の作家たちが集まりました。作家たちの筆使いの繊細さや力強さを直接堪能できる機会として、大人の方も楽しめる内容となっています。

  開催期間:2016年4月16日(土)~6月26日(日)
開館時間:9:30~5:00 (入館は4:30まで)
休館日:月曜日(ただし5月2日は開館)
http://www.gmat.pref.gunma.jp/





「いきとしいけるもの」展
ハラ ミュージアム アーク

和ロウソクに近い光のなかで、絵画や彫刻に表現された様々ないきものたちがざわめきます。
釈迦の死を前に嘆き悲しむ昆虫や動物たちを描く涅槃図、花が咲き鳥が舞い遊ぶ沈南蘋の写実的な花鳥画。これら古美術にあわせ、セザール「バレンタイン」、加藤泉「無題」や名和晃平「PixCell-Bambi #2」などの現代美術作品も。
美術に表現されたいきものたちは、虚と実のあわいを行き来する感覚を体験させてくれるようです。感性をとぎ澄ませ、心豊かに遊んでご鑑賞ください。


開催期間:2016年3月12日(土)~5月18日(水)
開館時間:9:30 ~4:30 (入館は4:00 まで)
休館日:木曜日(祝日は開館)
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html




さて、さていかがでしたか。大型展覧会にはない魅力にあふれていますよね!しかも学芸員の皆さんの誘い文句が素晴らしい!思わず全部観に行きたくなっちゃいますよね。

まだまだ、他にも隠れた素敵な展覧会たくさんあります。GWは混雑している美術館・博物館を避け、穴場の展覧会に狙いを定めてみましょう!!



郵政博物館「華麗なる巨匠たちの扇の世界展」
たばこと塩の博物館「細密工芸の華 根付と提げ物」
渋谷区立松濤美術館「頴川(えがわ)美術館の名品」
泉屋博古館分館「バロン住友春翠 邸宅美術館の夢」
畠山記念館「尾形光琳没後300年記念 光琳とその後継者たち」
武蔵野市立吉祥寺美術館「萩尾望都SF原画展」
府中市美術館「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」
東京芸術大学 大学美術館「芸大コレクション展 春の名品選」
東京国立近代美術館工芸館「芹沢銈介のいろは 金子量重コレクション」
江戸東京博物館「近代百貨店の誕生 三越呉服店」
そごう美術館「あそぶ浮世絵 ねこづくし」
横須賀美術館「デビュー30周年記念 さくらももこの世界展」
平塚市美術館「萬鉄五郎×岸田劉生 その仲間たち」「華麗なるガラス工芸の世界」
国立歴史民俗博物館「万年筆の生活誌 筆記の近代」
千葉市美術館「生誕140年 吉田博展」
DIC川村記念美術館「サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-」
遠山記念館「大観の桜・春草のつつじ 春を楽しむ」
足利市立美術館「 画家の詩、詩人の絵」
栗田美術館「江戸後期の伊萬里焼」
栃木県立美術館「ヒュー・スコット=ダグラス展」
笠間日動美術館「鴨居玲 死を見つめる男」
アーツ前橋 「田中青坪 永遠のモダンボーイ」
群馬県立自然史博物館「よろいをまとった生きものたち」
群馬県立近代美術館「Flora! 花の饗宴 -ルドゥーテの『美花選』と植物図譜の世界-」


こちらもあわせて読んでおきましょう!

・展覧会に出かける前に準備しておきたい5つのこと。
http://ima.goo.ne.jp/column/article/3481.html 

・展覧会を何十倍も楽しむために心がけたい5つの秘訣。
http://ima.goo.ne.jp/column/article/3573.html


美術展の手帖』(小学館)
展覧会でのかけがえのない作品との出会いと感動をまるごと記録する手帖です。美術展の見方が変わります。