全米デビュー!国際派俳優「ディーン・フジオカ」ロングインタビュー

2015/4/14 18:08 いまトピ編集部 いまトピ編集部



以前、いまトピでも紹介した5ヶ国語を操る国際派俳優ディーン・フジオカ(34)。彼が全米デビューを果たしたドラマが、この春よりWOWOWで放送開始され日本でも見られることになった。いつもは海外を飛び回るディーン・フジオカだが、放送記念の特別試写会イベントで来日しているということで直撃インタビューに行ってきた。
(→ 以前のコラムはこちら




ドラマ「荒野のピンカートン探偵社(“The Pinkertons”)」は、1860年台のカンザスを舞台に現存する最古の探偵社「ピンカートン社」の創設期を描いている。創設者であるピンカートン親子と、世界初の女性私立探偵「ケイト・ウォーン」の3人が謎事件を解決していくミステリーアクションドラマだ。ディーン・フジオカはピンカートン探偵社の見習い探偵の日本人「ケンジ・ハラダ」を演じている。


――「荒野のピンカートン探偵社」で全米デビューを果たされていますが、出演が決まった時はどんな気持ちでしたか?

ディーン・フジオカ(以下D):
まずは、びっくりしました。いつかはやりたいなとは思っていたんですけど、このタイミングでそれが現実になったというのは、人の運とか運命みたいなのは結局自分じゃセッティングできないもんなんだなと感じました。



昔アメリカに住んでいたことがあったんですが、いつかアメリカでもう1回チャレンジしたいなという気持ちをもったままアメリカをでたんですね。アジア圏で活動してきて10年が経ち、いまこのドラマに出演することになって、アメリカで新しいスタートがきれるというのは本当に素敵なことだなと思うんですよ。

1つの国で生まれ育ってそこで仕事すると、どんな業種でも新人って1回しかできないですよね。でも、自分は香港、台湾と、日本と…日本に来たときも30歳くらいだったんですが、毎回新人になれるんです。今回アメリカでも新人を経験できましたが、フレッシュな気持ちになれるってなかなか難しいことだと思うので、すごくありがたいですよね。


――では、新人として挑んだ「荒野のピンカートン探偵社」ですが、台湾、日本の撮影との違いなどはありましたか?

D:
全米のユニオンシステムで働くのははじめてでした。もちろんアジアの中でも日本とか台湾、香港、大陸でぜんぜん違う部分もあるんですけども、全米のユニオンシステムで仕事したときに、すべてが「いままでのはなんだったんだ」と思うくらいすごい整備されているというか、法律として形になっているというか…。

一番根底にあるのは、いくつか理由はあるとは思うんですけども、まずバジェット(予算)が大きいということですよね。ユニオンのシステムが成り立つぐらいにバジェットが十分あるっていうことと、フィルムメーカーとかパフォーマー、アーティストっていう職業が社会的にすごく理解されて尊敬されている、それが持つ影響力みたいなものに対して理解をもってサポートしているなというのは感じました。


――それは日本や台湾とかとは全く違っていますか?



D:
うーん、やっぱり無理させますよねアジア系って。アメリカだとベストを常にだしてもらうことを考えてすべてを調整していますよね。睡眠とかに関してもそうです。人間の集中力って限界があると思うんですよ。それを1日12時間撮影時間あったら延長させないで終わらせて、そこから翌日の撮影まで12時間休みを全員確保させるとか。他にも、現場で常に何かしら食べ物飲み物がちゃんとあったりとか、どんなポストにも必ず1人はプロフェッショナルの担当がいるとか、違いますね。
いいものを作るために何をしたらベストなのかを考えてすべてのことが決められている。だから出演者だから特別な扱いをされているというわけではなく、クルーに対しても、すべてのクリエーター、フィルムメーカーに対しても同じです。



◆自分とパラレルしている感じがした「ケンジ・ハラダ」


(c) Pink Series, Inc.


――では、今回演じたケンジ・ハラダの役どころについて教えてください。

D:
ケンジ・ハラダという日本人のサムライの役で、彼はあるリベンジを果たすためにアメリカにきました。物語のスタート時は謎が多い役どころなんですが、段々とピンカートンズ(探偵社)と時間を共有することでピンカートンズ(探偵社)の一部、仲間になっていきます。その過程でどんどん地元に馴染んでいき、アメリカナイズドされていきます。


――西部劇と日本のマッチングが見ていておもしろいですね。

D:
そうですね。なかなかこうゆうのないと思います。(舞台の1860年台のカンザスは)時代的にいうと日本では「拙者」とか言うような時代ですから(笑)。江戸時代末期ですからね。


――このドラマは西部劇ですが、撮影していて難しかったことや大変だったことなどありますか?

D:
撮影に入ってから、はじめ脚本が1話しかもらえなかったので、1話完結とはいえその後どうなるのかわからなかったのでちょっと不安はありました。でも、アクションなどの経験もいかせて、すごく楽しい撮影でした。
(ドラマでは)サムライの青年がアメリカに影響されて変化していきアメリカンジョークを飛ばすんですが、「サムライが言うか?」と思ったりもしましたが、次第に慣れていきました。そんな変化が(アメリカに行ってドラマを撮影している)自分とパラレル(同時進行)している感じがしました。



◆最低気温がマイナス45度の極寒のロケ地

――撮影中のエピソードなど何かありますか?

D:
第4話の監督が黒澤映画のファンで、剣術をしていたことを伝えると喜んでくれて、アクションの撮影ばかりやっていたら他のスタッフから後からクレームがきたりしていました。でも、空き時間にもずっとその監督とアクションの話をしていましたね。

あとは、ロケ地のカナダ(マニトバ州ウィニペグ)が撮影時冬でマイナス35度だったので、ホテルからの外出にはタクシーを使うんですが、とにかく来ない。ホテルに(タクシーが)来るのに30分くらいかかって…。やっと外に出て用事を済ませて帰ろうと思って3回くらい呼んでも来ない。じゃあバスで帰ろうと思ったらバスも時間通り来ないんですよね。外にいるとマイナス35度だとあまりの寒さで痛くて、まつげも凍って目が開かないってこともありました。そうゆう体験ははじめてだったので、次の日に現場で言ったら「昨日ぜんぜん暖かかったじゃん」とか言われて、あー修行がたりなかったなと(笑)


――マイナス35度でも暖かいほうなんですね!?

D:
印象的だったのが、マイナス45度が最低気温だって言われてもどれぐらい寒いのか想像がつかないって言ったら、「火星と同じ寒さだよ」って言われて、余計わかんないじゃないですか(笑)
火星って火のイメージがあったけど、人が住むところではないですよね。寒さで死ぬってこうゆうことかって(笑)





◆バンパイヤ役を演じたい!?今後について

――全米デビューを果たした今、今後の夢や目標は?

D:
今後の夢は、アジア人を代表する俳優ですね。全米がゴールではなく、もちろんアジアでもやっていきたいし、火星に行く前に地球からまずはやりたいですね(笑)


――特にこれからやってみたい役などありますか?コメディや悪人など。

D:
うーん、なんだろうな。そうですね、バンパイヤとか、宇宙飛行士とかですかね。あと、アクションは常にやりたいですね。


――映画のなかでも殺陣を披露されていますね。

D:
今回(ドラマの中で)剣術も少しやっています。あとは武器なしのボディコンタクトも。それらは中華圏とアメリカのやり方ってぜんぜん違ったんですよ。新しいアプローチを経験できたのはおもしろかったですね。



◆Twitter、ツイキャス、インスタ、Weibo(微博)でファンとつながる

「いまトピ」ということで、ネットについても聞いてみた。

――ネットをとても活用されて、ファンの方とコミュニケーションをとられていますが。

D:
あんまりうまく使えていないと思いますね(笑)
ファンの方とのコミュニケーションもなるべくとりたいとは思っているんですけど、いまはほとんどインスタ(Instagram)しかやっていないですね。インスタでやったのを分散させているかんじで。
たまに時間があればWeibo(中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」)やTwitterなどではファンの方とコミュニケーションをとったりしています。


――今はネットがあるので、海外にいても日本のファンの方とつながれますね。

D:
一昔前だと難しかったかもしれませんが、いまは飛行機のチケット代が安くなったということと、インターネットの高速化があるから、自分のこのライフスタイルというかワークスタイルが成り立つなと思います。

ツイキャスとかやってると思うんですけど、あれすごいですよね。時差があってもやっぱり起きて見てくれる方がいると、こんなつまらないことでいいのかなー、ちゃんと脚本書いたほうがいいのかなーと(笑)。でも脚本書いちゃうと意味がなくなるじゃないですか。またちょっとツイキャスじゃなくなるっていうか。。。
(脚本がないので)以前やっててそのまま寝ちゃったこともありました(笑)



もうちょっといい方法がある気はしますけどね。
がんばります(笑)


――本日は貴重な時間をいただき、どうもありがとうございました。

今後ますますのご活躍を応援しております。


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全米デビューとなったドラマとの運命的な出会いにより、10年前に住んでいたアメリカで新人としての再スタートをきる。はじめてだらけのユニオンシステムでの撮影や、火星のように極寒のカナダでのロケなどを経て段々と変わっていく自分を、ドラマでリベンジを果たすために渡米してきたサムライ「ケンジ・ハラダ」と重ね合わせる。
この作品との出会いによって、ディーン・フジオカは経験を積んで、地球の上での演じるフィールドを確実に広げていっている。今後の夢「アジア人を代表する俳優」になるために、これからも彼の活動は国境を軽々越えて広がっていくだろう。


ディーン・フジオカが気になる、もっと知りたいと思った方は、彼のインスタやTwitterをチェックしてみては。普段の素顔が見られるツイキャスも見逃せない。Weibo(微博)というのも台湾や香港で活躍する彼ならではのSNSだ。

さらに、今回「いまトピ」では限定動画を撮影!!
動くディーン・フジオカを見られる動画はこちらから。


「いまトピ」限定!ディーン・フジオカの動画ツイート


インタビューを終えて:
取材のために目の前に現れたディーン・フジオカの第一印象は小顔!そして、大人の色香が漂うイケメンだ。話し方もじつに丁寧で優しく、話す声も心地良いテノールの響きを紡ぎだす。作品の中の役柄のイメージとは別に、とてもソフトで、あえて言葉にすると“白”のイメージ。そこからいくらでも演じられる素地感と、国境(border)に縛られずに地球サイズで活躍していく可能性の白さを感じた。

ディーン・フジオカをもっと日本でも見てみたい!という日本のファンの思いが通じたのか、出演ドラマ「荒野のピンカートン探偵社」が4月18日からWOWOWで放送開始される。
ドラマの見所については、「一見まじめな話のようだけど、笑いどころとアクションがあります。それと、ケンジ・ハラダが放つアメリカンジョークを期待してください。」とのことで、ぜひアメリカジョークにも注目したい。
ディーン・フジオカ演じる日本人ケンジ・ハラダが、いわゆるアメリカの時代劇の中で醸し出す東洋的な振る舞いも実に存在感があり、放映後全米でも「あの素敵な東洋人は誰?」とSNSでも話題になったとか。
なぜだか海外ドラマの中で外国人キャストに囲まれて堂々と演技するディーン・フジオカを見ていると応援したくなる。メジャーリーグやセリエAで奮闘する日本の選手たちと同じ感覚なのかもしれない、とも思う。今後も世界をまたにかけて活躍するディーン・フジオカから目が離せない。


■作品情報


(c) Pink Series, Inc.

「荒野のピンカートン探偵社」
WOWOW プライムにて4月18日(土)スタート
毎週土曜午前9:00 (全22話)(字幕)
[第1話無料放送]
「荒野のピンカートン探偵社」公式サイト




(取材・文/いまトピ編集部 鹿乃ハル、撮影/いまトピ編集部 田幸)


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