藤田朋子の「本来ならば満月」第三回:蝉を好きになる
夏と言って思い出すもの。
真っ青な空と入道雲。
プールと日焼け。私の小さな頃は「黒い子」は元気な子って言われてました。
スイカに風鈴、カブトムシに蝉取り。
蝉。
蝉、好きですか?
私は夏に生まれたので、蝉の聲とか嫌いじゃあないです。
でも、その姿はねえ。
10年位前に、格安のチケットが手に入って、フランスはエグザンプロヴァンスに旅行をした時に、蝉の飾りが玄関先に飾ってあるのを見つけました。 お土産の中にも蝉。しかも、リアルな感じの蝉のイラストとか。
聞いてみると、蝉は幸運をもたらす生き物として大切にされているとか。
調べると、長い間、地中にいて出て来る、という事が「復活」の象徴だとか「忍耐力」のイメージだそう。
それで蝉に興味が湧いてました。
蝉って日本では、かなり夏のイメージだけれど、外国ではあまり見かけないな、と思っていたのに、この溢れんばかりの蝉に、親しみを感じたというのかな。
それで、蝉のアクセサリーを作って貰ったんですよね。
私のブランドで。
私のブランドでって、いきなりですが、私が欲しいアクセサリーを作るブランドを立ち上げちゃったんです。
私は役者ですから、普段の私の様子は、コアなファンの方や、私の周りにいる人くらいしか知らないと思うので、大多数の方の私のイメージは、ドラマの中の役柄しかないと思うので、私とアクセサリーブランドって結びつかないでしょうね。
実は、今までも、何度かアクセサリーを一緒に作りませんか、とお話を頂いて、試作品まで作って頂いた事もありました。
でも、頓挫していました。
多分、私の熱量が少なかったんだなと思ってました。
でもそうじゃなかったんですね。
私の熱量が多過ぎて、足並みが揃わなかった。逆だったんです。
今回は、私と同じ熱量が寄り集まっていて。
出来た!
出来ちゃいました。
蝉のアクセサリー。
何度も何度も試作品を作りました。
細かい手直ししを繰り返しました。
蝉、なかなか蠅っぽくなりがちで。
蠅じゃないんだよなあ。
蝉なんだよ~と。
出来上がった作品は、本当にリアルで、そして私の望んでいた蝉ちゃん。
幸せ。
そう!
幸せを運ぶ蝉ちゃんです。
先日、ロケでお世話になったアムステルダムのコーディネーターさんが私のアクセサリーをFacebookでチェックして下さって「ヨーロッパでも人気が出るような気がするけどな」なんてコメント下さって、感激!
そうだよ~
ヨーロッパ~!
蝉ちゃんを欲しているのは日本じゃなくてヨーロッパだぁ~。
OH!
ソレジャ ダぁメネ~
でも、可愛いんだけどなあ。
どうかなあ。
蝉。
いいと思うんだけどなあ。
ねえ?
(藤田朋子)
藤田朋子プロデュース・アクセサリーブランド
「Chien Dormant」