役所広司と菅田将暉共演の『銀河鉄道の父』は、スタジオジブリのあの作品と構成が同じ?!

2023/5/12 17:00 龍女 龍女

今回のテーマは、5月5日に公開された映画『銀河鉄道の父』である。
宮沢賢治(1896~1933)の生涯を父政次郎(1874~1957)の視点で描いた作品だ。


(宮沢賢治 イラストby龍女)

筆者は映画を観る前日の5月8日に、第158回直木三十五賞を受賞した
門井慶喜(1971年11月2日生れ)の原作を急いで読んだ。
受賞した当時(2018年)単行本を購入したが、自宅で探しても見つからなかった。
電子書籍で改めて購入した。

筆者はベッドでタブレットをスクロールしながら涙が溢れて仕方が無かった。
素晴らしい小説だった。
430頁を2時間8分に脚色するに当たっては、省略しなければならない部分もあって、原作原理主義に立ってしまうと文句が出るかもしれない。
筆者自身はシナリオを勉強した経験もあり、原作の要素をどう集約したかに関心があった。

結論から先に言うと、この映画版を描き直した演劇が観たいと思った。
あらかじめ言っておくが、今年は宮沢賢治の没後90年を記念して数々の作品が生れている流れもあって『銀河鉄道の父』は先に演劇化されている。
残念ながらその舞台は未見だ。
チラシによれば会話劇だったそうだが、原作を舞台化するにはどうしても台詞の文量が多くなるのは仕方が無い。
あくまでも筆者が観た範囲内の話として、その点は考慮してもらいたい。
その理由についてはネタバレがどうしても必要なので、次の頁で詳しく述べていこう。

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