国立科学博物館 特別展「恐竜博2023」に出現した話題の恐竜たちを見逃すな!
ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルス・・・
子どものころ学習図鑑を見て、こんな大きくて恐ろしい恐竜がのしのし歩いていた大昔の地球に紛れ込んだらどうしよう、と思ったことがありましたが、実際にそんな体験ができる展覧会「恐竜博2023」が東京・上野公園の国立科学博物館で開催されています。
展示風景
恐竜の化石が展示されている博物館は、この国立科学博物館の常設展をはじめ国内にもありますが、今回の特別展は日本初上陸、世界初公開など見どころ満載の展覧会なのです。
それではさっそく展覧会の様子をご紹介したいと思います。
今回の展覧会のキャッチコピーは、今度の主役は「トゲトゲ」だ!
最初に聞いたとき、トゲトゲとは何だろう?と思いましたが、会場に来てその正体がわかりました。
それは、草食恐竜のズール・クルリヴァスタトルが、肉食恐竜や仲間同士の争いから身を守るため全身をトゲトゲの骨質で装甲したウロコのことだったのです。
ズール・クルリヴァスタトル 体骨格(実物化石)(右)、尾(実物化石)(左) ロイヤルオンタリオ博物館
ズール・クルリヴァスタトルは、このようなトゲトゲで胴体を覆い、210㎝もの長い尾を振り回して尾の先の棍棒で敵を撃退していました。
この実物化石は日本初上陸ですが、実は所蔵館のカナダ・ロイヤルオンタリオ博物館以外で公開されるのも初めてのことなのです。
ズール・クルリヴァスタトルの頭骨の実物化石も日本初公開です。
ズール・クルリヴァスタトル 頭骨(実物化石) ロイヤルオンタリオ博物館
ズール・クルリヴァスタトルという学名のうち「ズール」という属名は、映画「ゴーストバスターズ」に登場する「門の神ズール」に顔が似ていることから名付けられたというユニークないきさつがあります。
そして、ズールと同じ地層から発見された、ズールを捕食した可能性のあるゴルゴサウルスの化石の脛の骨にはズールの棍棒の攻撃で生じた怪我の可能性の高い痕跡があるので、「クルリ」(脛)、「ヴァスタトル」(破壊者)という種小名が付けられました。
そこで今回実現したのが、全身復元骨格で再現されたズールVS.ゴルゴサウルスの大迫力の対峙シーン。
左 ズール・クルリヴァスタトル 全身骨格(複製)右 ゴルゴサウルス 全身骨格(複製) ロイヤルオンタリオ博物館
ズールの推定全長は6m、ゴルゴサウルスは9m。
ゴルゴサウルスの頭部(頭部・実物)だけでもこの迫力。ゴルゴサウルスとは「恐ろしいトカゲ」という意味ですが、こんなに大きなトカゲが近くを歩いていたら生きた心地がしません。ぼやぼやしていたら、この鋭い歯でがぶりと食べられてしまいそうです。
ゴルゴサウルス 頭骨(実物化石) ロイヤルオンタリオ博物館
映画の影響などもあって、おそらく恐竜の中で一番名前が知られているのはティラノサウルス・レックスではないでしょうか。
ティラノサウルス(「暴君トカゲ」)、レックス(ラテン語の「王」)という名にふさわしい貫禄の全身骨格2体のうち「タイソン」(下の写真左)の全身骨格は世界初公開です。
左 ティラノサウルス「タイソン」全身骨格(実物) タイソン ティラノサウルス・レックス合同会社 右 ティラノサウルス「スコッティ」全身骨格(複製) むかわ町穂別博物館© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum
「タイソン」の推定全長は11.2m、「スコッティ」は13mで推定体重は8.9tという堂々たる体格。
左 ティラノサウルス「タイソン」全身骨格(実物) タイソン ティラノサウルス・レックス合同会社 右 ティラノサウルス「スコッティ」全身骨格(複製) むかわ町穂別博物館© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum
子どもの頃、映画館の大きなスクリーンで見たゴジラシリーズの怪獣の登場シーンを思い出しました。
こんな大きな恐竜に追いかけられたら、足がすくんで、とても逃げ切れそうにありません。
3月24日(金)から、前期白亜紀(約1億4千万年前~1億年前)に生息した肉食恐竜スキピオニクスの世界で唯一の化石の展示が始まりました。
スキピオニクス(実物化石) カゼルタ・ベネヴェント地方考古学・美術・景観監督局所蔵
スキピオニクスは、1980年にイタリア南部で発見された推定全長約50㎝、現地では「チーロ」の愛称で呼ばれている“赤ちゃん恐竜”。
この個体は孵化してから3週間未満の幼体と考えられていて、なんといっても貴重なのは内臓なども奇跡的に化石になっていて、胃の中にはトカゲ類や魚類の骨まで残っていることです。
スキピオニクス腹部(実物化石) カゼルタ・ベネヴェント地方考古学・美術・景観監督局所蔵
1980年に発見されて以来、イタリア国外に持ち出されるのは今回が初めて。
特別展「恐竜博2023」は大阪市立自然史博物館に巡回しますが、スキピオニクスはレプリカ標本が展示される予定ですので、実物が見られるのは東京会場だけのチャンスです!
図録や展覧会関連グッズも充実してます!
恐ろしい恐竜もぬいぐるみになれば可愛いマスコットになります。
開幕早々から大人気で、「オリジナルぬいぐるみ ズール」「オリジナルぬいぐるみ マイプ」(各税込2,400円)は、諸事情により入荷が遅れているので、入荷までの期間、会場内特設ショップでは送料無料の予約販売を承っているとのことです。詳細は下記展覧会公式サイトでご確認ください。
※「オリジナルぬいぐるみ ズール」「オリジナルぬいぐるみ マイプ」(各税込2,400円)は入荷されたので、4月28日(金)から会場内特設ショップでの販売が開始されました。詳しくは展覧会公式サイトでご確認ください。
子どものころ学習図鑑を見て、こんな大きくて恐ろしい恐竜がのしのし歩いていた大昔の地球に紛れ込んだらどうしよう、と思ったことがありましたが、実際にそんな体験ができる展覧会「恐竜博2023」が東京・上野公園の国立科学博物館で開催されています。
展示風景
恐竜の化石が展示されている博物館は、この国立科学博物館の常設展をはじめ国内にもありますが、今回の特別展は日本初上陸、世界初公開など見どころ満載の展覧会なのです。
それではさっそく展覧会の様子をご紹介したいと思います。
見どころ1 鎧竜ズール、日本初上陸!
今回の展覧会のキャッチコピーは、今度の主役は「トゲトゲ」だ!
最初に聞いたとき、トゲトゲとは何だろう?と思いましたが、会場に来てその正体がわかりました。
それは、草食恐竜のズール・クルリヴァスタトルが、肉食恐竜や仲間同士の争いから身を守るため全身をトゲトゲの骨質で装甲したウロコのことだったのです。
ズール・クルリヴァスタトル 体骨格(実物化石)(右)、尾(実物化石)(左) ロイヤルオンタリオ博物館
ズール・クルリヴァスタトルは、このようなトゲトゲで胴体を覆い、210㎝もの長い尾を振り回して尾の先の棍棒で敵を撃退していました。
この実物化石は日本初上陸ですが、実は所蔵館のカナダ・ロイヤルオンタリオ博物館以外で公開されるのも初めてのことなのです。
ズール・クルリヴァスタトルの頭骨の実物化石も日本初公開です。
ズール・クルリヴァスタトル 頭骨(実物化石) ロイヤルオンタリオ博物館
ズール・クルリヴァスタトルという学名のうち「ズール」という属名は、映画「ゴーストバスターズ」に登場する「門の神ズール」に顔が似ていることから名付けられたというユニークないきさつがあります。
そして、ズールと同じ地層から発見された、ズールを捕食した可能性のあるゴルゴサウルスの化石の脛の骨にはズールの棍棒の攻撃で生じた怪我の可能性の高い痕跡があるので、「クルリ」(脛)、「ヴァスタトル」(破壊者)という種小名が付けられました。
そこで今回実現したのが、全身復元骨格で再現されたズールVS.ゴルゴサウルスの大迫力の対峙シーン。
左 ズール・クルリヴァスタトル 全身骨格(複製)右 ゴルゴサウルス 全身骨格(複製) ロイヤルオンタリオ博物館
ズールの推定全長は6m、ゴルゴサウルスは9m。
ゴルゴサウルスの頭部(頭部・実物)だけでもこの迫力。ゴルゴサウルスとは「恐ろしいトカゲ」という意味ですが、こんなに大きなトカゲが近くを歩いていたら生きた心地がしません。ぼやぼやしていたら、この鋭い歯でがぶりと食べられてしまいそうです。
ゴルゴサウルス 頭骨(実物化石) ロイヤルオンタリオ博物館
見どころ2 世界初公開。ティラノサウルス・レックスが目の前に迫る!
映画の影響などもあって、おそらく恐竜の中で一番名前が知られているのはティラノサウルス・レックスではないでしょうか。
ティラノサウルス(「暴君トカゲ」)、レックス(ラテン語の「王」)という名にふさわしい貫禄の全身骨格2体のうち「タイソン」(下の写真左)の全身骨格は世界初公開です。
左 ティラノサウルス「タイソン」全身骨格(実物) タイソン ティラノサウルス・レックス合同会社 右 ティラノサウルス「スコッティ」全身骨格(複製) むかわ町穂別博物館© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum
「タイソン」の推定全長は11.2m、「スコッティ」は13mで推定体重は8.9tという堂々たる体格。
左 ティラノサウルス「タイソン」全身骨格(実物) タイソン ティラノサウルス・レックス合同会社 右 ティラノサウルス「スコッティ」全身骨格(複製) むかわ町穂別博物館© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum
子どもの頃、映画館の大きなスクリーンで見たゴジラシリーズの怪獣の登場シーンを思い出しました。
こんな大きな恐竜に追いかけられたら、足がすくんで、とても逃げ切れそうにありません。
見どころ3 スキピオニクスの世界で唯一の実物化石“奇跡の赤ちゃん恐竜”が初来日!
3月24日(金)から、前期白亜紀(約1億4千万年前~1億年前)に生息した肉食恐竜スキピオニクスの世界で唯一の化石の展示が始まりました。
スキピオニクス(実物化石) カゼルタ・ベネヴェント地方考古学・美術・景観監督局所蔵
スキピオニクスは、1980年にイタリア南部で発見された推定全長約50㎝、現地では「チーロ」の愛称で呼ばれている“赤ちゃん恐竜”。
この個体は孵化してから3週間未満の幼体と考えられていて、なんといっても貴重なのは内臓なども奇跡的に化石になっていて、胃の中にはトカゲ類や魚類の骨まで残っていることです。
スキピオニクス腹部(実物化石) カゼルタ・ベネヴェント地方考古学・美術・景観監督局所蔵
1980年に発見されて以来、イタリア国外に持ち出されるのは今回が初めて。
特別展「恐竜博2023」は大阪市立自然史博物館に巡回しますが、スキピオニクスはレプリカ標本が展示される予定ですので、実物が見られるのは東京会場だけのチャンスです!
図録や展覧会関連グッズも充実してます!
恐ろしい恐竜もぬいぐるみになれば可愛いマスコットになります。
※「オリジナルぬいぐるみ ズール」「オリジナルぬいぐるみ マイプ」(各税込2,400円)は入荷されたので、4月28日(金)から会場内特設ショップでの販売が開始されました。詳しくは展覧会公式サイトでご確認ください。
展覧会開催概要
会 期 2023年3月14日(火)~6月18日(日)
※会期等は変更になる場合があります。
開館時間 9時~17時(入場は16時30分まで)
※ただし、毎週土曜日、4月30日(日)~5月7日(日)は19時まで延長
(入場は18時30分まで)
※常設展示は17時閉館(入場は16時30分まで)、4月29日(土)~5月7日
(日)は18時閉館(入場は17時30分まで)
休館日 月曜日(ただし5月1日、6月12日は開館)
入場料 一般・大学生 2,200円、小・中・高校生 600円
※本展は日時指定予約が必要です。
詳細は展覧会公式サイトをご覧ください⇒恐竜博2023
※会場内は撮影OKです。撮影の注意事項は会場内でご確認ください。
特別展「恐竜博2023」の公式図録も絶賛発売中(税込2,400円)。
「恐竜博2023」の展示内容のほか、会場では紹介しきれなかった標本の見どころやコラムなども収載した、恐竜ファン必携の一冊です。
オンライン販売もしています。
巡回展情報 2023年7月7日(金)~9月24日(日) 大阪市立自然史博物館
会 期 2023年3月14日(火)~6月18日(日)
※会期等は変更になる場合があります。
開館時間 9時~17時(入場は16時30分まで)
※ただし、毎週土曜日、4月30日(日)~5月7日(日)は19時まで延長
(入場は18時30分まで)
※常設展示は17時閉館(入場は16時30分まで)、4月29日(土)~5月7日
(日)は18時閉館(入場は17時30分まで)
休館日 月曜日(ただし5月1日、6月12日は開館)
入場料 一般・大学生 2,200円、小・中・高校生 600円
※本展は日時指定予約が必要です。
詳細は展覧会公式サイトをご覧ください⇒恐竜博2023
※会場内は撮影OKです。撮影の注意事項は会場内でご確認ください。
特別展「恐竜博2023」の公式図録も絶賛発売中(税込2,400円)。
「恐竜博2023」の展示内容のほか、会場では紹介しきれなかった標本の見どころやコラムなども収載した、恐竜ファン必携の一冊です。
オンライン販売もしています。
巡回展情報 2023年7月7日(金)~9月24日(日) 大阪市立自然史博物館