大泉洋とPerfumeあ~ちゃんのチグハグなやりとり含めて、日本向けに改良された『ザ・マスクド・シンガー シーズン2』がシーズン1よりかなり面白くなった理由

2022/8/19 15:30 龍女 龍女

まず、日本版特有の楽しみ方としてはタイトルにも挙げたように、パネリストとしてのPerfumeのあ~ちゃんと、MCの大泉洋のやりとりが面白すぎる。
一組のパフォーマンスが終わったら、パネリストはマスクの正体の予想を答えなければならない。
あ~ちゃんだけは答えない場合が多い。
詳しく観てみると無回答という意味では無く、この場合は
「ああ答えが出そう」と言ったニュアンスだ。


(『ザ・マスクド・シンガー』のレギュラーパネリストPerfume。
左からのっち(大本彩乃)・あ~ちゃん(西脇綾香)・かしゆか(樫野有香) イラストby龍女)

6人のパネリストの個性が違う事でもこの番組の楽しみ方の提示として、強制を感じないので面白い。
レギュラーのパネリストのギタリストで俳優のMIYAVI(1981年9月14日生れ)はOPテーマを提供した。
もう一組のレギュラーのパネリストのPerfumeはEDテーマを担当している。

シーズン1ではもう一人のレギュラーだった水原希子は抜け、代わりにシーズン1で出たパフォーマー達(水野美紀・小林幸子・土屋アンナ)がパネリストに順番に登場する。
もう一つの枠が芸人で何人か入れ替わりで登場したが、シーズン1と2を通してもっと多いのがアンジャッシュの児嶋一哉である。

大きな変化としてシーズン2になって、なくなったものがある。
決め台詞の
「Take it off!」(直訳すると「それを脱げ」)
である。
『クイズ$ミリオネア』の時の「ファイナルアンサー?」のようにお馴染みのフレーズにする事に失敗してしまった。


一方で、ファイナリストになって成功をしたので、出場者のパフォーマンスの演出の方向性に型に似たものが現れてきた。
筆者は二つの傾向を発見した。

一つ目はローズこと水野美紀のケースの踏襲である。
連続ドラマ仕立ての演出で、先が見たくなって観客はスマホで投票してしまう。
これ自体がマスクド・シンガーのヒントにもなっている。
水野美紀は俳優で脚本家で舞台演出家である事に繋がっている。
今回の場合も、俳優としてのイメージが大きいパフォーマーがドラマ仕立ての演出を選択した。
シーズン2の出場者の一人、ヒーローがこの見せ方を選択している。
脱落してしまったが、ダイバーが同じ方向の演出でパフォーマンスしていた。
俳優として知られているためである。

二つ目の傾向が、シーズン1で優勝したのは、前ページでイラストにしたバードこと土屋アンナである。
日本のスーパーモデルの一人である
彼女はロック系を中心にR&Bと歌謡曲を織り交ぜて、1980年代~2000年代の選曲で戦った。
この時、ヒントとして多面性を強調していた。
アンブレラは傾向的にバードと同じ演出を選択したパフォーマーに見える。
七色の声を持っていると紹介されて登場しているが、声の方ではなく仕事の方向性が七色に見える。
木村カエラのようにモデルから歌手になった人物がいるように、モデルはアスリート並にストイックに体を鍛えている人が多い。
歌がうまい人は自分なりの歌唱法を維持するために体を鍛える職業なので、モデルとの親和性も高い。

またすでに脱落して正体が明かされたが、視聴者である筆者もパネラーの出演者6人とも最後まで分からなかったパフォーマーもいた。
ヒントの出し方にひねりが利きすぎている。
二回戦で、何と野性爆弾のくっきー!(1976年3月12日生れ)が「マスクド・アーティスト」としてヒントを出す画家として登場している。
唯一無二で独特の肖像画を描く画家としても優れている。
筆者はなまじ絵が描けるだけに、彼しか描けない絵に圧倒されっぱなしである。

一方で、エピソード7時点で生き残ったヒーローとアンブレラの正体は何となく見当がついた。
ヒーローは仮面ライダーにもウルトラマンシリーズにも出ていて俳優としては筆者と同世代の今年大河でも大活躍中のあの人だ。
すでに似顔絵を描いている。
アンブレラは近い内に似顔絵を描きたい。本職はモデルだが通販も歌も上手いバラエティーの裏女王だろう。

間違いなく、シーズン1より面白くなったので、シーズン2はまだ終わっていないが、すでにシーズン3も楽しみになってきた。
筆者が好きな芸能を存分に味わえる。
究極の芸能であるミュージカルの醍醐味をTV番組の形で進化してみられる強力な枠組みを持っている。


※最新記事の公開は筆者のFacebookTwitterにてお知らせします。
(「いいね!」か「フォロー」いただくと通知が届きます)
  1. 1
  2. 2
  3. 3