大泉洋とPerfumeあ~ちゃんのチグハグなやりとり含めて、日本向けに改良された『ザ・マスクド・シンガー シーズン2』がシーズン1よりかなり面白くなった理由

2022/8/19 15:30 龍女 龍女

『ザ・マスクド・シンガー』と恋愛バラエティの違い
この違いは、司会とゲストと出場者の立ち位置にあると気がついた。
恋愛バラエティでは、出場者は司会とゲストとは直接会わない。
司会とゲストは別室のモニターで覗いてあーだこうだ言う。
出場者の行動にいちゃもんつけて弄んでいるような感じやSNSで出演者に誹謗中傷しているような構造自体に問題を感じて仕方が無い。
視聴者に対してこれは全て本物の感情であるという錯覚を起こさせるところが実に罪深い。
放送時間は決まっているから、編集が行われて、事実を違って見せ方を行っている事も往々にしてある。
恋愛バラエティ以外でも、視聴者の代弁者である司会とゲストが外側からのぞきこんで限定された空間で出場者を精神的に追い詰める番組は余り好きではない。

『ザ・マスクド・シンガー』と同じアマゾン・プライム・オリジナル配信番組の『ベイクオフ・ジャパン』も大好きだ。
出場者はアマチュアだがお菓子作りの一番を目指して勝ち抜く。
リアリティ・ショー形式を採用した料理番組である。
お菓子にまつわる地域の野外会場に特設キッチンを組んで、戦う。
限定された空間という意味では同じである。
しかし、出場者と同じ現場に司会と審査員がいる。
プロの菓子職人である審査員が、結果を伝える時の葛藤がみえて来る。
何より筆者は調理師免許を持っているので、どの出場者が勝てそうな技量やメンタルを持っているか分析しながら予想するのが楽しい。
しかし、菓子の専門家ではないので、知らない菓子の紹介と作り方が分かるので余計ハマる。

『ザ・マスクド・シンガー』は他のカラオケバトルと違い、踊りやストーリー仕立てになっている。
音楽バラエティとしての見せ方として、最高のステージだと言って良い。
何より、ステージに立ってパフォーマンスするまでに入念な訓練が施されている。
素のままの本物ではなく、作り上げたものの素晴らしさに振り切った上で、人気のリアリティ・ショー形式を組み入れているので、かえって信用できるのだ。


(『ザ・マスクド・シンガー シーズン1』より。バードと大泉洋 イラストby龍女)

それでは『ザ・マスクド・シンガー』がシーズン2になってどういう変化があったか?
具体的に観ていこう。

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