ジャニーズファンは必見!?巨匠・スティーヴン・スピルバーグ監督がリメイクした『ウエスト・サイド・ストーリー』を観るべき理由とは?

2022/2/17 22:00 龍女 龍女

今回のコラムのテーマは、人物ではない。
ミュージカル作品だ。
1957年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルの金字塔。
60年ぶり、2度目の映画化となる『ウエスト・サイド・ストーリー』(2月11日公開)である。

アーサー・ローレンツ(1917~2011)が初演の脚本を書いた。
ウィリアム・シェイクスピアの恋愛悲劇『ロミオとジュリエット』(初演1595年頃)を元に、イタリアのヴェローナから1950年代後半のニューヨークのスラム街だったウエスト・サイドに舞台を移した。
キャピレット家とモンタギュー家の対立を、人種の異なるギャングの対立に置き換えた。
ポーランド移民の若者で構成されるジェッツ。
アメリカの自治領のプエルト・リコの移民の若者で構成されるシャークス。
モンタギュー家のロミオにあたるのが、ジェッツのトニー(アントンの愛称)。
キャピレット家のジュリエットにあたるのが、シャークスのリーダー・ベルナルドの妹マリアである。

1度目の映画化は、アメリカで1961年10月18日に公開。
日本では2ヶ月後の12月23日に公開された。
映画監督のロバート・ワイズ(1914~ 2005)が、初演の演出と振付を担当したジェローム・ロビンズ(1918~1998)と共同監督した作品である。
第34回アカデミー賞で11部門候補になり、10部門受賞した。

作曲はレナード・バーンスタイン(1918~1990)。
生前は指揮者・ピアニストとしての方が有名だった。
筆者が10代の頃はまだ存命だったので、指揮者のイメージが残っている。
クラシックに詳しくない筆者でも、オーストリアの指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)と並ぶ存在として知っていた。


(晩年のレナード・バーンスタイン イラストby龍女)

作詞はスティーヴン・ソンドハイム(1930~2021)。
初演当時は20代後半の駆け出しのミュージカル作家で、作詞担当にとどまったが、作曲もできる。

アメリカでリメイク版『ウエスト・サイド・ストーリー』が公開されたのは2021年の12月10日だった。
スティーヴン・ソンドハイムは11月26日に公開を待たずに亡くなった。
初演のスタッフで生き残っていた数少ない一人であった。
事前に観賞していたそうだ。


(晩年のスティーヴン・ソンドハイム イラストby龍女)

2度目の映画化に挑んだ映画監督は、スティーヴン・スピルバーグ(1946年12月18日生れ)である。
特に80年代からハリウッド映画を観まくった人にとってはヒットメイカー。
1993年に『シンドラーのリスト』でアカデミーの作品賞と監督賞を受賞して以降、巨匠へとその地位を上げてきた。

スティーヴン・スピルバーグも長年このミュージカルに親しんできた。
特に父親アーノルド・スピルバーグ(1917~2020)が好きで、待望の企画である。
エンドロールで「For Dad」と献呈している。
名作であるが故に、影響力は多大だ。
それだけで他のコラムも書けるくらいだ。


(『ウエスト・サイド・ストーリー』のLAでのプレミア上映イベントでの写真から引用 イラストby龍女)


現在公開中のこのミュージカル映画を一番観て欲しいのは、特に日本ではジャニーズファンである。
ジャニヲタなら知っている人もいるだろう。
日本の芸能史にとって重要な出来事でもあるので、詳しく紹介していこう。

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