あえて雪の日に建築さんぽ。京都のレトロ建築と冬景色

2022/1/22 18:10明菜明菜

3日に1回くらい雪が降ってます、京都。



引っ越してきたばかりなので、こんなもんかと思ってましたが、地元の人いわく「今年はよく降る」のだそうで。ってことは、今年を逃したら雪景色を見られるチャンスが激減しちゃうかも……?

というわけで、あえて雪の日に京都のレトロ建築を見に行くことに。いざ、烏丸御池駅の近く、三条通は知る人ぞ知る近代建築の聖地へ。

これが大正解で、洋風な近代建築が妖精の粉にまみれたみたいになって、メルヘンみに磨きがかかっておりました。

■みずほ銀行 京都中央支店



京都駅から地下鉄烏丸線に乗り、烏丸御池駅で下車。5番出口から地上に出ると、斜め右に赤レンガの洋風建築が!



淡い緑の屋根が雪を被り、ヨーロッパのおとぎ話に出てきそうなロマンチックな雰囲気に。日本じゃないみたいだなー。地方の貴族が住んでいるお屋敷みたい。



現在、みずほ銀行京都中央支店として使われているこの建物は、2003年に復元されたもの。もともとは辰野葛西建築事務所の辰野金吾葛西萬司が設計した、1906年(明治39年)の建築ですが、1999年に解体され、21世紀に復元されました。



辰野金吾は東京駅の駅舎日本銀行などで有名ですよね。みずほ銀行の建築も、どことなく東京駅に似ていませんか?


東京駅

赤レンガに白いボーダーが入っているのは、19世紀後半からイギリスで流行したスタイルです。辰野がこのスタイルを多用したため、国内では「辰野式」と呼ばれています。

■中京郵便局



三条通を東へ進むと、中京郵便局が見えてきます。日本じゃないみたいだし、令和でもないみたい……。白い雪が降ると、レンガの赤と窓枠の水色がより鮮やかに見えます。

これも辰野金吾……かと思わせて、設計したのは吉井茂則三橋四郎。1902年(明治35年)の竣工から現在まで、100年以上も郵便局として使われてきた現役の建物です。



辰野は赤と白を組み合わせ、華やかで目立つ外観を作りましたが、こちらはそれほど華美でなく上品な味わい。全体的には控えめでも、窓枠の水色や細部の装飾が隠し味となり、格調高い印象です。



電線が邪魔かと思ったのですが、これはこれで良い気がする。細い電線にも雪が積もり、電線も込みで冬にしか味わえない風景になっています。

■旧日本銀行京都支店(京都文化博物館別館)



そのまま三条通を東へ東へ。次なる辰野式の建築は、京都文化博物館の別館です。もともとは日本銀行京都支店として使われていました。

辰野金吾とその弟子・長野宇平治が設計した明治を代表する洋風建築で、国の重要文化財に指定されています。



降りしきる雪が天使の羽に見えて、美しい建物が祝福されているようでした。

しかし寒さが限界に達したのか、手が腫れたように痛くなってきたので、お散歩はギブアップ。文博の中を見学することに(別館は入場無料)。



日銀時代、営業室として使われていたホール。現在は講演会や演奏会で使っているそうです。私が訪れたときは、次回の展示の準備をしていたみたい。



細かな飾りがいちいち麗しく、飽きない内装ですね。カウンターの大理石は岐阜県大垣市でとれたもので、化石が多く埋まっているのだそうです。



少しの隙もなくヨーロッパ風の装飾が凝らされており、ここが職場になるなら羨ましい限り。茶色いスーツを着てパイプをふかしながらお札を数える銀行員の幻覚が見えました。(外出時にはハットを被る)



ホールを見学したら、館内にある『前田珈琲』で休憩。文博店限定のモーニングをいただきました。1日限定20食。たまご、ベーコン、トマト、レタスと中身がたっぷりのサンドイッチなので、お皿にボトボト落としながら食べました。でもそれが幸せ。

■雪の日の建築探訪も良いね

三条通は東海道につながる交通の要所で、明治時代には郵便の施設や新聞社、銀行などの建物が続々と作られました。その名残で、三条通にはレトロ建築が密集しています。京都の建物といえばお寺や神社、古い民家のイメージですが、近代の洋風建築もたくさんあるんですね。

寒さと転倒とカメラの水没にさえ気をつければ、雪の時期は建築めぐりのベストシーズンかもしれません。見慣れた建物が、雪化粧して違う表情を見せてくれました。