マツコ・デラックスに「クイーン・オブ・地に足」と命名された、阿佐ヶ谷姉妹の「のほほん生活」とは?

2021/12/15 22:00 龍女 龍女

ドラマ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』は阿佐ヶ谷姉妹をよく知るスタッフで固められている。
脚本はシティーボーイズの公演の脚本も手がける、ふじきみつ彦。
ナレーターは、シティーボーイズのきたろう(1948年8月25日生れ)である。


(阿佐ヶ谷姉妹を演じる、安藤玉恵と木村多江の素顔 イラストby龍女)


(阿佐ヶ谷姉妹の扮装をした、安藤玉恵と木村多江 イラストby龍女)

「姉」の渡辺江里子役は木村多江(1971年3月16日生れ)。
「妹」の木村美穂役は安藤玉恵(1976年8月8日生れ)である。
木村多江は初主演映画『ぐるりのこと。』(2008年)で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞している。
安藤玉恵は、『ぐるりのこと。』に出演していて、義理の姉の役であった。

過去に共演経験もあってか、何となく息は合っているようにみえる。
木村多江は渡辺江里子の早口や、安藤玉恵は木村美穂のマイペースで食いしん坊なところを再現している。

脇を固めるのは、二人が住むアパートの大家が研ナオコ。
行きつけの中華料理店の主人が宇崎竜童。
おかみさんは、いしのようこ。
木村美穂の母が中田喜子。
渡辺江里子の母が松金よね子。
芸達者な人たちで固められている。

筆者は個人的には、研ナオコがアパートの一階で縁側に座っていたときに『カックラキン大放送!!』のコント、『ナオコお婆ちゃんの縁側日記』を思い出して、懐かしんでいた。

ドラマ本編の方は、渡辺江里子が住む阿佐ヶ谷のアパートに木村美穂が入り浸っているところから始まる。
おそらく、ドラマの最終回はお笑いコンクールに優勝して、今の生活になるまでを描いていると思う。

タモリ倶楽部でも1回分のネタになった、阿佐ヶ谷のイトーヨーカドーと西友が登場して、ドラマ自体もかなりディテールにこだわっている。
『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』第22回優勝のきっかけになったネタも、阿佐ヶ谷周辺に暮らしている人の人間観察から生れたことがよく分かる。

現在の阿佐ヶ谷姉妹は、芸人の仕事だけで食べていけるほどの売れっ子になった。
他の芸人なら、売れたら高級マンションに引っ越したり、一軒家を建てたりするケースが多い。
しかし、二人とも、阿佐ヶ谷を離れず、なんとこれまでのアパートに住んで、二人暮らしではなくお隣同士になっただけである。
二人とも独身と言うこともあるが、必ずしも売れたから豪邸に住みたいという願望を持っているとは限らない。
幸せの形とは何か?
それは人それぞれである。
筆者は両親と同居生活をしているが、一戸建てに住んでいるので、これ以上多くは望んでいない。

自分がやりたい仕事をして、自分が気持ちの良い生活を送っていれば、それで幸せではないか?
阿佐ヶ谷姉妹は、11月6日に放送された日本テレビの『マツコ会議』に出演した時、司会のマツコ・デラックス(1972年10月26日生れ)から、「クイーン・オブ・地に足」と命名されるに至った。

そんな阿佐ヶ谷姉妹の地に足の着いた生活を観ていると、ひたすら共感せずにはいられないのである。


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