マツコ・デラックスに「クイーン・オブ・地に足」と命名された、阿佐ヶ谷姉妹の「のほほん生活」とは?

2021/12/15 22:00 龍女 龍女




(劇団東京乾電池の主宰、柄本明 イラストby龍女)

渡辺江里子と木村美穂は、劇団東京乾電池の養成所である、東京乾電池研究所で出逢った。
東京乾電池は、下北沢を拠点とする小劇団で、主宰は柄本明である。
ちなみに、俳優・柄本佑、柄本時生の父である。

渡辺江里子と木村美穂は元々は俳優志望であった。
しかし、養成所から劇団へは卒業公演の選考で残れなかった。
二人ともバイト生活に入る。

2007年に阿佐ヶ谷の鰻屋を二人で訪れたとき、顔が似ているので主人から
「阿佐ヶ谷姉妹」
と命名されたのをきっかけになった。
江里子がブログに「阿佐ヶ谷姉妹にご要望ありましたら」と書いたところお笑いライブからのオファーが舞い込み、同年10月22日にコンビとしてデビューした(Wikipediaより)。

渡辺江里子は明治大学文学部卒業で中高の国語教師の資格があり、木村美穂は洗足学園短期大学音楽科卒業である。
二人は当初は、歌唱力と姉妹にみえる風貌を生かして、由紀さおり・安田祥子姉妹のモノマネが主なネタであった。
2008年の『とんねるずのみなさんのおかげでした』の番組内のコーナー『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』の第13回で準優勝した。

阿佐ヶ谷という場所は、中央線沿線で、隣は高円寺というサブカルチャーの拠点のような場所があるが、ここも負けず劣らず、小さな劇場が並んでいる。
爆笑問題が所属する事務所タイタンがある事でも知られており、筆者はタイタン主宰の若手芸人のライブ『TITAN LIVE Rhea』で阿佐ヶ谷姉妹のネタを小さな劇場のザムザ阿佐ヶ谷で観た。
2015年頃の話である。
今より歌モノ中心のネタであったが、徐々におばさんが必死に歌っている自虐的な感じが面白い方向に固まりつつある時期だったように思える。

阿佐ヶ谷姉妹の所属事務所は、人力舎からシティーボーイズが独立して設立した株式会社アッシュ・アンド・ディ・コーポレーション(ASH&Dコーポレーション)である。
創業者が好きな映画『灰とダイヤモンド』(1958年・ポーランド)から事務所名をとった。
シティボーイズは大竹まこと・斉木しげる・きたろうからなる3人組のコントグループである。
阿佐ヶ谷姉妹のマネージャーは、大竹まことの息子の凉太である。

阿佐ヶ谷姉妹は、2016年の第22回の『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』で優勝。
2018年の第2回の『THE W』では、コントで勝負して、優勝。
大きなお笑いコンクールに優勝したからと言って、必ずしもブレイクするとは限らないほど厳しい世の中であるが、遅咲きの彼女たちらしく、徐々に売れている。

特にコロナ禍になってから、売れる芸風が変わってきたように思える。
癒やし系の地味なギャグを連発する飯尾和樹、ツッコミがそれまで否定ではない肯定ツッコミのペコパ、そして、阿佐ヶ谷姉妹である。

今回ドラマ化された『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』では阿佐ヶ谷姉妹のネタが生れた理由なども描かれている。
さて、どういうドラマなのか?
ちょっとだけ紹介しよう。

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