春はお引越しのシーズン! 関西「住むなら、ここはどう?」

2019/4/1 14:00 吉村智樹 吉村智樹




いらっしゃいませ。
旅するライター、吉村智樹です。


おおよそ週イチ連載「特ダネさがし旅」
特ダネを探し求め、私が全国をめぐります。





■春はお引越しのシーズン! 関西「住むなら、ここはどう?」


春はお引越しのシーズン!


進学、就職、転勤などなど、新たに「関西に住む」「関西で暮らす」ことになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そこで超極私的に、関西「住むなら、ここどう?」とお勧めする場所をご紹介します。


■東西南北に楽しい街がある「大国町」





単身の方におすすめなのが、大阪の「大国町」


「だ、大国町? あそこ、なんか、あったっけ?」と思われる方も多いかもしれません。


かつては「靴問屋の街」として知られ、地味でシブみのある、プロ仕様なエリアというイメージがありました。
そして、現在も特別ななにかがあるわけでもないのです。


変化したのは、大国町の近隣の街です


大国町の北に位置する「なんば」は、絶大なるインバウンド効果から、いま関西でもっとも賑わう街となりました。
「Zeppなんば」のように大バコのライブハウスもあり、音楽ファンにとってもたまらないスポットです。


東へと向かうと、飲食店がズラリ。
2010年に、プロの聖域だった大阪木津卸売市場がリニューアルし、一般向けに開放。
早朝から深夜まで、いつでも新鮮な食材を使ったおいしいものに舌鼓が打てます。


食べるだけではなく、都市型の健康ランドもできましたね。
木津市場周辺は、いまやグルメ&リラクゼーションタウンというムードがあります。


南へくだると、こちらも近年なにわのテーマパーク化して観光客がひきをきらない「新世界」が。
さらに西を見れば、星野リゾートの進出で今後すっかり様変わりするであろう新今宮を擁する西成区。


「大国町」は、これら大きくコンバートする数々のスポットへ、すべてを徒歩で訪れることが可能という奇跡のようなポジション。
ライブを観たり、深夜まで飲んだり、温泉につかったり、それらを歩いて楽しめて、終電も気にしなくていいなんて最高じゃないですか。
気分は大黒様ですよ。


交通という点においても、Osaka Metro御堂筋線と四つ橋線の2路線が乗り入れており、通学や出勤などもとても便利。


■いま“逆に”昭和レトロを感じるのなら「千里中央」





ファミリー向けにおすすめしたいのが、大阪の「千里中央」
通称「センチュー!」(パンサー尾形のテンションで)。


実は千里中央、近年あまりいい話を聞きませんでした。
1972年にオープンした古株のショッピングモールで、かつては松田聖子や光GENJIも屋外ショーを行った「千里セルシー」が、昨年6月の大阪北部地震の影響で休館を余儀なくされました(現在は多くの店舗が再開)。


加えて、北大阪急行が2020年におよそ2.5㎞延伸し、「箕面萱野」駅と「箕面船場阪大前」駅のふたつの駅が誕生する予定です。
つまり千里中央は、始発/終点駅という優位性を箕面市に奪われてしまうわけです。


利点が減っていくばかりのようですが、70年代に開業した「せんちゅうパル」をはじめ、昭和のドリーミーな高度成長期をいまなお感じさせてくれる稀有な街
お子さんに「昭和・平成・令和」の3つの時代を見せてあげられる最高のサンプルだと思います。


緑豊かな箕面まで電車が伸びるとあれば、お休みの日の行楽もいっそう楽しくなりますしね。
なにより梅田まで20分、新大阪まで15分という利便性のよさは捨てがたい。


■大阪へ出かけるのなら、あえて奈良の「生駒」





関西への引っ越し場所を決めるとき、「奈良を筆頭に選ぶ」という考え方が、今後もっとポピュラーになるのではとにらんでいます。
なかでもおすすめなのが、「生駒」です。


昨年、生駒ケーブル(近鉄生駒鋼索線)開業100周年を迎え、報道される量が飛躍的に膨らんだ奈良の「生駒」。
生駒山上遊園地がある、のどかなエリアという印象があります。
そして、もちろん、イメージ通りにやさしい雰囲気に包まれた街なのです。


ではいったいなぜいま、生駒なのか
それは、大阪万博会場と隣接地の統合型リゾート施設「IR」の誘致活動が行われ、それにともないOsaka Metro中央線は夢洲駅まで延伸する予定があるから。


Osaka Metro中央線と近鉄けいはんな線とは連結しており(通称:ゆめはんな)、要衝駅である「生駒」駅と大阪との往来はこれまで以上に盛んになるでしょう。


JRおおさか東線が全面開通して奈良と新大阪が直結しましたし、生駒のみならず、奈良は“居住地”として今後さらにクローズアップされるでしょうね。


今回このように、3か所のおすすめ「お引越しスポット」をご紹介しました。


関西は今、鉄道の延伸や新駅増設の計画が目白押しで、トレンドの地図が塗り替わろうとしています。


そういう点も考慮に入れると、住む場所を選択する幅が一層拡がるのではないでしょうか。


イラスト:せろりあん




TEXT/吉村智樹
https://twitter.com/tomokiy


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