【あの著名人が住んでいた!】海が見える邸園に行ってみた。
こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。
今回は東京近郊からふらりと行かれる、海が見える著名人の邸園をご案内したいと思います。
初めに紹介するのは、日本の初代内閣総理大臣で、大日本帝国憲法起草の中心人物、伊藤博文(1841-1909)の金沢別邸。
武州金沢は、江戸時代から風光明媚な景勝地として知られていました。
京浜急行・金沢八景駅では歌川広重の浮世絵「金沢八景」がお出迎え(これはレプリカで、原本は神奈川県立金沢文庫所蔵)。
金沢八景駅からはシーサイドラインに乗って1駅目の野島公園駅で下車して徒歩5分。
東京湾を臨む野島公園内にたたずむ茅葺寄棟屋根の建物が旧伊藤博文金沢別邸です。
庭園内に植えられているのは明治期の松。年季が入ってさすがに堂々とした風格を感じます。
庭園から見る東京湾。明治時代はもちろんありませんでしたが、遠くに見えるのは八景島シーパラダイス。
伊藤博文さんも今この別邸の泊まったら、夜景や花火が楽しめたことでしょう。
伊藤博文は、大磯にも別荘を持っていました(旧滄浪閣)。
旧滄浪閣は、明治記念大磯邸園として整備されているエリアにありますが、現在は未公開。
それでも今年(2021年)4月から旧大隈重信別邸、陸奥宗光別邸跡エリアは公開されているので、ぜひこちらも訪れてみてください。
今は大隈邸ほかの建物内には入れませんが、以前、建物内が開放されていた時の様子は、いまトピのコラムで紹介しています。
【ただいま公開中】あの巨匠になった気分で明治の邸園を楽しもう!
続いてご紹介するのが、明治から昭和にかけて活躍した近代日本画の大家、川合玉堂(1873-1957)の別邸があった「川合玉堂別邸(二松庵)庭園」。
最寄駅は京急富岡駅。
京浜急行・品川駅から快特に乗り、上大岡で普通に乗り換えて3駅目。乗換時間を入れても品川駅から40分弱で京急富岡駅に着きます。
この富岡の地は、かつては海も近く、明治から昭和にかけて多くの政治家や文化人が別荘を構えました。
京急富岡駅東口を出て海側の小高い丘に向かって歩いていくと、茅葺き屋根の門が見えてきます。
門をくぐり、緑いっぱいの小路を歩いきます。
視界が開けたところには、数寄屋建築の主屋がありましたが、今は建物の礎石のみが残されています。
主屋は平成25年(2013年)に火事で焼失してしまったのです。わずか8年前まで建物が残っていたのかと思うと、残念でなりません。
「以前は定期的に部屋の掃除をしていたのですよ。」と寂し気にお話しされていたボランティアの方の言葉が印象的でした。
私が行ったのは今年(2021年)5月1日(月)でしたが、ちょうどこの日は開園15周年ということで「川合玉堂名画展」が開催されていて、玉堂作品のレプリカが展示されていました。庭園とあわせて、自然や、そこに暮らす人たちをこよなく愛した玉堂らしい、懐かしさを感じさせてくれる風景画を楽しむことができました。
ちなみにこの「二松庵」ですが、四阿跡に二本の松があったことから名付けられたとこのとです。
四阿跡から海の方を臨んだ景色です。
埋立てによって、今では海ははるか彼方に行ってしまいましたが、玉堂が居を構えた当時はすぐ下に海が見えたので、招いた客に「庭師が大きな池を作ってしまった。」と冗談を言ったそうです。
帰り際に「紅葉の時にまた来てください。とてもきれいですよ。」とボランティアの方に声をかけていただきました。紅葉の時期にあたる12月は第1土曜日だけでなく第2土曜日も開館するので、ぜひ来てみたいです。
建物は残っていませんが、庭園内では四季折々の花を楽しむことができる旧川合玉堂別邸(二松庵)庭園。玉堂が見て、写生して、作品の中に描いた庭の景色を楽しむことができる庭園にみなさんもぜひお越しください。
川合玉堂《紅白梅》(玉堂美術館蔵 大正8年の作)に描かれた白梅が植えられていたといわれる場所には、作品に描かれたものと同じく、龍のようにうねった白梅が新たに植えられています。
京急富岡駅と金沢八景駅は普通でわずか6分。旧川合玉堂別邸(二松庵)庭園の開園日なら、旧伊藤博文金沢別邸とあわせて行くこともできます。
そして、金沢まで来られたらぜひ訪れていただきたいのが、極楽浄土をあらわした称名寺庭園。
称名寺に隣接している神奈川県立金沢文庫では、鎌倉時代からの古文書や絵画、彫刻などを中心とした企画展が展示されていますので、ぜひこちらもお立ち寄りください。
公式サイト⇒中世歴史博物館 神奈川県立 金沢文庫
今回は東京近郊からふらりと行かれる、海が見える著名人の邸園をご案内したいと思います。
初めに紹介するのは、日本の初代内閣総理大臣で、大日本帝国憲法起草の中心人物、伊藤博文(1841-1909)の金沢別邸。
武州金沢は、江戸時代から風光明媚な景勝地として知られていました。
京浜急行・金沢八景駅では歌川広重の浮世絵「金沢八景」がお出迎え(これはレプリカで、原本は神奈川県立金沢文庫所蔵)。
金沢八景駅からはシーサイドラインに乗って1駅目の野島公園駅で下車して徒歩5分。
東京湾を臨む野島公園内にたたずむ茅葺寄棟屋根の建物が旧伊藤博文金沢別邸です。
旧伊藤博文金沢別邸 利用案内
所在地 横浜市金沢区野島町24 野島公園内
開館時間 9:30~16:30(牡丹園は9:00~17:00)
※4・5月は17:30まで(牡丹園は9:00~18:00)
※12・1月は15:30まで(牡丹園は9:00~16:00)
休館日 第1・3月曜日(休日の場合は、翌日)
※4・5月は無休
※12・1月は毎週月曜日(休日の場合は、翌日)
※年末年始(12月29日~1月3日)
入館料 無料
公式サイト⇒野島公園/旧伊藤博文金沢別邸
平成20(2008)年から翌年まで解体工事を行い、現存しない部分も含め創建時の姿に復元されました。邸宅内は、客間や廊下、調理場や風呂、便所も再現されています。
室内には、髷を結って刀を差した若いころの写真や、明治憲法草案(複製)はじめ、伊藤博文ゆかりの資料が展示されていて、幕末から明治の激動期の様子をうかがうことができます。
(※邸宅内は個人として楽しむ場合に限り撮影OKです。)
所在地 横浜市金沢区野島町24 野島公園内
開館時間 9:30~16:30(牡丹園は9:00~17:00)
※4・5月は17:30まで(牡丹園は9:00~18:00)
※12・1月は15:30まで(牡丹園は9:00~16:00)
休館日 第1・3月曜日(休日の場合は、翌日)
※4・5月は無休
※12・1月は毎週月曜日(休日の場合は、翌日)
※年末年始(12月29日~1月3日)
入館料 無料
公式サイト⇒野島公園/旧伊藤博文金沢別邸
平成20(2008)年から翌年まで解体工事を行い、現存しない部分も含め創建時の姿に復元されました。邸宅内は、客間や廊下、調理場や風呂、便所も再現されています。
室内には、髷を結って刀を差した若いころの写真や、明治憲法草案(複製)はじめ、伊藤博文ゆかりの資料が展示されていて、幕末から明治の激動期の様子をうかがうことができます。
(※邸宅内は個人として楽しむ場合に限り撮影OKです。)
庭園内に植えられているのは明治期の松。年季が入ってさすがに堂々とした風格を感じます。
庭園から見る東京湾。明治時代はもちろんありませんでしたが、遠くに見えるのは八景島シーパラダイス。
伊藤博文さんも今この別邸の泊まったら、夜景や花火が楽しめたことでしょう。
伊藤博文は、大磯にも別荘を持っていました(旧滄浪閣)。
旧滄浪閣は、明治記念大磯邸園として整備されているエリアにありますが、現在は未公開。
それでも今年(2021年)4月から旧大隈重信別邸、陸奥宗光別邸跡エリアは公開されているので、ぜひこちらも訪れてみてください。
今は大隈邸ほかの建物内には入れませんが、以前、建物内が開放されていた時の様子は、いまトピのコラムで紹介しています。
【ただいま公開中】あの巨匠になった気分で明治の邸園を楽しもう!
続いてご紹介するのが、明治から昭和にかけて活躍した近代日本画の大家、川合玉堂(1873-1957)の別邸があった「川合玉堂別邸(二松庵)庭園」。
最寄駅は京急富岡駅。
京浜急行・品川駅から快特に乗り、上大岡で普通に乗り換えて3駅目。乗換時間を入れても品川駅から40分弱で京急富岡駅に着きます。
この富岡の地は、かつては海も近く、明治から昭和にかけて多くの政治家や文化人が別荘を構えました。
京急富岡駅東口を出て海側の小高い丘に向かって歩いていくと、茅葺き屋根の門が見えてきます。
川合玉堂別邸(二松庵)庭園 利用案内
所在地 横浜市金沢区富岡東5-19-22
開園日 毎月1回(第1土曜日)
※12月は第2土曜日も開園します。
※1月の第1土曜日が1日から4日にあたる場合は、翌週(第2土曜日)に開園します。
開館時間 午前10時~午後3時まで(4月から9月までは午後4時まで)
※最終入園時間は開館時間終了の30分前まで)
入園無料です。
公式サイト⇒旧川合玉堂別邸(二松庵)庭園
所在地 横浜市金沢区富岡東5-19-22
開園日 毎月1回(第1土曜日)
※12月は第2土曜日も開園します。
※1月の第1土曜日が1日から4日にあたる場合は、翌週(第2土曜日)に開園します。
開館時間 午前10時~午後3時まで(4月から9月までは午後4時まで)
※最終入園時間は開館時間終了の30分前まで)
入園無料です。
公式サイト⇒旧川合玉堂別邸(二松庵)庭園
門をくぐり、緑いっぱいの小路を歩いきます。
視界が開けたところには、数寄屋建築の主屋がありましたが、今は建物の礎石のみが残されています。
主屋は平成25年(2013年)に火事で焼失してしまったのです。わずか8年前まで建物が残っていたのかと思うと、残念でなりません。
「以前は定期的に部屋の掃除をしていたのですよ。」と寂し気にお話しされていたボランティアの方の言葉が印象的でした。
私が行ったのは今年(2021年)5月1日(月)でしたが、ちょうどこの日は開園15周年ということで「川合玉堂名画展」が開催されていて、玉堂作品のレプリカが展示されていました。庭園とあわせて、自然や、そこに暮らす人たちをこよなく愛した玉堂らしい、懐かしさを感じさせてくれる風景画を楽しむことができました。
ちなみにこの「二松庵」ですが、四阿跡に二本の松があったことから名付けられたとこのとです。
四阿跡から海の方を臨んだ景色です。
埋立てによって、今では海ははるか彼方に行ってしまいましたが、玉堂が居を構えた当時はすぐ下に海が見えたので、招いた客に「庭師が大きな池を作ってしまった。」と冗談を言ったそうです。
帰り際に「紅葉の時にまた来てください。とてもきれいですよ。」とボランティアの方に声をかけていただきました。紅葉の時期にあたる12月は第1土曜日だけでなく第2土曜日も開館するので、ぜひ来てみたいです。
建物は残っていませんが、庭園内では四季折々の花を楽しむことができる旧川合玉堂別邸(二松庵)庭園。玉堂が見て、写生して、作品の中に描いた庭の景色を楽しむことができる庭園にみなさんもぜひお越しください。
川合玉堂《紅白梅》(玉堂美術館蔵 大正8年の作)に描かれた白梅が植えられていたといわれる場所には、作品に描かれたものと同じく、龍のようにうねった白梅が新たに植えられています。
京急富岡駅と金沢八景駅は普通でわずか6分。旧川合玉堂別邸(二松庵)庭園の開園日なら、旧伊藤博文金沢別邸とあわせて行くこともできます。
そして、金沢まで来られたらぜひ訪れていただきたいのが、極楽浄土をあらわした称名寺庭園。
称名寺に隣接している神奈川県立金沢文庫では、鎌倉時代からの古文書や絵画、彫刻などを中心とした企画展が展示されていますので、ぜひこちらもお立ち寄りください。
公式サイト⇒中世歴史博物館 神奈川県立 金沢文庫