こんにちは、美術ブロガーの明菜です。皆さん、『能』へのイメージってどんな感じですか？



インパクトある面のイメージが強く、それ以外のことは知らんな…という方も多いのではないでしょうか？恥ずかしながら、私もその1人です。

しかし今回、お能を見たことが無く、「怖そうな面のイメージ」しか持っていない私にとっても、面白そうな公演の情報が入ってきました！日本を代表するデザイナー、コシノジュンコさんが能の装束を手掛けると言うのです！


10月26日記者発表会　観世清和　コシノジュンコ

11月9日に開催される『観世清和 × コシノジュンコ 能＋ファッション “継承される伝統と現代の融合”』という、日本の伝統芸能『能』と、コシノジュンコさんの最先端『ファッション』が融合し響き合う、面白そうな公演。

会場は銀座シックスの観世能楽堂ですが、オンラインでも配信されるとのこと。遠方の方や、予算的に生鑑賞は難しい…という方も体験できます。観世能楽堂の公演がオンラインで配信される時代が来るとは…驚きます。


観世能楽堂 GINZA SIX

本公演は第1部と第2部で構成されています。
第1部：コシノジュンコさんのファッションショー
第2部：能楽師 観世清和さんの能の演目「紅葉狩 鬼揃」


パフォーマンス「風神雷神」とファッションショー

第1部では、コシノジュンコさんによる日本の美を表現するファッションショーが行われます。プロジェクションマッピングも使うとのことで、能楽堂との相性が気になります。


観世能楽堂プロジェクションマッピングイメージ

ちなみに2015年、コシノさんは京都国立博物館で、琳派400年を記念したファッションショーを行いました。このときのファッションも、能からインスピレーションを得たそうです。しかし、能の装束では通常は使わない革を使ったとのことで、能楽師に受け入れられるか不安だったそう。

今回のショーには、能楽師の観世三郎太さんも出演されます。ご子息が出演することについて、観世清和さんは「モデルとしてではなく、能楽師の心で出演することが重要だ」と話していました。ファッション業界に染まるのではなく、能楽師として能の心を表現することで、より高い次元でのコラボレーションができる、という意味だと思います。


紅葉狩 鬼揃

第2部では、実際に能の演目を観ることができます！二十六世観世宗家である観世清和さんによる「紅葉狩 鬼揃」という演目です。派手な激闘と劇的な構成で、能の初心者でも親しみやすい演目と聞いており、私もとても楽しみです。


第二部紅葉狩 装束デザイン画

コシノジュンコさんは、舞台装置（塚）とシテ（主役）の装束の一部のデザインを手掛けています。第2部でも、能とファッションの豪華なコラボレーションを楽しむことができるでしょう。


二十六世観世宗家　観世清和

記者発表会での対談で印象的だったのが、コシノさんは日本の伝統をリスペクトしており、観世清和さんは新しいものを積極的に取り入れようとしていることです。観世さんは観阿弥・世阿弥を先祖に持つ御家元ですが、「祖父や父と同じことをしても意味がない」といったことをお話しされていました。互いに尊敬し合うお二人の感性が響き合う公演、たった1日限りだなんてもったいなさすぎます…！


コシノジュンコ

本公演はもともと2020年5月に開催する予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、11月9日に行われる運びとなりました。

これについて、コシノさんは「延期で延び延びになるのもまた楽しいですよ。だって、予定通りの開催ならもう終わっちゃってますから(笑)」と話しています。（致知2020年10月号）

懐が深く、大物すぎるコメント…！

そんな待ちに待った公演は、オンラインでも鑑賞できます。おうちでお菓子やお酒を楽しみながら、自分のペースで鑑賞するのも良いですよね。

生で観られるからこその舞台芸術ではありますが、能やファッションショーの敷居が高く感じられるのも確か。「興味はあるけど、腰が重いなぁ」なんて人も、オンラインで鑑賞してみてはいかがでしょうか？脳やファッションの初心者にも易しい公演になりそうですよ！