話題のスケスケトイレは壮大な計画の始まりだった
はるのおがわ コミュニティパーク トイレ(坂茂デザイン)
先月、SNSなどで話題になっていたのがスケスケな透明トイレ。トレイなのにスケスケ?どうやって用を足せば良いの?と話題に。上の写真を見てください、確かにガラスの壁の向こうに便器が見えます。ここで用は足せないですよね……。
はるのおがわ コミュニティパーク トイレ(坂茂デザイン)
そんな悩みはすぐに解決。実はこのトイレ、中に入って鍵を閉めるとガラス面が一瞬で不透明になる仕組みなのです。鍵を閉めれば外からは見えません。上の写真で一番手前の個室の壁が不透明になっているのがわかりますか?この部屋には人が入っています。
はるのおがわ コミュニティパーク トイレ(坂茂デザイン)
今度は奥の個室に人が入っているところ。このトイレの壁は電圧のON/OFFによって透明になったり不透明になったりするガラス(またはフィルム)素材を使ったトイレなのです。鍵を操作することで電流が変化しガラス面の透明/不透明が切り替わります。
仕組みとしては、電気が切れると不透明になるはず。となると、想定外の事が起こると不透明になるので、あなたのあらわな姿がみんなへ公開されることは無いですね。説明書きには「鍵をかけると不透明になります」と書いてあります。とにかく鍵のかけ忘れに注意。
実はこれ、渋谷区にある17か所の公共トイレが生まれ変わっていくというプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環なんです。16人のクリエイターたちによって生まれ変わっていく公共のトイレ。
はるのおがわ コミュニティパーク トイレ(坂茂デザイン)
その計画の最初にオープンしたものの一つが先ほどの透明トイレ。有名建築家の坂 茂さんのデザイン。大分県立美術館、静岡県の富士山世界遺産センター、フランスのポンピドゥー・センター・メスなどを手掛けた人です。
静岡県富士山世界遺産センター
静岡県富士山世界遺産センターは、世界遺産の根拠となる「世界遺産条約(国際条約)」に規定されている、世界遺産を「保護し、保存し、整備し及び将来の世代へ伝えることを確保する」拠点施設であり、学術調査機能などを併せ持つ施設です。
公式HP マップより
公式HP マップより
計画されている全17か所のうち、現状オープンしているのが5か所。公式のホームページにマップもありますが、代々木公園近くに2か所、恵比寿周辺に3か所オープンしています。
はるのおがわ コミュニティパーク(坂 茂)
先ほどのこのトイレは代々木公園近くにあります。ガラス張りの部屋は夏は暑いのが悩ましいところ。
代々木深町小公園(坂 茂)
同じく代々木公園近くのこちらのトイレも坂 茂さん設計の透明トイレ。色違いです。
公式HPより
恵比寿東公園(槇文彦)
東三丁目(田村奈穂)
恵比寿公園(片山正通 ワンダーウォール)
恵比寿周辺の3つのトレイはそれぞれ形も違い、デザインした人も違います。
代々木深町小公園 トイレ(坂茂デザイン)
この後、残る12箇所のトイレは2021年までかけて順次生まれ変わっていくようです。手がけているのも有名な建築家やデザイナーなど様々。藤本壮介、伊東豊雄、マーク・ニューソン、NIGO®、安藤忠雄、隈研吾、佐藤可士和など。とても贅沢で!
代々木深町小公園 トイレ(坂茂デザイン)
いったいどんなトイレが生まれてくるのでしょうか?完成した日には全部まわってみたいです。