「恋愛は受験と同じ」京大生ホステスが恋愛必勝術を伝授する『京大生ホステスが教えます。99%の男がしていない恋愛の超基本』

2020/7/27 14:00 吉村智樹 吉村智樹






こんにちは。
ライター・放送作家の吉村智樹です。


「Go To Travel キャンペーン」が始まったりしたかと思えば、国が企業に対し「テレワーク率70%を目指すよう」要請する見込みとなったり。「出かけてほしいのか、家にいてほしいのか、どちらどすえ?」と京都弁(?)でツッコミたくなる混迷の日々が続いています。


そんな優柔不断な態度では「モテませんよ!」


ということで第13冊目となるスイセン図書は「京大生ホステス」というパワーワードで話題沸騰の新刊『京大生ホステスが教えます。99%の男がしていない恋愛の超基本』です。





■「恋愛は受験と同じ」京大生の頭脳がはじき出した必勝の恋愛成功術


書店の棚でひときわ目を惹く新刊『京大生ホステスが教えます。99%の男がしていない恋愛の超基本』。99%の人が二度見するに違いないパワフルなタイトルです。


サブタイトルは「世の中の男性の9割は、余計なことばかりしている。」。恋愛に限らず、すべてにおいて余計なことばかりしている自覚症状がある僕は手に取らずにはいられませんでした。


この『京大生ホステスが教えます。99%の男がしていない恋愛の超基本』の著者は灯諸(とうもろ)こしきさん。「コミュニティ恋愛マスター」を名乗る灯諸さんは書名にあるとおり、京都大学に通いながら祇園の高級クラブでホステスをしています。大学生活に必要な費用を稼ぐため18歳でキャバクラ勤務を始めるなど、お水歴は京大入学と同時に始まった模様。


さらにイケメンとの出会いを求め「相席屋」へ通うこと、なんと100回以上。ほかHUB(チャージがない英国風パブ)を1日に3軒ハシゴし、ダーツバー、クラブなど恋愛の予感がはらむ場所には足繁く通いました。合コンや街コンには「信じられないほど」参加したと語る凄腕の恋愛ドライバーなのです。





そうしてさまざまな恋愛模様を経験したり観察したりしているうちに灯諸さんは「恋愛は受験と同じ」という持論に至ります。西の最高学府の門を突破した才女だけあり「恋愛は受験と同じ」という言葉は説得力がありますね。つまりこの本は言わば難関である国立恋愛大学へ進学するための赤本と言えるのです。


■100万アクセスを突破した超人気noteが書籍化


この『京大生ホステスが教えます~』にはもうひとつ注目される理由があります。それは昨今ブログにとって代わる人気の「note」(ノート/個人が簡単に文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を配信できるウェブサービス)を書籍化したものである点。


灯諸さんは膨大な数の男性に出会った経験をもとにパターンを徹底分析。恋愛必勝術をnoteに綴ったところ、これが大好評。わずか1年間でなんと70万人がアクセス累計100万アクセスを超過したというからすごい! 有料でしか読めない部分も「飛ぶように売れた」のだそう。


そしてこの驚異のPV数が話題となり、こうして書籍化されたわけです。「人に選ばれるとは、こういうことなんだよ」と現実を突きつけた痛快な一冊でもありますね(かく言う僕はnoteにまだ記事ひとつしか書けていません……内容以前の問題)。


■「ユニクロは恋愛活動をする男子の“制服”」


「偏差値70の恋愛テク全部見せます」と謳うこの本、まず歯に衣着せぬ文章が面白い。受験勉強で得たレトリックか、はたまた接客で学んだテクニックか。「ユニクロは恋愛活動をする男子の“制服”」「ユニクロは銘菓です。多くの女性は減点をしません」など言葉選びがビビッドです。


本書のマジカルな構成にも驚かされます。「恋のセンター試験」という名の容姿の整え方から始まり→女性に点数をつけてゆき60点以上の女性を3人以下に絞って同時進行を推奨する「恋愛シラバス」→マッチングアプリ攻略法→セックス誘導術、そして最後のあたりにきて「交換日記の勧め」。「え! そ、その順番?」とびっくりするサプライズな展開。旧来のアルファベット順という常識を覆し空前のベストセラーとなった「試験にでる英単語」を思わせる、まさかのどんでん返し。固定観念の向こう側に真の恋愛術があるのだと、この本は教えてくれます。





そして、ひじょうに実践的です。「恋愛シラバス」の項では異性を採点する成績表のテンプレートがご丁寧に掲載されていたり、自宅に女性を誘ってトランプをした場合「ゲーム別に何分で勝敗がつくか」の時間一覧まであったり(時間がわかっていればトランプゲームのあいだに自分と相手が酒に酔うペースを計算できるのだそう)、至れり尽くせり。これまでの自分の男性経験とセックステクニックの相関関係を表やグラフにして記録を残しているのも恋愛戦略家ならでは(これもちゃんと載ってるんです!)。


恋愛という受験戦争で勝ち抜いたソルジャーだけあり、つねに射撃体勢にある気合いが入った文体にも圧倒されます。「あなたは性格のいいブスが好きですか? やたらとモテ仕草を繰り出してくる割に、容姿に無頓着な女を彼女にしたいですか? そんなわけないですよね」「女は〔いいところを見つけられた男〕ではなく〔悪いところを見つけられない男〕を好きになります」「女は基本的に、異性を減点方式でジャッジします」「多くの女性は、1日3回風呂に入るブサイク芸人より、3日間風呂に入っていないキムタクのほうが『清潔感がある』と答えます」「好きな人からセックスを求められて嫌な気分になる女はいません」など、主語のデカさにビビります。昨今の潮流に背を向けてでも恋愛を成就させることこそが至上であろう筆者の孤高の輝きに、痛いほどのまぶしさを感じずにはいられません。





■恋愛のみならずビジネスにも役立つ


「恋愛初級男子」に向けられた本であり、自分はもう対象ではないの重々承知。そこで私は本書に登場する用語や抜粋をビジネスに役立てたいと思います。


まず「容姿判定フィルター」。フリーランスである我々は平気でTシャツやパーカー姿で取材へ行ってしまいます。短パン一丁で現場へやってくる無頓着すぎるディレクターもいます。しかし先様の眼には「容姿判定フィルター」がついているおり外見を評価されているのだと、つねに意識するべきなのです。当書にある「男は見た目じゃないという価値観は、今すぐ捨ててください」という言葉は本当にその通りです。


「モテに個性は不要」「モテる人は、とにかく無難で勝負します」も、そうなのでしょう。クリエイターは個性的であろうとしがちです。しかし個性とは視点の角度を指す言葉であって、いくら自分がユニークな人物だと自称しても、まあまあよくいる変な人のひとりにしかならないのでしょうね。


「コンプレックスがあるのなら、自分で身体を鍛えるなりなんなりして、とにかく払拭しておいてほしい。そうじゃないと迷惑です」。これも辛らつな言葉ですが、実際そうでしょう。水戸黄門の印籠のごとく「コンプレックスがあるんです!」と突き出されても、今度はこちらがそれを受け容れる度量があるのかどうかをはかられるのでツラいものがあります。それにコンプレックスをあまりに鼻高々に公表していると、この頃よく見る、何の資格もないのに料金を取るうさんくさいネットメンターやカウンセラーの飯のタネになって終わりというパターンに陥ります


ほか「“俺らしさ”は要りません。“万人ウケ”だけを狙います」といった教訓や、複数の人に堂々とアプローチする「ドフランク陽動作戦」などのプロジェクトは暮らしに採り入れられそうです。過去に「9千人ジャッジした」彼女のリアリティに、ひれ伏さざるを得ません。


マッチングアプリでのプロフィールの書き方や連絡の取り方など、恋愛のみならず営業の仕事に転用できるヒントがたくさんちりばめらています。異性からの「モテ」はさすがにあきらめるとして、他の分野の「残り1%」を目指すために背中を押してくれる一冊となりました。



京大生ホステスが教えます。99%の男がしていない恋愛の超基本
世の中の男性諸君の9割は、余計なことばかりしている。
灯諸(とうもろ)こしき 著
SB Creative

現役の京都大学生でありながら、ホステスとして働く「灯諸こしき」、待望の初著書!
恋愛術を綴ったnoteが好評を博し、たちまち100万アクセスを突破★

ちょっとした方法でうまくいく、男性が女性を仕留める恋愛術を教えます。

大富豪から学生まで膨大な数の男性を見てきて、日本最高峰の頭脳を駆使することでわかった!
「世の中の男性の9割は、余計なことばかりしている。」

例えばこちら、全部間違っています。
・プロフに趣味や特技を充実させる
・ファッションを研究する
・SNSで返信をさせるために、疑問形で終らせる
・会いたい日を、相手の都合に合わせる
・早いうちから手をつなぐ
・ホテルに誘うときに「ホテル」という単語を使う
・デートで毎回のように有名店で食事をする
・清潔感を毎日風呂に入ることだと思う

では、本当にやらなきゃいけないことは何か?
実はそれ、難しくもなく、お金や手間もそれほどかからない方法なのです!

「女性と一緒に寝たければ、一字一句、そのままこう言え!」など、必殺技も惜しみなく披露します。

https://www.sbcr.jp/product/4815606077/



(吉村智樹)
*使用している画像はこちらで撮影しております。