マスクが描かれてた珍しい人物!?…ヤンキーと暴走族の【ファンシー絵みやげ】
■ マスクというファッション
新型コロナウイルスの感染を予防するため、マスクの着用が推奨されています。だいぶ値段も下がってきましたが、だんだん飽きてきて個性的なマスクを見かけることも増えてきました。
前回、筆者が集めている「80年代から90年代に日本中の観光地で売られていた子ども向けの観光地みやげ」=「ファンシー絵みやげ」の中に存在するマスクを探してみました。
↑ これが噂のファンシー絵みやげだっ!
探してみましたが、結果的にマスクをしているのは日光の三猿という結論になりました。
↑見ざるはサングラス……かアイマスク?、聞かざるはヘッドホン、そして言わざるがマスク
↑映画『ブルースブラザーズ』のパロディでしょう。こちらも言わざるはマスクです
↑「言WAZARU」など、漢字とローマ字の組み合わせが珍しいマグカップ。聞かざるがウォークマン、見ざるがサングラス、言わざるがマスク。
マスク自体が大正時代以降であり、歴史上の人物でマスクということもありません。なので三猿くらいしか浮かびませんでした。しかし、もっと現代に重要なマスクキャラクターがありました。それがヤンキーです。
■ ヤンキーとファンシー
改造バイクに特攻服、旭日旗などの要素を持つ暴走族と、もう少し大きなカテゴリで、主に不良学生を指すツッパリ、ヤンキーと呼ばれた若者たち。その文化の中に、マスクというファッションがあります。実際はファッションというよりも、さまざまな事情で口元を隠さなくてはならないことから、実用的な意味でのマスクの着用でした。それがだんだんマスクがイメージのひとつとなり、ファッションとなっていったのです。
↑ 集会に向けてスクーターで疾走する暴走族のメンバー
特攻服の裏地の刺繍まで丁寧に見せてくれています。これらも観光地で若者向けに売られていたキーホルダーなのです。ちゃんとマスクを装着していますが、いわゆる普通の医療用マスクとは違う形状ですね。
↑旭日旗をバックに「特攻」の二文字。暴走族の世界観には旭日旗に神風特攻隊など、旧日本軍や愛国の要素が含まれている。イラストはウンコ座りするリーゼントにマスクの不良学生なので、あまり暴走族の感じはない。
まさにガーゼマスクの不良がこちら。普通、なかなかマスクをしている状態を描くことはありませんが、不良にとっては象徴的なアイテムですので、あえてマスクをしているイラストは数多くあります。
さらに、暴走族のタペストリーにもマスクをしている人物を発見しました。
「マッポがなんぼのもんじゃい!」とローマ字で描かれたタペストリー。マッポは警察を指す隠語です。バイクやスクーターなどが描かれている左上、車の上をご覧ください。
はい。こちら。丸いサングラスに黒いマスク。こんな風にヤンキーとマスクは切っても切れない関係で、そして若者向けの観光地みやげであるファンシー絵みやげにおいて、ヤンキーのモチーフはたくさんあるのです。そして修学旅行に来たヤンキーや、ヤンキーに憧れている生徒が買ってしまうのです。
そして、最後にこのタペストリーの右上に驚きのイラストがありましたのでご確認ください。
この旭日旗を反転させたようなフラッグに、神風の二文字を背負ったかわいいイラスト。見覚えありませんか? 私はあります。
それがこちら。
はい、実際に旗として観光地で売られているんですね。実際の商品である旗がイラストの中で描かれているというのは大変珍しいです。
「小便チビらんうちに失せろこのタコ!」
では、また次回。
(文と写真:山下メロ)
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