なぜ存在したのか…昔オマケにくれた〇〇とCDの歴史【平成レトロ】
■ CD保護マットとは何か
【拡散希望】CDショップでもらえた、ディスクの下に敷く保護マットの保護活動を行っています。
— 山下メロ(平成レトロ・ファンシー絵みやげ) (@inchorin) June 7, 2020
ショップロゴ入りCDマットをお持ちの方はお譲りください。減少していくCDショップを思い出す手がかりになればと考えています。#CDマット #CD保護マット #平成レトロ #山下メロ pic.twitter.com/58edIIxyxK
3年以上前に、当コラムで集めていることを書きました「CD保護マット」。久しぶりに Twitter で呼びかけてみたところ非常に反響がありました。CD保護マットは、かつてCDショップで、CD用アクセサリとして売られていました。
そして90年代ごろに、このCD保護マットにショップのロゴを入れ、ノベルティとして配布していたのです。少なくとも筆者の地元のCDショップでは、アルバムを購入すると好きな色のCD保護マットをオマケに付けてくれたのです。もしかしたらグッズとして販売しているケースもあったかもしれません。他にもアーティストやレーベルの販促品として作られたものもあります。
こんな風に、CDとトレイの間に設置します。ちなみに、これが筆者が中学生時代に通っていたコメットというCDショップ。埼玉県加須市にありました。全国的に小さなCD専門店は減少していますが、同窓会などでは盛り上がる話のネタです。何しろ全員そこでCDを買うので、発売日にはクラスメイトと鉢合わせます。はちあわせのメッカです。バービーボーイズかっていう。
当時CHAGE&ASKAの「YAH YAH YAH」1200円と、WANDS「時の扉」1000円が同じ発売日だったことがあり、どうしてもチャゲアスに頑張って欲しかった筆者は、発売日の放課後にコメットに出向き、WANDSを買おうとする友達に差額の200円を渡してチャゲアスを買わせるという訳の分からない活動をしたこともあります。閉店まで居座って。どうかしてます。
そんなわけで、CD全盛期に青春時代を過ごした者にとって、色んな思い出や黒歴史を刻んだ場所が「地元のCDショップ」なのです。そして、それを思い出す手がかりとして、CD保護マットが有効だと感じて集めているのです。
そして、募集ツイートに対してさまざまな反応が寄せられました。
懐かしいです~!
— 417@絶賛にゃっ活中👑🐃 (@clover_mama417) June 7, 2020
CDショップでバイトしてた時に配ってました!
実家にまだあるかもなので、今度漁ってみます!
これは盲点!
— ZUN (@nekopuremilk) June 7, 2020
新星堂とか山野楽器とか、ポスターとかの特典目当てで大手さんで予約してたからなぁ
探してみます
みなさん忘れていた記憶の扉が開いてしまったようです……。しかし、中には初めて知ったという方や、自分の地元では配布されていなかったという方もいらっしゃいました。
また、マット敷いてると外れやすいとか、記録面が変質するなどの意見も寄せられました。確かに、オマケ以外では普及しないまま消えて行ったので、「実は使わないほうが良い」というネガティブな面があると筆者も考えています。
■ そもそもCDとは?
デジタルデータを用いた新たな音楽メディアとして、1982年にCD(コンパクトディスク)が登場しました。CDは、ソニーとフィリップスが共同で開発。レーザー光を盤面に反射させ、レンズで読み取ることで録音された音声データを読み取ります。
コンパクトという名称については、コンパクトカセットに由来。普段私たちがカセットテープと呼んでいるものは、カセットの中でも小さく、正式にはコンパクトカセットというんですね……。CDはその後、ビデオ映像を記録するVCDや、音声以外のデータも記録することのできるCD-ROMとしてパソコンやゲーム機でも使われるようになりました。
さらに1988年に発売されたのが8cmシングルです。レコードからCDへの転換期に、アナログのシングル盤の棚を流用できるよう、シングル盤のジャケットサイズの半分にして2列並べられるように……ということで縦長の短冊ジャケットで売られていました。スロットイン方式のカーオーディオやパソコンにそのままでは挿入できないため、アダプタを使用する必要があったのですが、現在ではアダプタの使用も動作保証外となっていることが多いです。
■ ファンシー絵みやげにおけるCD
1980年代~1990年代に、音楽CDがいかに新しい文化として注目を集めていたかを、当時の子ども向け観光地みやげ=「ファンシー絵みやげ」から読み解くことができます。
地名はありませんが、このようにCDプレイヤーをミニチュアにしたキーホルダーも観光地にありました。こちらはボタン電池で駆動し、ディスクを入れ替えると、それぞれのディスクの音が再生されます。といってもディスクは回ることはなく、ディスクの裏にある端子に接触して音のデータを読み取って電子音で再生しているのです。
こちらのキーホルダーはCDを模したデザインとなっています。円形で、虹色ではありませんが、銀色の部分がCDのように光を反射する加工となっています。CD-DA(音楽CD、COMPACT DISC DIGITAL AUDIO)の規格を満たしていることを示す「COMPACT DISC DIGITAL AUDIO」マークが、明らかに規格を満たしてないにも関わらずばっちり書かれています。
こちらは真ん中の穴がないながらも、CD風にしようと頑張っているキーホルダーです。先ほどのものとは違い、こちらは光り方は似ていませんが、虹色の反射をオーロラ素材で表現しています。また、こちらも当然のように「COMPACT DISC DIGITAL AUDIO」のマーク入りです。このマークでは「DIGITAL」と正しいスペルにも関わらず、外周の英語では「DEGITAL」とスペルミスをしちゃってます。当時の商品開発のユルさが垣間見えるような気がしますね。
こちらは日光東照宮のおみやげで、ジュエルケースに入ったCD型の折り畳みミラーです。本物より小さいにも関わらず細部までジュエルケースを再現しています。中を開くと歌詞カード風のイラストがあり、さらに円形の鏡面で光ディスクを表現しているのです。
■ 最後に
ミリオンヒットを連発したり、平成レトロの時代を彩ったCD。観光地みやげにまで影響を与えたその存在感は、CD保護マットという文化まで生み出してしまったのです。
是非、このようなマットを見つけた方は寄付してください!
そんなわけで、CDにまつわるアイテムや写真を探していたところ、レーザーディスクでカラス除けを作ったときの画像が出て来ました。
私は一体なにを考えていたのでしょうか。
では、また次回。
(文と写真:山下メロ)
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