【所詮、僕なんて…】天才ショパンの知られざる本音【人前こわい】

2020/5/31 21:00 明菜 明菜

こんにちは、健康診断がD判定だった28歳、美術ブロガーの明菜です。白血球の異常値が全体の評価を押し下げてました。


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ところで皆さんは、音楽家のショパンをご存じでしょうか?ポーランドに生まれ、パリで活躍した19世紀前半の偉大な作曲家、フレデリック・ショパンです。

ショパンの曲といえば、「幻想即興曲」「革命のエチュード」「子犬のワルツ」などですね。特に「幻想即興曲」はフィギュアスケートでもよく使われるので、知らない人はいないはず。浅田真央さん中野由加里さんも「幻想即興曲」の調べに乗って世界を魅了しておりました。


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ロマンチック、センチメンタルといった形容詞が似合うピアノの詩人、ショパン。数々の名曲を生み出し、さぞかし儲かって酒池肉林を堪能していただろう…と思いきや、鬱々とした苦労人な一面も。

今回は彼の意外なエピソードをご紹介していきたいと思います。神経質をこじらせたショパンの知られざる裏話をどうぞ!

■超めんどくさい男
ショパンは作曲やピアノの腕前もさることながら、シュッとしたイケメンだったため女性から凄くモテました。しかし、羨ましいほどのハイスペックにも関わらず、神経質で被害妄想しがちな残念な一面もあったのです。


パリ・モンソー公園にあるショパンと天使のモニュメント

例えば、ショパンがある女性に「僕の曲って綺麗かな?」と質問したときのこと。女性はショパンのファンなので、「綺麗ですよ!」と答えたのですが、ショパンは「所詮、僕の曲は綺麗なだけか………………………」とふさぎ込んでしまったそうです。めんどくせー。

■大きなホールで演奏するのが嫌
当時は録音や録画などできないので、音楽を人に聴いてもらうためには生演奏しかありませんでした。ショパンも他の作曲家と同様、ホールで自分の曲を演奏して発表するようになっていきます。


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大きなホールで演奏できるのは、有名になってファンが増え、注目度が上がった証拠。喜んで良いことのはずですが、ショパンにとっては息が詰まるようだったのです。

聴衆の好奇の目や批判的な記事は、ショパンの精神を追い詰めました。彼は病弱でピアノを弾く力が弱かったこともあり、大きなホールだとよく聞こえなかったそうで、マイナスな意見も書かれたそうです。

そんな状態なので、やがて演奏会を断るようになってしまいました。気心が知れている人だけの場や、小さな会場での演奏は好きだったようですが。

■ショパンの心臓は保存されている!
大勢の前での演奏を苦手とし、ファンからの誉め言葉に勝手に傷つくショパンは、「心臓に毛が生えている」の真逆です。ゴッソリと毛が抜けた、小さく傷つきやすい心臓の持ち主なのでしょう。


ワルシャワの聖十字架教会、ショパンの心臓が安置されている柱

そんなショパンの心臓がですね、ポーランド・ワルシャワにある聖十字架教会に安置されています!観光客が見ることはできないのですが、コニャックらしき液体に漬けられた心臓が、教会の柱の中で保存されています。

ショパンが亡くなったのは1849年のことですが、2014年の調査では保存状態は良好と判明しました。死因の解明のため、保存された心臓をヒントに現在も調査が続いています。

■ショパンの生涯を学ぼう!
この記事ではショパンに親しみを感じていただくため、神経質さや傷つきやすさが窺えるエピソードを紹介してきました。これは人一倍強い感受性の裏返しのように思います。そして、自分や他人の感情のわずかな動きに対して誰よりも敏感だったから、比類なき繊細な音楽を作ることができたのではないでしょうか。


ワルシャワ・ワジェンキ公園にあるショパン像

この記事で紹介したエピソードは、ショパンの人生のほんの一部でしかありません。祖国ポーランドの戦禍やモテ男ならではの悲恋など、小説より奇なる経験もセンチメンタルな作風に影響しているのでしょう。

2019年は、ショパンの祖国ポーランドと日本の国交樹立100周年のメモリアルイヤーでした。これを記念してショパンの生涯を紹介する展覧会が開催されているので、ショパンの世界を覗いてみてはいかがでしょうか?

日本・ポーランド国交樹立100周年記念 「ショパン-200年の肖像」
会期:6月2日(火)~6月28日(日)
休館日:月曜日
開館時間:午前10時~午後6時 ※入館は午後5時30分まで
会場:練馬区美術館
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202001221579692159

ショパンの心臓も気になりますが、私は自分の白血球を心配しなければなりません。皆さんも健康にはお気をつけてくださいね!お後がよろしいようで。