伝説のギャグ「八丈島のきょん!」のキョンを探して……【ファンシー絵みやげ】
■ 八丈島のきょん!とは……
みなさん、漫画『がきデカ』はご存じでしょうか。少年チャンピオンで1974年から連載された山上たつひこさんのギャグ漫画です。なかでも主人公・こまわり君の「死刑!」というギャグは、漫画を読んだことがない方でも知っているのではないでしょうか。
#昭和 #今日は何の日
— すずよし (@pingu_2660) December 12, 2017
山上たつひこさんの誕生日。
昭和22年(1947年)12月12日生
漫画家。
昭和40年
漫画家デビュー。
昭和47年
『喜劇新思想大系』連載開始。
昭和49年
「週刊少年チャンピオン」にて『がきデカ』が連載。爆発的な大ヒットを記録。
「こまわり君」の『死刑』のポーズが懐かしいな。 pic.twitter.com/Uyk2AT2WOX
そんなこまわり君に「八丈島のきょん」というギャグがあることをご存じでしょうか。
八丈島のきょん!についに出逢えた〜ww
— ばくりんこ☆ 蛇口から泡盛 (@bakuringco) August 8, 2017
まあ八丈島のきょん!って言っても今やおっさん(昭和50年代の元少年)にしか分からんだろうなー。#八丈島 #島旅 #がきデカ pic.twitter.com/7Qy90Xua3x
わりと勢い重視の意味不明なギャグが多いため意味が分かりませんが、このギャグによって「八丈島」といえば「きょんというシカのようなものが生息している」というイメージを持ってしまった方もいるのではないでしょうか。私もそんなイメージを持っていました。1980年まで連載があり、1989年にアニメ化もされているので、子ども向け雑貨みやげ「ファンシー絵みやげ」が隆盛を誇った時期とも重なります。では、ファンシー絵みやげは存在するのでしょうか。
■ 追って八丈島
八丈島で捜索を開始したところ、八丈島空港にある売店でいきなり見つかりました。
おみやげとして売られていたキョンのマグネットです。さらに街の土産店でも見つかりました。
こちらはステッカーです。
どうもキョンのおみやげ品は見つかりますが、かなり新しいセンスのイラストのばかりです。
他のお店ではこちらが見つかりました。
『がきデカ』のギャグと同様の「八丈島のキョン」という書き方をした商品。こちらも台紙やパーツなどから類推するに、かなり新しい商品。1980年代のファンシー絵みやげ文脈でキョンは存在しないのでしょうか。
同じお店に、こんなファンシー絵みやげを見つけました。
『HACHIJO』の表記のある木工品。「森の仲間たち」と言いつつ、クマもキツネも八丈島には生息していない気がします……。このような本土の量産品に「HACHIJO」の名入れをしちゃっているわけですね。八丈島で動物といったらキョンじゃなかったのでしょうか……。
東京都八丈町、底土港ちかくの土産店はまゆうさんで、牛さんのHACHIJOファンシー絵みやげ灰皿を保護。八丈島では酪農の牧場があり、かつては牛相撲もありました。#ファンシー絵みやげ #山下メロ #ファみ活 #ファみやげ pic.twitter.com/A9ivWQxOQt
— 山下メロ(ファンシー絵みやげ・平成レトロ・アウトデラックス) (@inchorin) March 3, 2020
東京都八丈島八丈町 民芸あき さんにて最後のファンシー絵みやげバスタオルを保護。なんとショップオリジナル。酪農や闘牛が有名だった八丈島らしいモチーフです。#ファンシー絵みやげ #山下メロ #ファみ活 pic.twitter.com/uRkdWpD1Md
— 山下メロ(ファンシー絵みやげ・平成レトロ・アウトデラックス) (@inchorin) March 3, 2020
このように、八丈島では牛角力や酪農が盛んだったこともあり、ホルスタインなど牛モチーフのファンシー絵みやげばかりです。当時のキョンはどうだったのでしょうか。色々と聞いてみましたが、そもそも飼育されていただけで八丈島原産ではないし、なぜ「八丈島のきょん」というギャグになったのか分からない……とのことでした。実際に野生化して数が増えているのは、同じ伊豆諸島の伊豆大島です。あくまで漫画のギャグでしかないため、充分に観光資源の多い八丈島では、わざわざキョンを売り出そうという気がなかったようで、やっと近年になってモチーフとして登場しはじめたようです。
■ 八丈島のキョンに会いたい
では、とりあえずキョンを見てみようと思い、飼育されている八丈植物公園に来ました。後ろには八丈富士が見えます。いや、しかしなぜ植物公園に動物のキョンが飼育・展示されているんでしょう……。
八丈島や世界の南国の植物を見ることができる施設です。ここにはビジターセンターがあるので、ここには何かあるかもしれません。
なんと、新型コロナウイルス感染症対策で利用休止となっていて、確認できませんでした。残念ですが、とりあえずキョンに会わないといけません。キョンはもうすぐです。
「キョンはここだ!」と、キョンをかなりクローズアップしています。やはり自分と同じようにキョン目当てで来るお客さんが多いのでしょうか。
キョンが飼育されている場所まで来ました。
はい。キョンです。かわいいですね。確かに植物メインの中で突然「キョン」に出会ったら。思わず「八丈島のきょん!」となるのもしょうがなかったのかもしれません。
では最後にこちらをご覧ください。
キョンを見て、別の出口から帰ろうとしたところ、道しるべがありました。
え……
「キョン」が色んな施設と同列に扱われている!!!!
やはり人気なんですね!!植物公園なのに!!
では、また次回。
(文と写真:山下メロ)
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