伝説の浮世絵コレクションが帰ってきた!
「川崎浮世絵ギャラリー~斎藤文夫コレクション~」オープン!
初代歌川広重の「東海道五拾三次」「名所江戸百景」、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」といった人気のシリーズから、喜多川歌麿の美人画や東洲斎写楽の役者絵、そして肉筆美人画。
希少な作品を含む豊富な浮世絵コレクションで知られた斎藤文夫さんのコレクションが帰ってきました。
「斎藤文夫コレクション」を展示していた「川崎・砂子の里資料館」が休館して3年。
同館と同じく旧東海道沿いにある「東海道かわさき宿交流館」(http://kawasakishuku.jp/)他でコレクションの一部が展示されたことはあっても、いつでも見られる施設がなくなって寂しい思いをしていたのですが、今年(2019年)12月3日、ようやく常設で見ることができるスペースがJR川崎駅北口通路直結の川崎駅前タワー・リバーク3階にオープンしたのです。
開館を記念して同じフロアの「アートガーデンかわさき」で展示された肉筆美人画をご覧になって、あらためて斎藤文夫さんのコレクションの充実ぶりに圧倒された方もいらっしゃるかと思いますが(もちろん筆者も!)、貴重な肉筆画をこれからもいつかは見ることができるかと思うと、今からワクワクしてきます。
(開館記念の肉筆画展示。この展示は12月15日で終了しています。)
ほぼ毎月、展示替え
浮世絵にとって光は大敵。劣化の原因になってしまうので、約1か月で展示作品が入れ替わります。ということは、ほぼ毎月新しい作品が見られるということなのです。
開館記念の展示「日本の宝 浮世絵名品展-墨摺絵から錦絵誕生まで-」も前期が12月3日(火)から26日(木)まで、後期は2020年1月7日(火)から26日(日)まで。前期後期で版画約90点、肉筆画約20点が展示されます。
開館記念第2弾「初代広重 東海道五拾三次の旅(保永堂版)」(2020年2月1日(土)~24日(月・振休))では「東海道五拾三次」全55枚が一挙に展示されます。
開館記念第3弾「幕末・明治の浮世絵師が見た江戸・東京」(前期:3月1日(日)~22日(日)、後期:3月28日(土)~4月19日(日))では、洋装や洋風建築など、江戸から明治にかけて変わりゆく街並みの変化がご覧いただけます。
上の地図でご覧のとおりJR川崎駅直結なので雨の日でも大丈夫。京急川崎駅からでも少し遠回りになりますが、地下街「アゼリア川崎」を通れば雨に濡れずに行かれます。
川崎駅前タワー・リバークに入ってエスカレーターで3階まで上がると(エレベーターもあります)、初代歌川広重「東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟」のパネルがお出迎え。
このパネルは撮影可です。渡し船に乗った気分で記念写真を撮りましょう!
正面のカウンターで観覧券を購入して右奥の通路を進んだ先にギャラリーがあります。
入口には川崎浮世絵ギャラリーのロゴマーク。
ロゴマーク左のシルエットは初代歌川広重「東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟」の左下に描かれた船頭さんです。
そしていよいよ展示室の中へ。
墨摺絵から錦絵誕生まで浮世絵の変遷がわかる
開館記念第1弾「日本の宝 浮世絵名品展-墨摺絵から錦絵誕生まで-」は、浮世絵の祖と言われ、元禄期に墨摺絵を初めて出版した菱川師宣(1631~1694)の作品に始まり、明和2(1765)年に多色摺錦絵を完成させた鈴木春信(1725~1770)の作品を中心に構成されていて、さらには彫りや摺りの技術が円熟期に達して黄金期を迎えた幕末期の初代歌川広重や葛飾北斎の作品まで、江戸時代の浮世絵の変遷がわかる展示になっています。
展示室に入ってすぐ左は菱川師宣の墨摺絵のコーナー。
上野の花見、鬼や天狗といった、私たちになじみのある題材の作品もありますが、「韃靼人狩猟図」に描かれた韃靼人たちのユーモラスでエキゾチックな表情にも惹かれるものがあります。
続いて肉筆画のコーナー。
正面奥の展示ケース一番左の菱川師宣「若衆弦楽図」から江戸中期・後期の美人画、そして初代歌川広重の文人画風の「武蔵多満川」など年代も画風も異なる作品が楽しめます。
手前の覗きケースに展示されている歌川国貞(三代目歌川豊国)「桜下吉原仲之町賑之図」は長さ2m以上もある大作。画面の上半分以上を占める桜のボリューム感たっぷりの作品です。
展示室右側に移ります。こちらには木版の技術が進んで7~8色の色を重ねる多色摺りができるようになった江戸中期の鈴木春信ほかの錦絵が展示されています。
さらに展示は奥まであって、中央のガラスケースには鈴木春信の「風流やつし七小町」のシリーズが展示されています。
この「風流やつし七小町」は、色版で紅、緑、黄など3~4色を重ねる「紅摺絵」。錦絵誕生の一歩手前の最高傑作といわれていて、全揃は世界中でこの1組だけという超貴重な作品です。
後期は展示作品が入れ替わりますが、墨一色の「墨摺絵」に始まり、「紅摺絵」、「錦絵」と発達する版画、そして「肉筆画」という構成は前期と変わりません。
展覧会図録もおススメです。展示作品の図版はもちろん、絵師の略伝などもついていてお値段は税込1,500円とお手頃。
関連グッズも充実しています
お帰りの際には正面カウンター奥にあるグッズ売り場にもぜひお立ち寄りください。
浮世絵が表紙のおしゃれな御朱印帳、すっかり展覧会グッズの定番になったマスキングテープ、浮世絵手ぬぐいにダイカットポストカードなどなど、かわいい動物の図柄もあって、思わず買いたくなるものばかり。
私が購入したのは葛飾北斎「冨嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」がデザインされたダイカットポストカード。お値段は350円プラス税。
厚紙を型抜きしたものなので、かなり丈夫です。海外の方へのおみやげなどで喜ばれるかもしれません。
定型外で郵送することもできるのですが、とてもいい出来なので、ダイソーで買った木製イーゼル(小)に乗せて部屋に飾ってみました。
JR川崎駅は品川駅から9分、東京駅からでも18分。18時30分まで開館しているので、仕事帰りにぷらっと寄ることだってできないことではありません。
気軽にアートを楽しめるスポットがまた一つ増えました。
初代歌川広重の「東海道五拾三次」「名所江戸百景」、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」といった人気のシリーズから、喜多川歌麿の美人画や東洲斎写楽の役者絵、そして肉筆美人画。
希少な作品を含む豊富な浮世絵コレクションで知られた斎藤文夫さんのコレクションが帰ってきました。
「斎藤文夫コレクション」を展示していた「川崎・砂子の里資料館」が休館して3年。
同館と同じく旧東海道沿いにある「東海道かわさき宿交流館」(http://kawasakishuku.jp/)他でコレクションの一部が展示されたことはあっても、いつでも見られる施設がなくなって寂しい思いをしていたのですが、今年(2019年)12月3日、ようやく常設で見ることができるスペースがJR川崎駅北口通路直結の川崎駅前タワー・リバーク3階にオープンしたのです。
開館を記念して同じフロアの「アートガーデンかわさき」で展示された肉筆美人画をご覧になって、あらためて斎藤文夫さんのコレクションの充実ぶりに圧倒された方もいらっしゃるかと思いますが(もちろん筆者も!)、貴重な肉筆画をこれからもいつかは見ることができるかと思うと、今からワクワクしてきます。
(開館記念の肉筆画展示。この展示は12月15日で終了しています。)
ほぼ毎月、展示替え
浮世絵にとって光は大敵。劣化の原因になってしまうので、約1か月で展示作品が入れ替わります。ということは、ほぼ毎月新しい作品が見られるということなのです。
開館記念の展示「日本の宝 浮世絵名品展-墨摺絵から錦絵誕生まで-」も前期が12月3日(火)から26日(木)まで、後期は2020年1月7日(火)から26日(日)まで。前期後期で版画約90点、肉筆画約20点が展示されます。
開館記念第2弾「初代広重 東海道五拾三次の旅(保永堂版)」(2020年2月1日(土)~24日(月・振休))では「東海道五拾三次」全55枚が一挙に展示されます。
開館記念第3弾「幕末・明治の浮世絵師が見た江戸・東京」(前期:3月1日(日)~22日(日)、後期:3月28日(土)~4月19日(日))では、洋装や洋風建築など、江戸から明治にかけて変わりゆく街並みの変化がご覧いただけます。
川崎浮世絵ギャラリー利用案内
場所 川崎駅前タワー・リバーク3階
開館時間 11時~18時30分
観覧料 500円(ただし高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料)
年間パスもあります。お値段は税込3,000円。
毎月1回見に来ると500円×12回=6,000円。年間パスなら半額!
休館日 月曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始、展示替えの期間
ギャラリートークも随時開催しています。詳細は公式サイトでご確認ください→川崎浮世絵ギャラリー
※館内は撮影禁止です。掲載した写真は内覧会で主催者より特別の許可をいただいて撮影したものです。
場所 川崎駅前タワー・リバーク3階
開館時間 11時~18時30分
観覧料 500円(ただし高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料)
年間パスもあります。お値段は税込3,000円。
毎月1回見に来ると500円×12回=6,000円。年間パスなら半額!
休館日 月曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始、展示替えの期間
ギャラリートークも随時開催しています。詳細は公式サイトでご確認ください→川崎浮世絵ギャラリー
※館内は撮影禁止です。掲載した写真は内覧会で主催者より特別の許可をいただいて撮影したものです。
上の地図でご覧のとおりJR川崎駅直結なので雨の日でも大丈夫。京急川崎駅からでも少し遠回りになりますが、地下街「アゼリア川崎」を通れば雨に濡れずに行かれます。
川崎駅前タワー・リバークに入ってエスカレーターで3階まで上がると(エレベーターもあります)、初代歌川広重「東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟」のパネルがお出迎え。
このパネルは撮影可です。渡し船に乗った気分で記念写真を撮りましょう!
正面のカウンターで観覧券を購入して右奥の通路を進んだ先にギャラリーがあります。
入口には川崎浮世絵ギャラリーのロゴマーク。
ロゴマーク左のシルエットは初代歌川広重「東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟」の左下に描かれた船頭さんです。
そしていよいよ展示室の中へ。
墨摺絵から錦絵誕生まで浮世絵の変遷がわかる
開館記念第1弾「日本の宝 浮世絵名品展-墨摺絵から錦絵誕生まで-」は、浮世絵の祖と言われ、元禄期に墨摺絵を初めて出版した菱川師宣(1631~1694)の作品に始まり、明和2(1765)年に多色摺錦絵を完成させた鈴木春信(1725~1770)の作品を中心に構成されていて、さらには彫りや摺りの技術が円熟期に達して黄金期を迎えた幕末期の初代歌川広重や葛飾北斎の作品まで、江戸時代の浮世絵の変遷がわかる展示になっています。
展示室に入ってすぐ左は菱川師宣の墨摺絵のコーナー。
上野の花見、鬼や天狗といった、私たちになじみのある題材の作品もありますが、「韃靼人狩猟図」に描かれた韃靼人たちのユーモラスでエキゾチックな表情にも惹かれるものがあります。
続いて肉筆画のコーナー。
正面奥の展示ケース一番左の菱川師宣「若衆弦楽図」から江戸中期・後期の美人画、そして初代歌川広重の文人画風の「武蔵多満川」など年代も画風も異なる作品が楽しめます。
手前の覗きケースに展示されている歌川国貞(三代目歌川豊国)「桜下吉原仲之町賑之図」は長さ2m以上もある大作。画面の上半分以上を占める桜のボリューム感たっぷりの作品です。
展示室右側に移ります。こちらには木版の技術が進んで7~8色の色を重ねる多色摺りができるようになった江戸中期の鈴木春信ほかの錦絵が展示されています。
さらに展示は奥まであって、中央のガラスケースには鈴木春信の「風流やつし七小町」のシリーズが展示されています。
この「風流やつし七小町」は、色版で紅、緑、黄など3~4色を重ねる「紅摺絵」。錦絵誕生の一歩手前の最高傑作といわれていて、全揃は世界中でこの1組だけという超貴重な作品です。
後期は展示作品が入れ替わりますが、墨一色の「墨摺絵」に始まり、「紅摺絵」、「錦絵」と発達する版画、そして「肉筆画」という構成は前期と変わりません。
展覧会図録もおススメです。展示作品の図版はもちろん、絵師の略伝などもついていてお値段は税込1,500円とお手頃。
関連グッズも充実しています
お帰りの際には正面カウンター奥にあるグッズ売り場にもぜひお立ち寄りください。
浮世絵が表紙のおしゃれな御朱印帳、すっかり展覧会グッズの定番になったマスキングテープ、浮世絵手ぬぐいにダイカットポストカードなどなど、かわいい動物の図柄もあって、思わず買いたくなるものばかり。
私が購入したのは葛飾北斎「冨嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」がデザインされたダイカットポストカード。お値段は350円プラス税。
厚紙を型抜きしたものなので、かなり丈夫です。海外の方へのおみやげなどで喜ばれるかもしれません。
定型外で郵送することもできるのですが、とてもいい出来なので、ダイソーで買った木製イーゼル(小)に乗せて部屋に飾ってみました。
JR川崎駅は品川駅から9分、東京駅からでも18分。18時30分まで開館しているので、仕事帰りにぷらっと寄ることだってできないことではありません。
気軽にアートを楽しめるスポットがまた一つ増えました。