【指令】墨田区内の5つの企業博物館を制覇せよ。

2019/6/11 12:10 Tak(タケ) Tak(タケ)
「墨田区」の名所は?と聞かれたまず真っ先に何を思い浮かべるのが、東京スカイツリー。他には渋く両国国技館や浮世絵にも描かれた亀戸天神。ポケモンGOおじさんたちの天国・錦糸町駅などなど。



墨田川と荒川に挟まれた「中州」のようなちょいと微妙な位置にある墨田区ですが、実は博物館が密集している知られざるアートスポットでもあるのです。



しかも博物館と言っても東京国立博物館のような公立の大きなものではなく、地元企業が運営するコンパクトな博物館ばかりです。

そんな墨田区内にある5つの企業博物館を紹介する小冊子が「すみだ 5つの博物館めぐりガイド」(すみだ企業博物館連携協議会)として無料配布されています。これを片手に一日で5つのミュージアムを巡ってみました。



果たして一日で制覇できるか。では、行って来ます!!

とは言ったものの墨田区全域にパラパラと点在している5つの企業博物館を一気に巡るとなると、徒歩では厳しいものがあります。

鉄道もJR総武線、地下鉄半蔵門線、東武亀戸線、東武スカイツリーライン、都営浅草線、京成線と複数路線にまたがっているので、土地勘のない不慣れな自分にとっては逆に時間をロスしてしまいます。


電動アシスト自転車 レンタサイクル『eチャリ』

そこで、目を付けたのがレンタサイクルです。しかも電動アシスト付き自転車!これが錦糸町駅近くのオリックスレンタカーで安価で借りられるので事前に予約をしておきました。

手続きはとても簡単で、お店員さんも親切で好印象。よい旅の始まりとなりました。

ポケGOの聖地・錦糸町をスタート地点としてまず向かったのが、錦糸町駅からスカイツリー方面へ向け歩いても10分足らずの場所にある、たばこと塩の博物館(日本たばこ産業株式会社)です。


たばこと塩の博物館

たばこと塩の博物館は以前は渋谷にありましたが、2015年4月25日に、ここ墨田区横川に移転・リニューアルオープンしました。

喫煙の場面は浮世絵でも数多く描かれています。こうした浮世絵(錦絵)から、江戸から現在に至るまでのたばこに関する資料や実際の道具などを多角的に紹介しています。




そしてもう一本の展示の柱が、たばこ同様に専売品であった「塩」の歴史と文化の紹介です。煙草はあくまでも嗜好品なので吸わなくても生きていけますが、塩は欠くことの出来ません。

日本の塩作りの歩みや、今流行りの岩塩・塩湖・天日塩などの世界の塩資源を科学的に実物や映像を交えて紹介している世界的にもとても珍しく貴重な博物館です。



詳細はサイトをチェックして下さい。特別展も頻繁に行っています→たばこと塩の博物館。これだけ充実した展示が観られて入館料100円って信じられません。すぐ明日にでも行きましょう!

一日ゆっくりと観ていたいところですが、限られた時間内に制覇すると自ら掲げてしまったので次の博物館へ向かうことにします。

自転車で5分程度で次の目的地・郵政博物館に到着します。スカイツリーを目指して行けば良いので迷う心配ゼロです。

東京スカイツリータウン・ソラマチの9階にある郵政博物館(公益財団法人通信文化協会)です。こちらもかつて千代田区大手町にあった逓信総合博物館が、2014年に移転・リニューアルし開館した博物館です。


郵政博物館

このスカイツリーを模ったポストから実際に郵便物を送ることが出来ます。消印なんて今の若い人は知らないかもしれませんが、このポストに投函すると東京スカイツリーの印影が入った向島郵便局の風景入日付印が押印されます。

この博物館もビルの中にある小さな博物館とは思えないほど暴力的な物量の展示品で溢れています。全てを観ることは不可能です。切手展示だけでも約33万種もあります。



展示室と同じくらい深い沼化しているのが、ミュージアムショップです。懐かしの記念切手、随時3万枚を超えるファーストデイカバー(切手と封筒と初日消印が一体になった郵趣用記念グッズ)が販売されています。

昔と比べ古い切手はとても安価で購入できるので、行くたびにあれこれと買い込んでしまいます。

企業博物館の良い点はとても接客が素晴らしいことです。

そろそろ12時を過ぎお腹も空いてきたので、次の目的地セイコーミュージアムへ向かう途中に腹ごしらえを。何も調べずにいつも行き当たりばったりが信条なのですが、飛び込みで入ったお店でとても美味しいカレーにありつけました。


古民家カフェ こぐま

自家製ランチとスイーツのおいしい古民家カフェ「こぐま」。昭和二年築の元薬局をリノベーションしたカフェです。


特製ひよこ豆のカレー

デザートは普段滅多に食べないのですが、こぐま自家製和スイーツ「あんみつ玉」という不思議なメニューに惹かれ頂きました。これはいけます!美味しいものにありつけるとその日の幸せ度がグンと上がりますよね。ご馳走さまでした~

セイコーミュージアム

世界のブランド・セイコーが1981年、創業100周年記念事業として開館した博物館です。2012年4月に本格的にリニューアルが行われ、時・時計の研究とセイコーの情報発信拠点となっています。



日時計のような原初的な時計から、最新鋭の機種まで1階・2階の展示室で紹介しています。受付でタブレット端末が無料で借りられるので、それを使いながら見聞きして行くだけで、完璧な夏休みの自由研究が出来上がります。



オリンピックにまつわる展示では、ちょっとした選手気分を味わえる工夫もされています。時計の博物館 THE SEIKO MUSEUM セイコーミュージアム、今回紹介する5つの博物館の中では公共交通機関の便が一番悪い館ですが、行くだけの価値は十分にあります。

東武博物館

東武鉄道の創立90周年を記念して、1989(平成元)年5月20日にオープンした今回巡った中では最も古参の博物館です。

東武スカイツリーラインの東向島駅高架橋下にある「駅ナカ博物館」には、かつて東武線で活躍していた蒸気機関車、電車などの実物車両が12両も展示されています。




今は大宮に移転してしまった、かつて万世橋にあった鉄道博物館のレトロな雰囲気をこの東武博物館でも感じることが出来ます。

お弁当を持って見学に来ている家族連れの姿が多く見られ、ほのぼのとしたとても居心地の良い博物館です。



運転シュミレーターは大人気!そして他の鉄道博物館にはないここだけの超人気スポットが、東向島駅のホーム下に位置する「ウォッチングプロムナード」です。

実際に走っている電車の車輪やモーター、ロングレールの伸縮継ぎ目などを目の前で観察できるのです。大相撲で言えば、土俵際の「砂被り席」のような特等席です。ここは子どもよりも、大人が興奮すること間違いなし。いや~楽しかったな~~

さぁ、残すはあと1つ。花王ミュージアムのみです。


花王ミュージアム

ここまでの4つの企業博物館いずれも個性的であり、見ごたえも十分で、しかも対応がとても素晴らしい館ばかりでした。

しかし、最後の最後にハズレを引いてしまいました。見学の3か月前から予約受付が必要で飛び込みでは見学出来ません。今回の計画を立てた時点でそれは分かっていたので、せめて外観だけでもと思い立ち寄りました。

受付けのおじさんにその旨を伝えると、けんもほろろに。しかも超絶態度悪し。企業のイメージアップの為に博物館をやっているにも関わらず、あの対応はあり得ません。

懐の広い人間と自負していますが、久々にカチンときました。無理して花王ミュージアムを入れずに他の優良な4つの博物館で連携して行くべきではないでしょうか。



「終わりよければ全て良し」の真逆の状態となってしまったので、帰りに亀戸天神にお参りしてから帰りました。厄払い厄払い。

5つの博物館を一日で駆け足で巡ってみましたが、気になった博物館どこかありましたでしょうか。こんな無謀な見方でなく、一か所をじっくりと見学し近くの美味しいお店でのんびり過ごしてみて下さい。


すみだ5つの博物館MAP

《近代工業発祥の地 すみだ》
職人の町として知られている墨田区は、江戸時代は隅田川や運河の水利を活かして、瓦・染色・材木・鋳物などの地場産業が発達、明治時代に入ると、本所地域を中心に、皮革・メリヤス・マッチ・レンガなどの製造がはじまります。
またこの頃には、長瀬商店(後の花 王)や、精工舎(後のセイコー)など様々な企業の工場が操業し、近代軽工業発祥の地となりました。
その後関東大震災、東京大空襲と度重なる災害を乗り越えながら、墨田区の近代工業は日本の高度経済成長期を支えてきました。


『東京 マニアック博物館 おもしろ珍ミュージアム案内 決定版』