3才からタバコを吸う!?……ヤバすぎる昔のタバコ事情【ファンシー絵みやげ】(2/2)

2019/1/18 12:00 山下メロ 山下メロ


■ 灰皿

喫煙具がファンシー絵みやげに非常に多い理由は、喫煙者が多かったからだけではありません。これは修学旅行などで、ファンシー絵みやげのメインターゲットである子供たちがお小遣いを持って観光地に来ているためです。子供たちは、お小遣いをくれた人に何かしらお土産を買って帰らなくては……と思うわけですね。当時、小中学生の親だった世代には喫煙者も多く、親が喫煙者なら子供はとりあえず灰皿を買って帰ったものです。


↑陶磁器の灰皿はかなりの種類が存在する。京都は新選組のパール加工灰皿、そして十和田湖のスター加工灰皿、石のようなプリントの妙高高原など、ここでは当時の雰囲気が色濃いものをチョイス。


↑定番の金属の灰皿。右側の佐渡のたらい舟は珍しい樹脂製。

陶磁器の灰皿は種類に商品数も多くて紹介しきれませんが、基本的には子供のお小遣いでも買えるように、型で大量生産した磁器に転写プリントした安価なものが多いです。


↑ライターと灰皿がセットで売られることも多い。


↑定番キャラクターBARiPARi FOXの灰皿。このように上部にスリットの入った灰皿も少数ながら存在した。


↑定番キャラクター Donguri Clubの灰皿。いわゆる煙草盆のような仕様。片方が灰皿、片方が煙草入れ。

陶器に限らず、金属製の灰皿にも色々な種類が存在します。さらに携帯灰皿などもあります。


↑上の取っ手(?)を押し下げると、下のフタになっている円形状の金属が高速回転し、遠心力で灰を下に落とせる灰皿。こんなものにまでファンシー絵みやげのイラストは印刷されていた。


↑長野県木曽路のきそうまらんど灰皿。非常に大きい。中に入れたミニディスクことMDと大きさを比較して、サイズを感じて欲しい。

■ 暖簾

主にスキー場で売られていた暖簾です。2019年では考えられないような文章に注目してください。


↑新潟県(越後路)のファンシー絵みやげ暖簾。ニコチン中毒者協力店や世界たばこ産業指定地区など、よく分からないことが書かれている。


↑全国ニコチン推奨協会という恐ろしい団体によるファンシー絵みやげ暖簾。書かれていることが自由すぎる。


↑スキー場のファンシー絵みやげ暖簾。今の常識とはかけ離れた文章たちを読んで欲しい。

では最後にこちらをご覧ください。



白虎隊は未成年が中心の部隊で集団自殺という非業の最期を遂げるのですが、そんな悲劇の子供たち(未成年)にタバコを吸わせるという……驚きの商品。こういう「ノリ」が確かに存在しました……。

では、また次回。






■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。

(文と写真:山下メロ)



《番組出演のお知らせ》

山下メロ presents ファンシー絵みやげ概論10

1月30日(水) 19:00~21:00 生放送

出演:山下メロ(著者)、てれこま(謎の店)、ヘッチャリンコ
天の声:宇川直宏(DOMMUNE)


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ライムスター宇多丸さんのラジオTBSラジオ「アフター6ジャンクション」に生出演いたしました。

放送はTBSラジオWebサイトの記事、もしくはラジオクラウドのアプリにて無料で聴くことができます。TBSラジオの中から「アフター6ジャンクション」を探してください。

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ラジオ関西『金原みわの珍人類白書』にファンシー絵みやげ研究家として出演しました。
放送はラジオクラウドのアプリにて無料で聴くことができます。ラジオ関西の中から「金原みわの珍人類白書」を探してください

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《記事掲載のお知らせ》
都築響一さんのメールマガジン「ROADSIDERS' weekly」に、私の記事が掲載されています。

ROADSIDERS' weekly 2018年03月14日 配信号 帰ってきたファンシー絵みやげ(写真・文:イチゴドロボウ)

《書籍発売のお知らせ》
ファンシー絵みやげ初のガイドブック『ファンシー絵みやげ大百科 忘れられたバブル時代の観光地みやげ』(山下メロ・著/イースト・プレス刊)を全国の書店で発売しています。


『ファンシー絵みやげ大百科 忘れられたバブル時代の観光地みやげ』(山下メロ・著)




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