【まだまだ間に合う】年末年始の海外旅行はここで決まり!

2018/12/14 09:00 yamasan yamasan
今年も残すところあとわずかですが、年末年始の予定はもう決まりましたでしょうか?
もう決まっているよ、正月は海外で、という方もいらしゃるかと思いますが、海外に行きたいけど仕事が忙しくてどこへ行こうか考える余裕がなかった、長期の休みがとれない、長時間飛行機に乗るのは疲れる、といったいろいろな事情があってまだ決まっていない方もいらっしゃるのでは。

そこで今回は、今からでも間に合う見どころたっぷりの海外の街を紹介したいと思います。

それはどこかというと…


そうです、ご存知の方も多いと思いますが中国の上海です。
上の写真は、外灘(ワイタン)地区から浦東地区の高層ビル群を見た夜景。肉眼ではわからなくても写真では川面にゆらめく七色のネオンの帯が見えるから不思議です。

上海をはじめとした中国江南地方は古来から気候が温暖で風光明媚、作物もよくとれて食も豊かで、文化の華も咲いていました。上海は私の住んでいる横浜より少しだけ暖かいといった感じで、今まで何回か年末に上海に行っているのですが、夜でもあまり寒いとは感じたことはありませんでした(もちろん横浜や東京でも天気が悪くなって雪が降ることもあるので、旅行前には現地の天気は要チェックですが)。
それに、飛行機も羽田空港から便が出ていて、上海・浦東国際空港まで片道約3時間のフライトであっという間に着いてしまいます。時差も1時間しかなく、飛行機の便さえよければ2泊3日もあればひととおりの市内観光ができます。年をまたがなければ旅行代金もそれほど高くはありません。

冬になれば上海も街のイルミネーションがきれい。こちらはヨーロッパ風の街並みを再現したオシャレな街「新天地」。




ちょっと路地に入ると粋なカフェも。


そして、かつては列強支配の象徴だった外灘地区の欧風建築群。
今では格好の観光名所。夜はこんなにロマンチック。


もちろん中国らしい街並みもあります。
明の時代に造られた中国式庭園・豫園(よえん)の周辺にある豫園商城には中華レストランや工芸の店などが軒を連ねています。
(豫園にはまだ入ったことはないので、機会があればあらためて紹介したいと思います。)




少し郊外に足を伸ばせば水郷の街「古鎮」が上海周辺にも数多くあります。
こちらは上海から地下鉄でも行かれる南翔老街。
最寄駅は地下鉄11号線の南翔で、そこから20分ほど歩いていくと水郷の街が見えてきます。




南翔老街は、小籠包の街として有名。できたての小龍包はもちもちでとてもジューシー。


そして、アートファンにとって見逃せないのが上海博物館の中国絵画コレクション。
中国絵画のコーナーには唐代から、五代、宋、元、明、清代までの絵画が年代順に展示されていて、どれも名作ばかりなので、じっくり見ていたら時間がいくらあっても足りないくらい。

こちらは、五代の董源(とうげん)《夏山図巻》(部分)。


「南に董巨(董源と巨然)あり」と言わた董源は江南地方で五代から宋初にかけて活躍した画家。この《夏山図巻》は江南地方ののどかな自然を描いた3m以上の絵巻です。

続いて元末四大家の一人、呉鎮の《漁夫図巻》(部分)。


静かな山水の景色と、中国文人たちの理想とされた漁夫が描かれています。
舟の上で気持ちよさそうに居眠りをしている漁夫。


愛嬌があって、しぐさもユーモラスな漁夫。


呉鎮の描くゆるキャラっぽい漁夫は結構好きです。

そしてこちらは明代に蘇州で活躍して、董源、元末四大家の流れをくむ呉派の祖と言われる沈周(しんしゅう)の《西山紀游図巻》(部分)。


以上は3年前に行ったときに撮った作品ですが、昨年行ったときには別の展示室で特別展「トレチャコフ美術館展」が開催されていて、一足早くイワン・クラムスコイ《忘れえぬ女(ひと)》にお会いしてきました。


bunkamuraザミュージアムで開催中の「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティックロシア」展(1月27日(日)まで開催)に行ったら、この女性に「またお会いしましたね」と言われそうです。

風景画もいい雰囲気です。


中国絵画以外にも青銅器、陶磁器、玉のコレクションも展示されているのですが、いつもそこまでたどり着けないうちに時間切れになってしまいます。
これだけ充実した展示の上海博物館ですが、なんと入場無料、館内の作品は原則撮影可です。

今年の年末も上海に行く予定なのですが、今回の楽しみは、現在開催中の董其昌の展覧会(「董其昌書画芸術大展」)。
(董其昌書画芸術大展は写真撮影不可です)
※上海博物館に行ってきました。董其昌書画芸術大展は予想以上に充実した内容の展覧会でした。
なお、12月22日時点では写真撮影可になっていましたが、今後については不明なので、これから行かれる方は必ず現地でご確認ください。

董其昌といえば、昨年1月から3月にかけて東京国立博物館と台東区立書道博物館の連携企画で「董其昌とその時代」が開催されたので、ご記憶ある方もいらっしゃるのでは。
明末に活躍した董其昌は、画家で、書家で、中国書画のコレクター、董源や元末四大家を継承し、後世にも大きな影響を与えた中国書画界のキーマン。その上、エリート官僚で権力を濫用したため民衆の怒りを買い邸宅が焼打ちにあって中国書画コレクションの多くが失われたというエピソードもあったりと、何かと話題の多い人。
そういった董其昌の展覧会なのでとても楽しみです。
こちらは上海博物館蔵の董其昌《画禅室小景図冊》


上海でもう一つおススメの美術館は、動く清明上河図を見ることができる中華芸術宮。


中華芸術宮への入場は無料ですが、動く清明上河図の展示室に入るには1人20元(約330円)の特別料金が必要です。
動く清明上河図の原画は、北京故宮博物院所蔵の張沢端《清明上河図》。北宋の都・開封(かいほう)の繁栄ぶりを描いたものと言われています。
2012年に東京国立博物館で開催された「北京故宮博物院200選」で来日しましたが、ご覧になられましたでしょうか。
私はことのとき90分並んで3分だけ見ることができましたが、それだけでは物足りなかったので、3年前に北京故宮博物院で公開されたときに行って見てきました。
その時の待ち時間はなんと8時間!
でもいったん会場に入ってからは他の中国絵画も含めてじっくり中国絵画の名品を楽しむことができました。
公式にはアナウンスされていなかったのですが、おそらく5時までに並んだ人は入館できて、実際の閉館は10時までだったのかもしれません。
会期末近くには、あまりに多くの人が殺到したので、なんと夜中まで開館していたようです。

私たちが見るスペースと動く清明上河図の間には川があって、この川を越えれば現代から目の前スクリーンに映る開封の街に入り込んでいけるような気になってきます。


この動く清明上河図は人物や動物、船が動くだけでなく音声も出ます。
《清明上河図》のクライマックス、虹橋とその下を通ろうとする大型船の場面では、大声でかけ声をかける水夫たち声が聞こえてきて臨場感たっぷり。


夜になると明かりがともってきて、酒場のにぎわいの声も聞こえてきます。


そして最後はシルクロードを歩いてはるばるやってきたラクダの隊商がゆっくりと入ってくるシーン。
「長旅お疲れ様でした。」


隅から隅までじっくり観察して、時間の移り変わりを見ていたらいつの間にか時間が過ぎてしまう空間です。

上海博物館「董其昌書画芸術大展」は3月10日まで開催されています。
今年の冬は上海に行ってみてはいかがでしょうか。