【衝撃】《叫び》は○○だった!?ムンクの3つの意外な真実

2018/12/2 09:00 明菜 明菜



ここに当てはまる顔、思い出せますか?

この絵はみんな知ってるムンクの《叫び》です。
正解の顔は、こちら。


☆エドヴァルド・ムンク《叫び》(1910年頃)オスロ市立ムンク美術館

あれっ、なんか違わない?
もののけ姫の「こだま」かな?
こんな顔だったっけ?

今あなたが思い出した《叫び》は、こんな顔じゃないはず。
だって…


◼︎《叫び》は唯一無二ではなかった!

最も有名な《叫び》はこっち。


エドヴァルド・ムンク《叫び》(1893年)オスロ国立美術館

でも、先ほどの「こだま」みたいなバージョンも正真正銘ムンクの作品です。

しかも、まだまだある。
画材を変えたり、版画にしたりして、《叫び》は量産されました。

同じ「耳を塞ぐ男」でも画材や背景のディテールを変えることで違う印象に。
ムンクは絵を沢山並べたときに生まれるハーモニーに気づき、何度も同じテーマを描きました。


左:エドヴァルド・ムンク《叫び》(1895年)個人蔵
右:エドヴァルド・ムンク《叫び》(1893年)オスロ市立ムンク美術館


ちなみに、耳を塞ぐ男性はムンク自身です。
だけど、ムンクが叫んでいるわけではないんです!

自然の叫び声を聞き、耳を塞いで怖がるムンク自身を描いた絵が《叫び》です。
つまり、叫んでいるのはムンクではなく、自然!


◼︎背景も唯一無二ではなかった!
ムンクは《叫び》しか知られていないほどに、1枚の絵のイメージが強い画家。
しかし、彼もいろいろ試して試行錯誤の末、ようやく《叫び》が生まれました。

《叫び》っぽいの絵の一作目は、《絶望》という作品。


☆エドヴァルド・ムンク《絶望》(1893-94年)オスロ市立ムンク美術館

他にもあって、《不安》も背景がそっくり。
何故か混雑していて、みんながこっちを見ていて、ぞわぞわする絵です。


エドヴァルド・ムンク《不安》(1894年)オスロ市立ムンク美術館

ムンクは似たような絵を沢山描く「連作」から生まれるハーモニーを奏でるため、こんな風に同じ背景の絵を描きました。
「生命のフリーズ」という連作で、愛・死・不安という生命と切り離せない要素を絵に描き出したのです。
血のように赤い空以外に、別のモチーフ・構図でもたくさんの連作を生み出し、「生命のフリーズ」が成り立っています。
ムンクが生きる限り続く連作という斬新なプラン。
つまり、ムンクは《叫び》だけの画家ではなく、人生をかけて1つの作品を作った画家なのです!


◼︎でもムンクは唯一無二!


☆エドヴァルド・ムンク《夏の夜、人魚》(1893年)オスロ市立ムンク美術館

同じ絵が沢山あるからって、セルフコピーばかりじゃないんです。
《叫び》系の絵だけでなく、特に美女なんか本当に美女ですよ!
《夏の夜、人魚》は特に美女。
ぼんやりして見えるけど、女性がまとう美女オーラまで描き出してるんだよなぁ。

やっぱりイケメンだからですかね?
イケメンだと美女を観察する機会が多いんでしょうか?


☆エドヴァルド・ムンク《自画像》(1882年)オスロ市立ムンク美術館

《叫び》の画家ムンク。
血のように赤い空とフィヨルドの画家ムンク。
美女の絵が上手くて自画像を量産するムンク。

どれもムンクの本当の姿です。
その一方で、色んな絵を描きながら、全てを貫く「ムンクらしさ」があるのも確か。
いやー、これはぜひ生で見てみたいですねぇ。


◼︎偶然にも、今だけ日本で《叫び》が見られます!

☆エドヴァルド・ムンク《黄色い丸太》(1912年)オスロ市立ムンク美術館

マジかー!
「ムンク展」は上野の東京都美術館で2019年1月20日まで開催中って、マジか!

ここだけの話なんですけど、《叫び》以外にも色々来てるんですって!
この記事で載せた作品のうち、☆マークがついているものは来日しています!

なんと約100点のムンク作品が見られる、正に「ムンク展」なんです。
人物画の他にも、のどかな自然を描いた作品まで来日してるなんて、誰にも教えたくない!

さらにここだけの話なんですけど、人気すぎて土日の混雑はもはや異常…
なので、平日の昼間や夜間開館の金曜など、できるだけ土日を避けるのがおすすめ!
ここだけの話ですよ!



ムンク展ー共鳴する魂の叫び

会期:2018年10月27日(土)~ 2019年1月20日(日)

休室日:月曜日 (ただし、11月26日、12月10日、24日、1月14日は開室)、 12月25日(火)、1月15日(火)

年末年始休館:12月31日(月)、1月1日(火・祝)

開室時間:9:30~17:30 ※金曜日、11月1日(木)、11月3日(土)は午後8時まで (入室は閉室の30分前まで)

会場:東京都美術館

公式HP:https://munch2018.jp
※作品画像はパブリックドメインの画像です。