【基本】流行と身だしなみは別…40歳過ぎたらココに気をつけよ!「男と女の上質図鑑」に学ぶ

2018/8/29 11:00 柚月裕実 柚月裕実


突然の暴風雨で、ベランダに干していた服が飛ばされたぞーーー!

痛い、痛すぎる……。
ローテーションが乱れる!!!


予期せぬ出来事に少々、混乱気味ですが、気を取り直していってみよー。
うぅ……。


着る服に悩むアラフォーライターが、洋服選び方を学び直すこのコラム。
第4回目は、ちょっと背伸びをしてみたいと思う。


今回ご紹介する書籍はこちら。

男と女の上質図鑑
「男と女の上質図鑑」(PHP)


■「男と女の上質図鑑」に学ぶモノの選び方

こちらの書籍は、「暮らしの手帖」の元編集長で、エッセイストの松浦弥太郎さんと、人気スタイリストの伊藤まさこさんによる上質をテーマにした共著。

書籍では、お二人が愛用する品々の紹介と、それにまつわるエピソードが掲載されている。
構成も「大人のおしゃれ」、「テーブルを豊かに」、「気分よく暮らす」の3章に分かれており、ファッションのこだわりから、椅子などの家具類、毎日使っている石鹸まで、お二人が選び抜いたこだわりの品がたくさん。

なんといっても、愛用品の美しい写真、やさしくて丁寧な文体、本をパラパラとめくっているだけで不思議と心が落ち着く。上質なモノ選びとか何かを買うとかの前に、この書籍を手にしている時間が上質という。そんな一冊。


松浦さん愛用の時計として、ロレックスのエクスプローラー、パテックフィリップの2点を挙げていて、それにまつわるエピソードが素敵だった。

松浦さんは「暮しの手帖」の編集長就任5年目のお祝いにロレックスを購入。そして、パテックフィリップのアクアノートはそれから3年後にご家族から贈られたのだそう。

「決して安いものではない。どのように工面して買ったのかわからないが、毎日腕にはめて時間を見るたびに励ましてもらっている」(書籍より引用)と綴っている。

とにかくタフなことで知られるロレックスの時計。大切にメンテナンスをすれば一生モノは確実だ。パテックフィリップは、なんといってもご家族の気持ちがこめられているところが素敵である。
「モノと思い出」の二つがセットになると、ぐっと愛着が湧く。


一方、伊藤まさこさんは、一生のつきあいとして、ミキモトのパールネックレスを紹介。

品質の良さはお墨付きだが、接客が素晴らしいと記し
「買ったらそれでおしまいではなく、そこからミキモトのパールとのつき合いがはじまる。それがなんとも素敵だなと思っている」(書籍より引用)

120センチのパールネックレスを購入するまでに3ヶ月悩んだという。使い勝手の良さにもっと早く買えばよかったと後悔するほど、いまでは欠かせないアイテムなんだとか。
こちらもメンテナンスをすれば長く付き合える。長く続くブランドの安心感ったらない。


■接客業はお客様の◯◯を見ている!

もう一つ注目したいのが、お二人の対談だ。

松浦さん「いまは、総じてカジュアルなファッションが流行っているのかもしれないけれど、流行と身だしなみは別です」

伊藤さん「四〇歳を過ぎてから、身だしなみの大切さを痛感しています。着飾ることよりも、きちんと見えることが重要。」

とお二人の意見が一致。


「一、髪、二、姿、三、顔」という言葉があり、髪がその人の印象を決める一番のポイントになること、また接客業の方はお客様の肌を一番に見ていることなど、印象について語っているパートは身の引き締まる思いに。

特に「美しい髪や肌は一日二日の手入れでは手に入らない」
という松浦さんの言葉が印象に残っている。


洋服で着飾るとまではいかなくても、なんとなくそれなりに見えたら……なんて考えていたけど、これからは服主体で考えることからやめてみようか。それよりもまずは身だしなみを整えることに注力してみるとおのずと選ぶものが見えてきそうな気がした。
(なんだかおみくじに書いてあるお言葉みたいになってきたな…)


このところの買い物といえば、ガッシガシ洗えて、ウエストはゴム、毎朝服を選ぶのが面倒だからとりあえず黒か白! とまあこんな調子でしか買い物をしてなかったので、すごく情けない気持ちになった。


この歳にもなると、見た目と洋服がマッチしてないよ、なんて付き合いが長い人ほど気づきにくいし、他人は言い出しにくい。自分でも「誰も見てないからまあいっか!」となりがちだ。


“清水買い”なんて言葉があるように、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで買い物をするときは、店に足を運んで、じっくりと吟味して、時間をかけて選ぶ。ファストファッションがいいとか悪いとかではなく、そうやって選ぶ余裕をなくしてたことを反省したい。


これまで読んできたスタイリストさんらのエッセイにも、「プラダのニットは10年選手」、「なんどもなんども修理に出してクタクタになるまで履いたイギリスブランドの革靴」のようなエピソードが紹介されていて羨ましく思った。
手入れをして10年着続けた服やモノはあるだろうか……。

長く愛用することを念頭に入れながらじっくり選んでいこうじゃないか。


そもそもこの服選びに悩みはじめたきっかけは、太ったことも原因なわけで……。生活スタイルから見直すことも考えてなくては。
と、気持ちの上では大風呂敷広げてみたものの、このままいくとライ◯ップからはじめます、みたいなことにもなりかねないな……。


今回の教訓!
・おしゃれの基本はみだしなみ!
・髪や爪、肌の手入れを抜かりなく
・モノとなストーリーを考えてみる


一冊読み終えてみると、素敵なモノとの出会い、出会ってからのストーリーが楽しみになった。
何より、選び抜かれたもの、手入れされたもの、大切に扱われているものを眺めているだけで、気持ちが落ち着いた。そんな思わぬ体験をして、持つ人の気持ちが宿った愛用品に益々興味がわいたのであった。

何も買ってないけれど、なんだかワクワクしてきたぞ!(安上がりっっ)


(柚月裕実)