いまや京都の風物詩。今年も恐怖を乗せて走る「妖怪電車」!
▲京都の街を走る路面電車、通称「嵐電(らんでん)」。乗ってみると、あきらかにこの世のものではない乗客が……
いらっしゃいませ。
旅するライター、吉村智樹です。
おおよそ週イチ連載「特ダネさがし旅」。
特ダネを探し求め、私が全国をめぐります。
■今年も走るぞ恐怖の「妖怪電車」!
ひどい暑さと書いて、酷暑。
それにしても今年の暑さのひどみたるや、えげつないですね。
気温の高さがバケモノじみています。
僕が住む京都も連日38度を超え、39度を記録する日もあります。
37度だと「涼しい」とまで感じるほど、感覚がおかしくなっています。
すべてが溶解しそうな暑さ。
こういうときは「妖怪」に触れて、ひやっとしてみませんか。
というわけで今年も京都を走るようです。
あのウワサの「妖怪電車」が。
■お盆の納涼にぴったり「移動式 お化け屋敷」
いまや京都の風物詩。
今年も8月11日(土・祝)から15日(水)まで、「嵐電(らんでん)妖怪電車」が運行されます。
「妖怪電車」とは文字通り「車内に妖怪が出没する電車」のこと。
京都の路面電車「京福電気鉄道 嵐山本線」(通称:嵐電/らんでん 四条大宮~嵐山)を走行する、言わば「移動式 お化け屋敷」です。
■学生たちの造形作品なので文化祭っぽい雰囲気
この「妖怪電車」は、地元の嵯峨美術大学に通う学生たちを中心とした「百妖箱」が、造形の授業で学んだ技術を活かして制作した妖怪に扮し、電車に乗り込んでお客さんを怖がらせるという趣向。
今年で12年目を迎え、いまや京都のお盆の風物詩といえるまで定着しました。
この妖怪電車のなにがいいって、乗車料金が通常のままなのがいい(しかもお化けのコスプレで乗ると、乗車料金はたった50円に!)。
毎年楽しみで、昨年も乗車しました。
「移動式のお化け屋敷」だけあって、車内は薄暗く、内装もおどろおどろしい。
つり革の隣にマネキンの首が逆さに吊られていたり、おびただしい数の「ゴム手袋」がぶらさがっていたり(たぶんちぎれた人間の腕をイメージしているのでしょう)。
*画像は昨年の光景です
▲首が……
▲一反もめん的ななにかが宙を舞う……
▲つり革には腕が……(ゴム手袋ですが)
いいんです、このチープさが。
懐かしい学園祭のハンドメイドノリが丸出しで、コワい&青春、コワ甘酸っぱい。
ローカル鉄道ならではの洗練されすぎない「わびさび」が味わい深いです。
■車内に妖怪が登場すると大盛り上がり!
そうして、いよいよ発車。
ついに停車駅ごとに妖怪たちが登場すると……ゲゲゲ、車内は子供も大人も、老いも若きも「電車を止めるな!」とばかりに大盛りあがり!
なんと妖怪に飛びついて抱きつく浴衣美女まで。
ああ、うらめしや。
思わずぬりかべのように立ち尽くしてしまいました。
ラストは妖怪たちが縦一列に並び、電車だけに「Choo Choo TRAIN」を踊って(オバケザイル?)、終着のターミナルステーションへ到着。
▲妖怪たちが「Choo Choo TRAIN」をダンス!
▲終着駅にも妖怪たちが待ち構えていた
本当、楽しかったです。
たった220円で、ここまで気持ちがHiGH&LOWになれる娯楽はそうそうないのでは。
■なんと通常料金で乗車できる
●運賃は大人220円、こども110円ですが、妖怪と認定されると50円でご乗車いただけます。
●専用の乗車券が必要で、ご乗車駅(四条大宮または嵐山)で各便の出発時間の約40分前より発売します。
●恒例となった妖怪の人気投票「嵐電妖怪総選挙」も行われます。
あなたも乗車してキャーキャー叫べば、猛暑もストレスも吹っ飛びますよ。
お盆ですから、車内は叫び声をあげる「奇声客」できっとにぎわうでしょう(サムくなっていただけましたか?)
妖怪電車
http://randen.keifuku.co.jp/randen_news/detail.php?y=2018-08&c=2
TEXT/吉村智樹
https://twitter.com/tomokiy
タイトルバナー/辻ヒロミ