【紅葉も見頃】関東のコケの秘境「チャツボミゴケ公園」が唯一無二の絶景でブレイク寸前!

2018/10/26 17:20 スージー小江戸 スージー小江戸
ここ数年、空前の苔(コケ)ブームがモフモフと盛り上がっています。

見た人誰もが「ジブリみたい!」と叫んでしまう苔の絶景は、実際に「もののけ姫」のモデルとなった屋久島の白谷雲水峡を皮切りに、青森の奥入瀬渓流北八ヶ岳の白駒の池などが次々とブレイク。




▲白駒の池&周囲に広がる広大なモッフモフの「苔の森」

しかし、そんなジブリ系とは一味違う、ユニークで不思議な苔の絶景があるのです。その名も

チャツボミゴケ公園





まず名前からして不思議。チャツボ?ゴミ?何のことだか、どこで区切るのか分からないけど、とにかく声に出して読みたくなります。

チャツボミゴケは漢字で書くと「茶蕾苔」。強酸性の水域を好む特別な苔で、世界中の苔類18,000種類の中で最も耐酸性があるのだとか。

そんなレア苔が国内最大規模、本州で唯一群生しているのがココ、群馬県中之条町の六合(くに)地区



草津温泉街の北側にあり、西側には広大なラムサール条約登録湿地の芳ヶ平湿地群と、今年1月に噴火した草津白根山(本白根山)があるという位置関係。

なので西の長野県へ抜ける国道292号は通行規制がかかる時もありますが、県境の渋峠の「日本国道最高地点」側から見る芳ヶ平方面は、日本離れしたとんでもない絶景です。


▲チャツボミゴケ公園~芳ヶ平ヒュッテ周辺まで湿地群のトレッキングは可能だそう

◆   ◆   ◆

では、ここからいよいよ本題! チャツボミゴケ群生地に行く前に、距離にして1500m手前にある受付で入園料を払います。



公園は冬季と夜間は閉鎖なので、先に開園期間と時間の確認をしましょう。

●2018年度の営業は11/30(金)まで
●見学の受付時間:4~9月は9:00~15:00まで/10~11月は9:00~14:30まで
※季節・天候によって変更となる場合あり
●入園料:1人500円(小学生以下は無料。中之条町民は1人300円)

以前は町や県の天然記念物ではあったものの知る人ぞ知る“秘境”だったのが、ついに2017年2月に国の天然記念物に指定

外来種持ち込みリスクから苔を守るため、群生地付近への乗用車乗り入れは禁止に。受付から先は
・徒歩(片道1.5km)
・園内巡回専用バスで移動後、降車場から500m徒歩
のどちらか
になりました。

1.5kmを歩いていくのもなかなかオツですよ。以下は夏に訪れたときの写真ですが、





自然豊かな道沿いには小さな池や神社、ソーラーパネルが現われ、東屋が立つ園庭には



大きな褐鉄鉱の鉱石が。平安・鎌倉時代には色彩の良い赤色の部分は鳥居の塗料「紅殻(ベンガラ)」として都へ運ばれたらしいです。

さらに歩いていくうちに分かったのが、周辺の滝の壁面やら川底やら、露出してる岩壁はみんな見事なまでに赤い!







それもそのはず、昭和18年~昭和41年(1943~1966)の23年間、この付近一帯は鉄鉱石が露天掘りされる群馬鉄山だったのです。

採掘された鉄鉱石は索道で太子(おおし)駅へ。そこから今はなき貨物専用線で現在の長野原草津口駅へ、さらにJR吾妻線で渋川方面へと輸送されていたそう。ちなみに太子駅は群馬鉄山が閉鎖した後、廃駅になり現在は…



ホッパと呼ばれる、鉄鉱石の積み込みに使われたコンクリート建造物の基礎や車止めが残っていて、ホームやレール、駅舎が復元されているのだとか。気になる人は 太子駅跡もまわってみるとよいかもですね。

◆   ◆   ◆

さて、受付から歩くこと約20分、専用バス降車場からは2~3分でチャツボミゴケ群生の一端がいよいよ目の前に!



突き当たりの湯滝から流れ来る水の傍らに、しっとりと水分を含んでフカフカのチャツボミゴケが広がっています。「まるでビロードの絨毯」という表現もあながちウソじゃないと納得。



常に水に濡れているからなのか、鉄鉱石が今も生成される土壌との兼ね合いなのか、苔の色は緑というより蛍光黄緑で目にまぶしい。「さわったらどんなに柔らかくてモフモフ…」といけない衝動に駆られるけど、ここは妄想だけでガマンです。



チャツボミゴケはウロコゴケ目ツボミゴケ科に属し、学名がこれがまた…

ユンゲルマンニア・ブルカニコーラ

だそう。いろんな成分を混ぜてできた得体の知れない飲み物のような、何とも味わい深い名前ですね。

メインの群生地は周囲にぐるりと木道が設置してあるので、その上を歩きながらのんびりと苔を愛でることができます。ゆっくり歩いても1周20~30分くらい。







この場所は、今も別名として何度も表記を見かけますが、昔は

穴地獄

というオドロオドロしい名前で呼ばれていました。

なぜかというと「元は白根火山の爆発でできたすり鉢状の大きな穴で、硫酸酸性泉の20℃ほどの鉱泉が湧き出し、動物が落ちると出られなくなって死んでしまったからといわれている」って、

めちゃ怖っ!!





確かによく見ると、白や黄色の「湯の花」みたいなものがたくさん岩肌にこびりついて、いわゆる硫黄臭というか温泉のようなにおいが強く漂っています。

心なしか、白い成分に触れた葉や近くの葉は枯れているような…





トンボは大丈夫なんでしょうか。



しかし、そんなの関係ねぇ!とばかりにコケは生き生き。





見れば見るほど、なぜこんな過酷な場所に唯一チャツボミゴケだけが適応できたのか、わざわざ好きこのんで生きているのか不思議だし、謎は深まるばかり。





でもそのおかげで、湧き出しては流れくだる透明度の高い酸性水と、鮮やかな苔が織り成すユニークでどこか不思議な景観は見飽きることがありません。

さらに、春にはツツジが咲いて赤と苔の黄緑、秋のちょうど今、例年10月後半には紅葉と苔の黄緑が見事で、美しい色彩のコントラストが存分に楽しめるようです。


国の天然記念物指定を受け、今では東京方面などからツアーも組まれる状況。すでに苔好き・絶景好きには知られる場所になりつつありますが、こんな強酸性の場所に棲み付く不思議でモフモフのチャツボミゴケに、あなたも会いに行ってみませんか?




■チャツボミゴケ公園 ホームページ
http://chatsubomigoke.web.fc2.com/

■中之条町観光協会「穴地獄・チャツボミゴケ」ページ
https://www.nakanojo-kanko.jp/shizen/chatsubomigoke.shtml


(スージー小江戸)