【開眼】40歳からは選び方を変える「マイベーシックノート2」に学ぶ大人服の極意

2018/8/1 23:51 柚月裕実 柚月裕実


着る服がないと悩むアラフォーライターが、洋服の選び方を学び直すこのコラム。
第三回目の教科書は、女性ファッション誌「Oggi」のエディターによる著書「My Basic Note II」(小学館)。


Oggiエディター 三尋木奈保 My Basic Note2:”きちんと見える” 大人の服の選び方


■30代から40代へ、体型、意識の変化、環境の変化とともに選び方もアップデート

“II”とつくからには第一弾もあるわけで、このシリーズはどちらも永久保存版級におすすめしたい書籍。

著者はファッションエディターの三尋木奈保さん。女性ファッション誌「Oggi」でエディターをされている方で、初となる著書『My Basic Note 「ふつうの服でおしゃれな感じ」のつくり方』(2013年発行)は12万部のベストセラー。

2013年の発売当時、書店でみつけたときは「ありそうでなかった!これだ!」、「こういうの待ってた」と衝撃を受けたことをよく覚えている。

流行に左右されまくっていた20代を経て、30代も半ばになると、これまで寄りかかっていた雑誌にも違和感を持ち、当然そうやっておしゃれについて学んだり、工夫をしたりしてこなったツケが一気にまわってきたのだった……。

感激したポイントは、ベーシックアイテムなのに素敵に見えたこと。
たとえば、膝丈スカートに半袖ニットのコーディネートって、OLにはよくあるoffice casual……(おっ、変換したら英語に…発音よく読んでください)…改め、オフィスカジュアルの代表格。


無難なスタイルが垢抜けて、こうもこなれた感じに見えるようになるものか!と衝撃を受けたことが、この書籍&著者に惹かれるようになったきかっけだ。

冬場のスタメン「黒いタイツ」も、思考停止と機能性だけで選んでいたけれど、ネイビーグレーに変えるだけでぐっと印象が変わる。

寒さのあまり120デニールのタイツを履いたら靴が履けなくなった、と笑い話をしている場合じゃない。
カラーだ!!思考停止していた頭をガツンと殴られたくらい衝撃的だった。(おおげさ)

出版社で働いている方だけに、オフィスで作業する日はデニムにスニーカーの動きやすいスタイルの日もある。これがすごくリアルだった。
ペリーコのパンプスもあれば、ZARAのフラットシューズも履く。紺のジャケットに白いシャツという清楚なトラッドスタイルと、守備範囲は広いのに統一感があるところが素敵で、選択の基準にブレがないことがわかった。
「買う服に悩んだら小物を充実させよ」と教えてもらったのもこの本。

あれから早いもので5年が経過。著者も40代へ突入(見えない!)と、シリーズ第二弾「My Basic Note II」が発売に。


■40代になったらとろみ素材で潤いを補う!

この間、白いリネン素材のシャツをしたときのこと。




え?


割烹着??




20代半ばではじめて電車の窓に映る疲れた顔にびっくりした時ぐらいの衝撃だった。
おいおいおい、まじっすか。

形も影響してたとはいえ、ここまで似合わない服は久々だった。
夏だしーリネン素材で、抜襟してラフに着こなそうかなぁーって、とんでもない!


なぜ似合わないのか、その答えが「My Basic Note II」にあった。

三尋木さんがこの5年で経験した一番の大きな変化は「化繊の服」を着るようになったとのこと。
年齢と共に肌が衰え、ハリやツヤが失われつつあり、「化繊の服が、足りなくなったものを補ってくれる」、「天然素材の服だけを着ていると、ときに印象が鈍ってみえることに気づきました」と綴っています。



……似合わなかった白のリネンシャツ、潤いを補えてなかった説。


要因としてはもう一つ。パーソナルカラーとの相性もあったと思う。
「白」と言っても実はいろんなタイプの白があり、アイボリーに近い白、青みがかった白……と肌や髪、瞳の色などから割り出す「パーソナルカラー」とマッチしなかったのかも。


とにかくツヤがなく、顔色が悪く見えてしまった。
(天然素材でも、ネイビーやブラックの光沢があればしっくりきていた可能性も)


これがインスタだったら加工でもすればいいのでしょうが、普段着ともなればごまかしは効かないわけで、リアルに自分がちゃんと映えるアイテムを探し出すしかない。

今年話題のZOZOスーツは自分の体型にフィットする服を選んでくれるそうですが、サイズと共に、肌、髪、瞳の色などからパーソナルカラー診断をして、諸々の条件も加味してくれたらより素敵だなと。

さて、話はそれましたが、三尋木さんの尊敬すべき点はたくさんありますが、なんといっても「長く着られるいいもの」を揃えているところ。

「気に入ったものを、長く大切に使う」と三尋木さん。年齢に合わせて入れ替えが必要なものがあるとしつつ、
ベーシックで上質な小物やジュエリーは、自分らしさの「核」として大事に育てていきたいもの」(書籍より引用)

自分の核……。
言われてみれば、あまり考えたことがないかも。
自分を印象付けるアイテムであり、機能性も外せない。好きなスタイル、嫌いなスタイル、理想のスタイル、どんどん条件を出して、自分の核を洗い出してみようと素直に思えたのでした。

他、躊躇しがちな赤いリップの取り入れ方もお見事で、流行の取り入れ方、トップスからタイツ、靴のグラデーションなど、色使いも参考になりそう。


今回の教訓!
・ツヤを補うなど、“リアルに映える”服を探すまで試着したおすべし
・自分の核は何か、洗い出しみるべし
・5年、10年、それ以上…長く付き合える上質なものを検討してみる


ベーシックとあるだけに、流行に左右されない、基本かつ素敵にみえる着こなしがたくさんあるので、 特に会社勤めをされていている方におすすめ。

一枚のTシャツが、かっちり系にもカジュアル系にもつかえる応用テクは必見。
アイテムの選び方、そのものが変わりそうな一冊です。


さて、夏のセールも終盤になりました。今年はとにかく買わなかった!
というのも、第一回目でご紹介した「大人セット」が足りていなかったことがわかったので、店をパトロールしながら長く着られる大人セットを探しています。
いつまで続くのか服探し……。


次回は、ちょっと背伸びをして、これぞ大人!な書籍を取り上げます。
長く使えるもの、良いものとはなんぞやというところを探ってみたいと思います。


(柚月裕実)