熱中症予防に!体内の熱を冷ます食材を食べよう【お手軽コンビニ薬膳】

2018/7/25 07:00 satomin satomin


こんにちは、国際中医薬膳師のsatominです。

連日、暑いですね。テレビでは「命に関わることもある危険な暑さ」と連呼され、7月23日には、埼玉県熊谷市で観測史上最高気温の41.1度を記録!!同日、東京都でも観測史上初めての40度超えというニュースもありました。
気象庁でも、「命の危険がある温度。一つの災害であるという認識」として、熱中症に厳重な警戒が必要と喚起しています。

熱中症対策として、スポーツドリンクや経口補水液、塩タブレットなどを用意している方もいるかと思いますが、薬膳でも体内の熱を冷ます働きがある食材があるのでご紹介します。ぜひ参考にしてください。





夏と言えばスイカ!!




水分の多いスイカは水分補給にもなりますし、食べる時に甘みを増す為に塩をふる人も多いと思いますが、塩分の補給にもなり一石二鳥と言えます。


次に、これも夏のフルーツで思い浮かべるパイナップルがおすすめ。





スイカもパイナップルも、体内の熱を冷ます清熱、暑邪を取り除く解暑の作用があり熱中症予防に最適です。

他にもレモンやメロンなどフルーツには、清熱作用があるものが多いです。


フルーツ以外では、中国や台湾などで夏になると食べられている緑豆。
日本では小豆や黒豆に比べてポピュラーではありませんが、緑豆もやしや緑豆はるさめは食べたことがあるのでは。

緑豆は清熱と解暑の作用があるので夏場に摂りたい食材の1つです。





緑豆は乾物で保存もしやすいので、常備しておくとよいかもしれません。
砂糖控えめにして塩を少し入れて煮てぜんざいや、冷やしぜんざいに。
筆者は作りたての緑豆ぜんざいを楽しんだ後、残ったのを冷凍庫で固めて緑豆アイスバーにしています。
暑い!と感じたらすぐに食べられる緑豆アイスバーはおすすめです。


他には、沖縄料理でもよく使われている苦瓜(ゴーヤ)も解暑の作用があります。 沖縄で食べられるのも理にかなっていると言えます。
台湾でも、街中で緑や白いゴーヤのフレッシュジュースを販売しているのをよく見かけます。飲みやすく「蜂蜜苦瓜汁」として蜂蜜を入れているところもあります。
これも現地での暑さ対策なのだろうなと思います。日本も猛暑で南国化しているので、台湾スイーツのようにそのうち日本にも上陸しそうですね。





お茶の中では緑茶が夏には最適です。




涼性で熱を冷ます清熱、津液を潤す生津作用があり、頭痛やめまい、目の充血、口の渇きなどを改善します。
「茶葉」として生薬にもあり、清熱瀉火薬として用います。

モロッコなどで飲まれているミントティーのように、ミントをいれて飲んでも清涼感があってよいですね。




ミント(薄荷)は辛涼解表薬の生薬としても用いられていて、涼性で、熱を身体の外に発散する働きがあります。緑茶と同様、頭痛や目の充血といったものから、発熱などにも適応します。


ちなみに、生薬の去暑薬として「荷葉(かよう)」という物があり、これは蓮の葉のことです。
ベトナムで飲まれる蓮の葉を使ったハス茶(ロータスティー)も薬膳的には暑気あたりには適していると言えます。(ハス茶の中には蓮の葉を使っていないものもあるので注意。)


国産の手作り ハスの葉茶 2g×30包



■禁忌!食べるのを避けたいもの

夏の盛りには、温熱性の食べ物を過剰摂取は控えたほうがよいでしょう。
毎日職場のエアコンで冷えて仕方がない、といったような冷え性の人は除きます。


例えば、北海道で食べられるジンギスカンで使われる羊肉は温性で体内を温めるので、夏には過剰に摂取するのは避けたいところ。沖縄でよく食べられている豚肉は補陰作用があり津液を潤し、気血を補うので暑い時には羊よりは豚肉を選びましょう。




唐辛子や胡椒、クローブ(丁香)やフェンネル(茴香)、八角(スターアニス、大茴香)、山椒などのスパイスも温熱性なので、過剰な摂取は控えましょう。

温熱性を避けるといって、逆に極端に冷えたものや生ものの摂りすぎも脾胃の機能を損ないます。
夏は脾胃の機能(消化機能)が落ちやすいので注意が必要です。



■お手軽!コンビニ薬膳

いつものコンビニで手軽に薬膳!
スイカやパイナップルのカットフルーツは、手軽に食べられるのでおすすめです。
筆者は、体の内部に熱がこもっているのを感じる時は、パイナップルのカットフルーツと炭酸水(無糖)をあわせて食べます。清涼感もあり、パイナップルがよりジューシーになるのでおすすめです。
砂糖や脂肪分などもないので、デザートにアイスやプリンなどの替わりに食べる置き換え食に最適です。




食事系では、緑豆はるさめを使った春雨サラダや春雨入りスープを選びましょう。
サラダには、熱を冷まし、口の渇きを潤すキュウリやトマトが入っているとなおよしです。



中医学では自然界にある六気(風・寒・暑・湿・燥・火)が人体に影響を及ぼし不調の原因となる「外邪」となり、病気の原因になる六淫(りくいん)となると考えます。

夏には暑邪が、猛暑には火邪が盛んになる為、体内に侵入すると気と津液を損傷します。
高温多湿の日本の夏は湿邪を伴い、湿邪と熱邪が結びついた湿熱となります。
症状が重い場合は医療機関に早めにかかりましょう。

夏の養生としては、体内にこもった熱を下げる清熱作用のある食べ物を摂取し、不足した津液を補う生津作用のあるものや、脾胃の機能を高める健脾作用のあるものを食べるようにしましょう。



■薬膳ってなに?

薬膳というと難しそう、専門的な材料がいるんでしょ?と思う方もいるかと思いますが、すべての食物に効能があり、身近な食材でもできます。

さらに、薬膳は特別な食材のことではなく、食材の選び方、食べ方です。体質や体調(内的要因)、あるいは季節や気候(外的要因)などによって適した食材を摂る食養生法です。バイオハックのひとつとも言えるのではないでしょうか。

家で食事を毎日作っているという方はもちろん、料理を作らないという人でも、レストランでのメニュー選びや、コンビニでお昼を選ぶ時など、日々の食事に薬膳の考えを取り入れてみてはいかがですか。


(satomin@国際中医薬膳師)