つらい肩こりには○○が効果的!食べるとよい食材とは?【ズボラ薬膳】

2018/6/7 17:00 satomin satomin


こんにちは、satominです。
国際中医薬膳師である筆者が、身近な食材を使った薬膳を紹介する“ズボラ薬膳”。
今回は肩こりの薬膳です。

PCに向かって原稿を書いているのですが、PCに使いすぎですっかり肩こりです。
スマホの使いすぎや、PCでの長時間の作業、家事、ストレスなどからくるつらい肩こりに悩まされている人も多いと思います。

地味につらい肩こり。対策といえば肩もみや湿布、ストレッチなどですが、食べて体の中から改善しましょう。



お手軽ズボラ薬膳file02:つらいコリや痛みを改善!肩コリの薬膳


東洋医学(中医学)的に、肩こりは気の滞り(気滞)と血の流れが悪くなる(お血)と捉えます。
「気」というのは人体の基本的なエネルギーであり、全身をめぐるパワーの源のことです。
改善するには、気を巡らす「理気」と、血流を良くする「活血化お」の効能がある食物を用います。


では何を選んだらよいでしょう?


まず、身近な食材ではなんといっても柑橘類です。
みかんや、きんかん、グレープフルーツ、シークワーサー、すだち、たちばな、柚子などがよいです。


輸入 Wismettacフーズ グレープフルーツ白 3個
▲グレープフルーツ

生薬では陳皮(ちんぴ)がよく薬膳茶の茶材にも使われます。陳皮はみかんの皮を干したものです。


次に、活血化おの食材はクランベリー!
活血にはベリー類がいいのですが、その中でもクランベリーがおすすめです。
ドライのクランベリーなら手軽に購入できますし、パンなどにも入っているので取り入れやすいですよね。

【創業60年 ドライフルーツ専門店 小島屋 】 保存料不使用 ドライ クランベリー 1kg アメリカ産 クランベリー
▲クランベリー

代表的な活血化おの生薬は紅花(べにばな)です。紅い染料や、紅花油などで使われる紅花です。



ヨーグルトに柑橘類とクランベリーをトッピングして食べるなら毎日できそうですよね。
濃い目に淹れた紅茶に黒砂糖をまぜて、湯通ししたクランベリーを入れて一晩置いた、クランベリー紅茶漬けも美味しいです。そのままでもヨーグルトやアイス、バウンドケーキなどの焼き菓子にかけてもOK。



薬膳茶アドバイザーとして、これからの暑い季節に最適で、インスタ映え抜群なセパレートティーをご紹介します。
女子会にも最適!お洒落な上に肩こりもほぐれちゃうドリンクです。




・クランベリー グレープフルーツ セパレートティー




材料:※[性味、帰経、効能]
クランベリー[酸甘/平、心肝腎、活血、化お]
グレープフルーツジュース(果汁100%)[甘酸苦/寒、肺肝脾、理気、化お]
紅茶[苦甘/温、心肺、養心、安神、止渇、利水]
砂糖、ガムシロップ(シュガーシロップ)、水、氷。


作り方:
1. クランベリーの紅茶漬けを作る。ドライクランベリーをさっと湯通し油切りをする。紅茶にドライクランベリーを入れ一晩漬ける。お好みで紅茶に砂糖を入れる。
※クランベリーシロップやジャムでも代用可。
2. アイスティーを淹れます。リーフがない場合はティーバッグでも可。手っ取り早く無糖の午後の紅茶でもOK。必ず無糖で!
3. クランベリーをコップの底に入れます。上からコップ7分目くらいまで氷をいれます。
4. グレープフルーツジュース(40cc)とガムシロップ(シュガーシロップ)(20cc)を別の容器で混ぜます。
5. 氷にあたるようにグレープフルーツジュースをコップの半分程度まで注ぎいれます。
6. さらに上からアイスティーを氷にあたるように静かに注ぎいれます。
7. あればミントの葉を飾って出来上がり。





ダージリンやヌワレエリアなどの黄色みのある紅茶だとセパレートがわかりづらいので、キャンディやニルギリ、もしくはブレンドがおすすめです。

セパレートに分かれさせるには糖分差が必要なのでグレープフルーツジュースは多少甘めにしても大丈夫です。紅茶は必ず無糖にしてください。

紅茶は温性なので寒涼性の偏りをなくし、凝り固まった肩をほぐしてくれます。



◆薬膳ってなに?

薬膳というと難しそう、専門的な材料がいるんでしょ?と思う方もいるかと思いますが、すべての食物に効能があります。
漢方で使われる生薬(中薬)と同じように、食物にも性味、帰経、効能があり、中医学基礎理論を元に、人(年齢、性別、体質)、時(季節、時刻)、地(地形、地域、食文化)にあわせて摂りいれます。

食性:温、熱、平、寒、涼
食味:甘、辛、酸、苦、鹹
帰経:肝、心、脾、肺、腎


また、東洋医学では陰陽五行説の思想がベースにあり、薬膳も同様です。陰陽のバランスと、五行(性味帰経)のバランスをとることも大切です。
なお、中医学の五臓「肝心脾肺腎」は西洋医学の概念とは違います。






◆他にもある肩こり持ちが食べておきたい食材

肩こりに適している食材は前述した他にも、理気では玉ねぎやピーマン、鮭などが、活血化おとしてはニラや菜の花、カカオ、酢などがあります。
白ワイン、赤ワインは辛味温性で肝経に帰経し、理気の効能があるので肩こりに最適。パエリアに使われるサフラン(番紅花)は、活血化おの効能があるので、パエリアとワインの組み合わせは肩こり改善メニューと言えそうです。肩こり持ちはスペイン料理屋さんへぜひ!(笑)




また、ストレスが肩こりの原因になることも。ストレスがたまると肝気鬱結になり、気滞お血から肩こりになる為、ストレスを発散することも大切です。
ストレスを発散するには疎肝理気の効能がある食物を摂りたいです。紅茶以外のお茶では、最近“ジャスミン男子”で話題のジャスミンティーも肩こりには適しています。ジャスミンティーには疎肝理気と散お、解鬱の効能もあり、加えて花香は緊張やストレスを緩和させるのでストレスによる肩こりには最適なお茶と言えます。

急性の肩こり・肩の痛みがある(風寒タイプの)場合は、温通血脈の効能があるシナモンと辛温解表の生姜をいれたホットティー(紅茶)を飲みましょう。



薬膳というと、高麗人参や桂枝(シナモン)、クコの実などそれっぽい食材を使った料理のように捉えられがちですが、身近にある食材で手軽にできます。薬膳は食材ではなく食材の選び方や食べ方のことです。体質や体調(内的要因)、あるいは季節や気候(外的要因)などによって適した食材を摂る食養生です。

「料理苦手だし」「家で作るのは面倒…」という方も、レストランやコンビニで食事を選ぶ時にも薬膳を意識するだけでも違ってきます。
食べた物が数日後、数年後のあなたの身体を作っていきます。
例えば、食後のデザートを選ぶ時、肩こりがひどい時にはクランベリーや柑橘系のデザートを選んだりなど…日々の食事にぜひ薬膳をとりいれてみてください。


(satomin@国際中医薬膳師、薬膳茶アドバイザー)