こどものためだけじゃ勿体無い!オトナのための絵本と展覧会のススメ

2018/5/21 08:30 KIN KIN
ゴールデンウィークに絵本作家のかこさとし氏の訃報が入りました。「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」シリーズなどの名作絵本は子どもの頃に読んでいた方は多いのでは無いでしょうか?

「からすのパンやさん」

加古 里子(著)

7月からかこさとし展が開催されます。亡くなる前から企画されていたこの展覧会が追悼展になってしまったのは残念です。

かこさとしのひみつ展−だるまちゃんとさがしにいこう−
https://www.kawasaki-museum.jp/
川崎市市民ミュージアム 2018/7/7-9/9



と言うことで、今回は絵本の特集です。

絵本と言うと子ども向けのものというイメージの方が多いでしょうか?ところが結構大人でも楽しめるものなんです。絵や色が綺麗で、つくりもしっかりしている物が多い絵本はプレゼントとしても良いです。面白い仕掛けがあったり、シュールなお話もあったり、入り込めばかなり面白い世界。絵本のコレクターなどもいるんです。

原画を見る事が出来たり、そんな絵本の楽しみを知るきかっけになりそうな、東京からすぐ行ける展覧会などを絵本と併せて幾つかご紹介したいと思います。



海外の美しすぎる絵本。
まずは海外の有名な絵本作家の展覧会です。時に美しく、時にシュールに。

「はらぺこあおむし」

エリック=カール(著)、もり ひさし(翻訳)

まずはつくりの面白い絵本と言えばまずこれが真っ先に出てくるのではないでしょうか?オリジナル色紙の切り絵はとにかくカラフルで色が綺麗!これだけで部屋に飾っておきたくなります。丈夫な厚めの紙を使っていて小さな子どもが扱っても安心。穴が空いているページがあったりちょっとした仕掛け絵本としても楽しめるのがまた人気の一つなんでしょう(幾つかバージョンがあります)。

この本の作家、エリック・カールの展覧会が福島県のいわき市立美術館に巡回中です。この方の絵本では「パパ、お月さまとって!」と言う絵本もオススメです。

エリック・カール展
http://www.city.iwaki.lg.jp/artmuseum.html
いわき市立美術館 2018/4/14-5/27



「きりのなかのサーカス」

ブルーノ ムナーリ (著)、谷川 俊太郎(翻訳)

この本の作家、ブルーノ・ムナーリはデザイナーとしても活躍しているのもあり、とにかく素晴らしく美しく、センスの良い本を多くつくっています。グラフィックの良さはもちろんですが、そこに半透明の透ける紙を挟み込むことで霧を表現したり、仕掛け絵本としても一際美しいつくりになっています。センスのよいプレゼントとしてイチオシ。コレクションしておきたい欲をそそるものです。詩人の谷川 俊太郎さんが翻訳しているのもイイですね。

ムナーリの展覧会は現在、神奈川県立近代美術館 葉山館で開催されています。また11月には世田谷美術館にも巡回してきます。

ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h
神奈川県立近代美術館 葉山 2018/4/7-6/10

ブルーノ・ムナーリ—役に立たない機械をつくった男
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
世田谷美術館 2018/11/17-2019/1/27



「うろんな客」

エドワード ゴーリー(著)、柴田 元幸(翻訳)

こちらはもうこれは子供向けではない。まさにオトナの為の絵本。ダークでひねくれてて奇妙な世界が展開される絵本。作家のエドワード・ゴーリーは独特の言葉遊びを用いた少し残酷で不気味な世界観の絵本を描く人。大人のファンが多いです。

ゴーリーの展覧会が日本で開催されることを知った時はかなり興奮しました。このシュールな世界の魅力を皆さんに是非知って欲しいです。日本あちこちを巡回してきた展覧会が今年、八王子市夢美術館で開催されます。

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展
http://www.yumebi.com/index.html
八王子市夢美術館 2018/7/13-9/2



児童文学から生まれた絵本。
児童文学から絵本になったものもありますね。有名な児童文学の展覧会を2つほど。

「くまのパディントン」

マイケル ボンド(著)、フレッド バンベリー(イラスト)、中村 妙子(翻訳)

くまのパディントンは児童文学や絵本、漫画さらには映画まで色々な展開をしています。子供のころ、この熊のぬいぐるみが家にあった事を思い出す人もいるのではないでしょうか?マイケル・ボンド作の児童文学のシリーズをベースに絵本は何種類か出ております。最初に絵本として出たのはこのフレッド・バンベリー版。

児童文学版の翻訳者、松岡享子先生が監修をする展覧会がBunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。

生誕60周年記念 くまのパディントン展
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
Bunkamuraザ・ミュージアム 2018/4/28-6/25



「こんにちは、長くつ下のピッピ」

アストリッド・リンドグレーン(著)、イングリッド・ニイマン(イラスト)、いしいとしこ(翻訳)

こちらも児童文学をベースに絵本も出ています。子どものころこの本を読んでいたことを思い出して、改めて読んでみるのはどうでしょうか?著者のアストリッド・リンドグレーン『やかまし村の子どもたち』『ロッタちゃん』シリーズなども書いている方です。

著者がすごした北欧の生活などとも併せて紹介する展覧会が東京富士美術館で開催されます。

長くつ下のピッピの世界展 リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち
http://www.fujibi.or.jp/
東京富士美術館 2018/7/28-9/24



日本の絵本も名作ぞろい。
日本の絵本も負けてはいません。素晴らしい絵本とその展覧会を紹介します。

「九月姫とウグイス」

サマセット モーム(著)、武井 武雄(イラスト)、光吉 夏弥(翻訳)

この絵本の作家である武井武雄「童画」と言う言葉を生み出した人。大正時代の子供向け絵雑誌「コドモノクニ」の創刊に関わっていて、子供向けの絵を一つの芸術に高めた人です。子供の為だからって手を抜かない、いや、子供のためだからこそ全力である武井武雄さんの絵は大人になっても心に響きます。

長野県の諏訪にある武井武雄の記念館、イルフ童画館では開館20周年記念の展覧会が開催されています。

イルフ童画館20周年記念展 武井武雄クロニクル
http://www.ilf.jp/exhibition/archives/000958.html
イルフ童画館 2018/3/30-6/11



「にんぎょひめ」

アンデルセン(著)、曽野 綾子(著)、いわさき ちひろ(イラスト)

鮮やかな色あいが素晴らしくとてもこころに残るいわさきちひろの絵。子供から大人まで世代を超えてファンが多いですよね。

今年、生誕100周年記念と言うことでまず、ちひろ美術館(東京/安曇野)で1年を通して「Life展」が開催されています。この展覧会では期間ごとにアーティストとコラボレート展示の展開をしていて、現在、東京ではコラボ第二段としてspoken words project「着るをたのしむ」が開催中。安曇野では石内都「ひろしま」が開催中です。また夏には東京ステーションギャラリーでも展覧会が開催されます。

いわさきちひろ生誕100年記念の「Life展」
https://100.chihiro.jp/exhibitions/life/
ちひろ美術館(東京/安曇野)2018/3/1-2019/1/31
※「Life展」のアーティストとのコラボ展示
・「まなざしのゆくえ」大巻伸嗣 3/1-5/12 東京
・「あそぶ」plaplax 3/1-5/7 安曇野、7/28-10/28 東京
・「ひろしま」石内都 5/12-7/16 安曇野
・「着るをたのしむ」spoken words project 5/19-7/22 東京
・「子どものへや」トラフ建築設計事務所 7/21-9/25 安曇野
・「みんないきてる」谷川俊太郎 9/29-12/16 安曇野
・「作家で、母で つくる そだてる」長島有里枝 11/3-2019/1/31 東京

生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
東京ステーションギャラリー 2018/7/14-9/9



ほかにもある、絵本に関する展覧会。

東京都庭園美術館では西洋古書コレクター 鹿島茂の極上なるコレクションの展示。これぞオトナの絵本コレクション。この美術館の名建築を楽しむ展覧会も併催中。

鹿島茂コレクション フランス絵本の世界
http://www.teien-art-museum.ne.jp/
東京都庭園美術館(新館)
2018/3/21-6/12

国際子ども図書館ではオランダの子どもの本の賞を受賞した作品を展示しています。オランダの絵本や児童書に接する事が出来ます。前期展示は終了しましたが後期展示開催中です。

オランダの金の筆と銀の筆—子どもの本の世界
http://www.kodomo.go.jp/
国際子ども図書館
前期:2018/3/6-5/15
後期:2018/5/17-7/15


他にもオトナが楽しむことが出来るオススメ絵本は沢山あります。プレゼントとしても素敵で、コレクションとしても満足感のある絵本。本当に子どもだけのものにしていたら勿体無いです。絵本の世界へ踏み出してみませんか?まずは展覧会から。