「生き様がかっこいい!」カズレーザーの“マイ神”天才芸人とカズレーザーの共通点

2018/3/30 11:00 はやしちひろ はやしちひろ




「生き様がかっこいい!あぁいう芸人さんはもう出てこないですよね」とカズレーザーの憧れる芸人を知ることができた今週の「オー!マイ神様」(TBSテレビ系)。毎回、第一線で活躍する芸能人が”マイ神プレゼンター”となり、尊敬する”マイ神”の魅力を伝えるこちらのプレゼンバラエティーは、今月3月26日で放送終了に。

MC・進行アシスタントを務めていた、爆笑問題 田中裕二とメイプル超合金 カズレーザーの掛け合いが面白く、お2人も楽しそうだったので、もう見られなくなってしまうのは残念ですが…最終回は、そのお2人の“マイ神”を発表するという、神回でした。


「知性×毒舌×お笑い」が特徴の上岡龍太郎

気になるカズレーザーの”マイ神”は、関西を中心にテレビ業界を席巻した、上岡龍太郎(かみおかりゅうたろう)氏。90年代、知性的な語り口に鋭い毒舌を交えた芸風で人気を博した芸人で、兄弟コンビのミキ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)の伯父だと話題になった、あの方です。

カズさんの口から上岡龍太郎という名前が出てきて「そうなの!?」と驚く田中さん。理由を尋ねると、「僕が憧れる男性像。物を知っているってことを面白くしたのを初めて見たのが上岡さんだった。58歳の若さで、全盛期に辞めたんです。テレビを見てたら上岡さんより上の芸人さんが言葉に詰まったらしいんですよ。それを見て、奥さんに『僕がこんな風にレベルが下がってたらいつでも言ってな』って言ったら、奥さんに『あんた最近レベル落ちてるで』って言われて、じゃぁ引退しようって決めたらしいんです。生き様がかっこいい!あぁいう芸人さんはもう出てこないですよね」と答えていました。

2000年4月、惜しまれつつ芸能界を引退した上岡龍太郎氏。元々は、横山パンチという芸名で、故元大阪府知事の横山ノック、横山フックと、「漫画トリオ」を結成していました。トリオ解散後は上岡龍太郎として、ピン芸人の道を歩み始めます。芸人と言うにはあまりにインテリで、クールで、ダンディな印象です。

上岡さんは引退を決めた当時、「僕の芸は20世紀で終わり。21世紀には新しい人生を歩みたい」と発言していたそう。また、「古典が教養だとは思わないが」と添えつつも、若い人たちのお笑いは面白いけど教養がない、とも感じていたようです。上岡さんが子供の頃にテレビに出ていた人たちは、若い頃から海外に行っていたり、昔のことも知っていたり、面白いことだけでなく何か勉強になることを言っていた。しかし、今のお笑いの世界に自分がどうこう言うのも違うと感じていたのも引退を決めるきっかけになったようです。

カズさんの”マイ神”プレゼンはわずか3分足らずでしたが本当に尊敬しているのだろうな、と感じる話し方で、反響も大きかったようです。が、番組放送以前も、引退後とは思えないくらい呟かれているツイートは多数。













あんな芸人はもう出てこない、またあの毒舌を聞きたいという声が後を絶ちません。


上岡龍太郎とカズレーザーの共通点

これまでカズさんの口から、さだまさしさんやイッセー尾形さんの名前は聞いたことがありました。カズさんが子どもの頃ラジオを聴いて、楽曲ともにさださんのファンになり、ピン芸人時代はイッセー尾形さんのような一人芝居で観客を笑わせるお笑いをしたいと思っていたそう。今回新しく、上岡龍太郎氏を通してカズさんの価値観を知ることができたのは興味深くて嬉しい限り。

かつてある番組でカズさんが、「バカでいいっていう風潮があるけどそれは良くない」といった旨のコメントをしていたので、今思うと根底には上岡さん精神があったのではと伺えます。

ちなみにカズさんは、さだまさしさんの楽曲『遥かなるクリスマス』が好きだったり、「たっぱあるね」「まぶいぜ!」という言葉遣いをしていたり、趣味嗜好にとても昭和な香りがあるなぁ、と改めて感じました。今時の人が普段あまり口語で使わない言葉も使っているので語彙力が豊富というイメージがあるのかも。

一見すると、上岡さんとカズさんはタイプが違うように見えますが、上岡さんの潔さと、カズさんの「爪痕を残そうとしない」「固執しない」という精神は近いものを感じます。また、教養を「お笑い」として武器に変えられるというエッセンスは、既にカズさんも確立していると思うのは私だけでしょうか。

カズさん本人はどう考えているか分かりませんが、おじいちゃんになっても活躍してほしいと思った最終回でした。