【西園寺C子の日々】知らないおじさんに足をなめられた話

2018/3/22 17:39 西園寺C子 西園寺C子





西園寺C子。(さいおんじしいこ)
30歳。女。独身。
なぜか"変わった人や事件"に遭遇する事が多い人生を歩んでいます。

本連載では、私を取り巻く珍事や性癖などについて書いてみることになりました。
どうぞよろしくお願いします。








いろんな変態がいていいと思う。
愛があれば。いや、仮になかったとしても。

変態といえば…
今でこそ国民的人気俳優となった星野源さん。

彼は過去のツイッターでの過激な下ネタが炎上騒ぎになったり、著書やラジオでも自身の変態的エピソードを披露しているようだ。

しかし、星野源さんの人気は衰えない。むしろそれにより好感度が上がったりする。

キモチ悪がられたり煙たがられがちの「変態性」は、時にその人の魅力の一つにもなりえる。







だが、人にはさまざまな性癖がある故、理解できない性癖を持った人に出会うこともある。
通常、「変態性」を全くの他人にぶつけると、ほぼ確実に犯罪行為になる。

私のこれまでの人生を振り返ると、「露出おじさん」には何度か遭遇した。
この手の変態は、一方的すぎるただの犯罪。下手すれば、トラウマになりかねないし。

ここ最近では、男女の関係になった人から首をしめられたこともあった。

しかし、それよりも何よりも印象に残っている変態が、私の心の中にいる。






■ピアノのレッスン後…






今から15年ほど前のある日、中学生だった私は、ピアノのレッスンに行った。

レッスンが終わり、最寄り駅に着いたのはおそらく21時頃だったと思う。
ここから家までは15分くらい。

駅から家に向かって歩き出すと、1人のおじさんに声をかけられた。
年齢は40代くらいのぼっちゃりしたおじさん。

「◯◯病院にお見舞いに行くんだけど、場所が分からないので教えてもらえないかな」

とても悪い人には見えなかった。

方向音痴の私は、口頭で道を説明するのがものすごく下手だったため、近くだし案内しますよ、と言った。




病院の場所を案内し、帰ろうとすると

「本当にありがとう!助かったよ。お礼したいからちょっとついてきてくれる?」と言われた。


お礼なんていいです、と断ったが、何度かお願いされた為、ついていくことになった。(記憶が定かではないが、確かこのようなやりとりがあったように思う)




「近くだから」と言って、おじさんはあるアパートに入っていった。
「ついてきて、ついてきて。」と言われ、入るとすぐ目の前に階段があった。


おじさんに促され、階段に座らされた。


おじさんはアパートに入ってからほとんど言葉を発していない。


お世辞にも綺麗とは言えないアパートの中はかなり暗く、静かだった。



人の気配がない。



急にすごく怖くなってきた。




その時私はスカートを履いていて、下に黒いタイツを履いていた。


おじさんに「脱いで」と言われたのか、脱がされたのか覚えていないが、靴を脱がされた。



さすがにおかしいと思ったが、もう遅かった。



おじさんは私の前に座り込み、足に触れた。


今思えばこの時、大声でも出せばよかったのかもしれない。



次の瞬間……







おじさんは私の足を持ち上げ、爪先をおもむろに…



舐め始めた。



・・・ヒッ!!!!!!



あまりの怖さに声が出なかった。




当時の私は男子に下ネタを言われても泣くくらいシャイな子供だったし、そういう行為もした事がなかった。
勿論足を舐められたことなんてない。



おじさんは一心不乱にわたしの足を舐め続けている。



指、指の間、かかと、足の裏…

私はただ黙って座って舐められ続けていた。



気持ち悪い。



おじさんの舌が動物みたいに動いている。
タイツが濡れているのも不快だ。





どれ位の時間がたったのだろう。

気が付けば、タイツも脱がされ、直接足を舐められていた。



アパートは相変わらずひっそりとしていた。

私が叫んだりしたら、この目の前のおじさんはどうするのだろう。
豹変して暴れだしたりするのだろうか。

そう思うと怖くて、一度も「やめて!」とは言えなかった。




長いおぞましい時間が終わった。

おじさんに「ありがとう」と言われ、アパートを出た。




果たしてこれがおじさんの言うところの「お礼」なのか??
さっきのは、何????

混乱している私に、おじさんは2000円を差し出した。


「・・・」


恐怖で何も言えず、固まった私の手に、おじさんは2000円を無理やりねじ込んだ。



結局、おじさんはスタコラサッサと帰っていった。



私は解放されたようだ。



急に恐怖から解き放たれたことと、気持ち悪さと混乱。

帰り道は涙が止まらなかった。


親にはその日に起こった事を何でも話すタイプだったが、この事を言ったらお母さんがショックを受けるだろうな、と思って言えなかった。


4, 5年経ってやっと打ち明けた時はびっくりして、
「それだけで済んでよかった…。知らん人についていったらあかんで、あんた」
と、時を経て、私も結構大きくなっているのに、改めて叱られた思い出がある。






■「足なめ男」のその後?





一昨年。
「足なめ男」のニュースがテレビで報じられた。


「足なめ男」は車が故障したから見てほしい、と見知らぬ女性に頼み込み、運転席に座らせ、その下に潜り込んで足をなめたという。

この時はじめて、家族以外の人に「足なめ男」の思い出を打ち明けたところ、

それって、もしかしたら同一人物じゃないの?と言われた。


運転席の下に潜り込んだ「足なめ男」と、中学生の時に私の足をなめてきた男が同一人物かはわからない。
けれども、もし同一人物だったとしたら…。

平気で15年以上もの間ずっと「足なめ」を続けているという、そのすさまじい執着心に感服すら覚える。



「足なめ男」との思い出は、「知らない人についていってはいけない」という教訓をもたらすお話として、今後しかるべきタイミングでグリム童話のように語り継いでいきたいと思う。



西園寺C子



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